ヒトラーの忘れもののレビュー・感想・評価
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戦争の狂気
勝てば官軍、とはわかりやすい言葉で。
戦勝国となった途端にこうなってしまう。
ヒトラー憎けりゃドのつく全てが憎い。
実際、戦時中はどこの国でも多くの人が対戦国へのブラックな感情を持っていたのは当たり前でしょう。
そんな中で『優しさ』や『思いやり』を抱いてしまうことを恥じねばならないような環境、残酷です。
劇中の少年たちに囲まれてたら、誰だって普通の人になりますよ。兵士ではなく。
それを許さない戦争という非日常空間をどれだけ多くの人が苦しんできたか、今さらながら考えさせられます。
皆さま書かれているように、あんなラストは有り得ない。きっとこの後のシーンは軍曹のピストル自殺だろうと思ってます。
地雷を埋めたドイツはたしかに責任を負うべきだが、だがしかし…を悶々とループしながら考えてしまう、スッキリすることのない映画でした。
地雷除去機の開発に日本企業が技術力を発揮してくれている現状に救われます。
地雷の恐ろしさと、煩わしさ、そして今も世界中で地雷に苦しめられている現実があることを改めて思い知らされました。
忘れものなんて言葉、甘い!!
邦題はダメだが内容は素晴らしい
主人公は軍曹
舞台は第二次世界大戦後のデンマーク。ドイツ軍が浜辺に埋めた地雷をドイツ少年兵に除去させる話である。
主人公は少年兵たちのように見えるが、ドイツ軍の侵略を受けた被害者であり、捕虜を扱う加害者でもある軍曹が最も味のあるキャラクターだった。
ナチスに対する憎しみや、少年兵に対する情を持ちつつ、軍人として命令に従わないといけないという1番戦争に翻弄されている人間らしい役どころだ。
地雷を除去する話なので常に地雷が爆発するのでは、という不安感が映画に緊張感を持たせてくれる。
戦争映画なので全編を通して暗く、グロテスクなシーンや暴力的なシーンもあるので楽しい気分になる映画ではない。
ヒトラーの忘れもの(地雷)が戦争というもの自体の理不尽さを象徴してるように感じた映画で、観てよかったと思える作品だった。
目をそらしてはいけないこと
反戦映画。
重たい。やり切れない悲しい気持ち。怖い。
こんな歴史があったんですね。
いろいろ考えさせられました。
自分が軍曹だったら…
自分が少年兵だったら…
ラストは…映画やな…思いました。
(ホッと一安心やけど…その後…想像したら…複雑やわ…)
観て良かったです。
こんな映画を作れるなんて凄いですね!
戦争は絶対にやってはいけない!
ラストが秀逸
砂に埋まった無数の地雷を
一つ一つ手で除去して行く少年兵たち
彼らはまだ子どもであり、
夢があり、腹が減り、
よく遊び、よく眠る歳なのだ
ひとり、またひとりと命を落とす彼らに
感情移入しすぎて終始辛い映画だった
映画のキーパーソンは軍曹
どちらも人であり、国民であり、感情があるんだなぁ、と感じた。彼は誰かの親だったのかもしれない。戦争は彼から何か大切なものを奪ったのかもしれない
双子の兄が死んだとき「兄を許してください、わかってやってください」「ドイツで左官をします、ドイツは今瓦礫だけなんです」と虚ろな目で軍曹に伝えるシーンが印象的だった。優しく撫でる軍曹の後ろ姿が寂しくも美しい。どちらも失ったものが大きすぎる両国のどちらにも寄らない映画での描き方が心にしみる。
物語の冒頭も印象的
原題の言葉が突き刺さる
僕たちが憎いから爆死しようが餓死しようが関係ないと?
映画「ヒトラーの忘れもの」
(マーチン・ピータ・サンフリト監督)から。
タイトルの意味は、冒頭にサラッと説明される。
「ドイツによる5年間の占領が終わった。
ナチスが西海岸に埋めた地雷は220万になる」
デンマークの海岸沿いに残された無数の地雷こそ、
「ヒトラーの忘れもの」なんだとよくわかる。
その地雷撤去を、敗戦国ドイツ軍の少年兵に強制していた、
その史実も驚いたが、もっと驚いたことは
作品の製作国が「デンマーク・ドイツ合作」だったこと。
第2次世界大戦直後、それほど憎みあっていた両国が、
どちらかの国を美化するのではなく、しっかりと現実を見つめ、
自分の母国がしたことへの反省と、責任を感じて作った、
そんな気がしてならない。
心に刺さる台詞の中から、いつ地雷に吹き飛ばされるか分からない、
食べ物も満足に与えられず、腐ったものを食べて嘔吐下痢を繰り返す、
そんな極限状態で、ドイツ少年兵が、デンマークの人たちに叫んだ、
言葉を選ぶことにした。
「僕たちが憎いから爆死しようが餓死しようが関係ないと?」
人間って、どこまで冷酷になれるんだ・・と怒りが込みあげたが、
それを救ってくれたのが、ホッとして涙腺が緩んだラストシーン。
ハッピーエンドとは言えないけれど、それでも温かい気持ちになった。
日本もこういった映画を作るべきかもなぁ。
タイトルなし
邦題があんまりだよ…
【観た:ヒトラーの忘れもの】原題「Land of mine」こっちの方がずっといい 良作 大げさな表現はなく悲惨な状況を淡々とかつ緊張感に満ちたドラマに仕上げている ラストの切り方も良い 劇場で観たら泣いてたと思う
デンマーク人が嫌いになりそう
善と悪の狭間
「ヒットラーの忘れもの」とは?映画を観てよく理解でき、この邦題は素晴らしいですね。
戦後2000名ものドイツの少年兵がデンマークの捕虜として地雷撤去に駆り出されて居たなんて!こんな事実があっんですね、まずは驚きました。
そしてよくぞこの題材を映画にしてくれましたと頭が下がります。
デンマーク人の軍曹は捕虜として又憎むべきヒットラー率いるドイツ軍の兵士としての扱いを当然として行っていた。
しかしその少年兵達と接している内にふと疑問を感じたのでしよう、こんな若い少年達の命をこんな事で奪っていいのかと。
まずは食べ物を子供達の所へ持っていく(放り投げたけどね)
浜辺でサッカーをしている軍曹と子供達、逃げだせないように大きな木の板を外した時ホッとして緊張がほぐれました。良かったと安堵しましたが、愛犬が地雷で死んだ時、また冷酷な軍曹に逆戻りする。人って間で生きているのだなーと思いましたよ。
地雷撤去が終わり14人いたのに、4人しか残らなかった少年兵を軍曹が救い「国へ走っていけ」言うと後ろを振り返りつつ走っていく少年達は何を思っていたのでしょう。
一刻も早くドイツに帰り国を建て直すと言っていた事を実行すると信じます。こんな過酷な体験と人の善意を知ったのだから。
双子の兄が地雷で死んだ後、弟は錯乱し、軍曹に兄を嫌わないでと懇願するでしょ。その弟が少女を助け、自ら地雷を踏み亡くなるところ切なくて泣けました。
「ソフィの選択」や「サラの鍵」など悲劇的な結末で衝撃を受けましたが、この忘れ物の最後をこのかたちにしたのも、きっと意味があるのでしょう。
軍曹の行為は深い感慨とは思えませんが、それに軍曹のその後は?少年兵が無事に祖国の地に着けるかとか、不安は数々あるけれどこれはこれで良かったと思います。
その前にこんな事実を私は深く受け止めましたから。
デンマーク、ドイツ、サイドを変えてみると善悪の曖昧さ、真実も歪んで見えたりする。
それを映画を観た者が考え見抜いて!と言っているような気がします。
地雷と少年兵
舞台は第二次世界大戦終戦後のデンマーク
ナチス軍が残していった地雷の撤去作業を強いられたドイツ人少年兵士と
作業を監督するデンマーク人軍曹を描いた史実に基づく作品
この映画、当初はタイトルが 地雷と少年兵 だったそうな
ヒトラーの忘れ物とはなんとも詩的なタイトルに変わったもんだ
戦争映画=ナチスだヒトラーだ、って方程式に基づいて名付けられたのかな
そしてそもそもの原題は Land of Mine
ナチスに汚されたデンマーク人にとっての「自分の土地」であり
後処理をさせられる少年兵にとっては「地雷源」
どっちにも取ることができるし、映画自体ドイツ、デンマーク、どちらの視点で観るかによって受け止め方が変わる作品かと思う
冒頭で「俺の国から出て行け」と罵る鬼軍曹の、少年兵との心の交流で良心の呵責に苛まれていく姿は美しいものであったし
同じくナチス政権下を描いた「善き人のためのソナタ」を思い出すものだった
考えれば考えるほど奥深い
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