ヒトラーの忘れもの

劇場公開日:2016年12月17日

ヒトラーの忘れもの

解説・あらすじ

終戦直後のデンマークを舞台に、地雷撤去を強制される敗残ドイツ軍の少年兵たちの過酷な運命を、史実に基づいて描いた。第2次世界大戦後、デンマークの海岸沿いに残された無数の地雷を撤去するため、元ナチス・ドイツの少年兵たちが連れて来られる。彼らを指揮するデンマーク人軍曹はナチスに激しい憎しみを抱きながらも、無垢な少年たちが次々と命を落とすのを見て良心の呵責にさいなまれるようになっていく。2015年・第28回東京国際映画祭コンペティション部門に出品され、軍曹役のローラン・モラーと少年兵役のルイス・ホフマンが最優秀男優賞を受賞した(映画祭上映時タイトル「地雷と少年兵」)。

2015年製作/101分/G/デンマーク・ドイツ合作
原題または英題:Under sandet
配給:キノフィルムズ
劇場公開日:2016年12月17日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第89回 アカデミー賞(2017年)

ノミネート

外国語映画賞  
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(C)2015 NORDISK FILM PRODUCTION A/S & AMUSEMENT PARK FILM GMBH & ZDF

映画レビュー

3.5 忘れものという例えは適切ですか?

2025年10月30日
PCから投稿

第二次世界大戦後のデンマークで、ドイツ人少年兵で構成された捕虜グループが、デンマーク人軍曹の監視の下、海岸に埋まった何千もの地雷を除去する作業を強制される。という話です。エンドテロップに2,000名以上独軍捕虜が150万個の地雷除去に関わり多数が死亡もしくは重症を負った。彼らの多くは少年兵だった、とありました。

恐ろしくて悲しい話ですが少年兵の陥った状況をより地獄に見せるためにデンマーク側の態度が過度に描かれている感じがありました。ナチスドイツに恨みをもっていることは解りますが彼らに食べ物を与えないとか、なんというか動機と目的と感情が混線していて非合理でした。非合理な戦時を描いているから非合理だとはいえやや不自然さを感じました。軍曹も少年らの窮状を理解しているようでいながら飼犬が地雷で事故死すると当たり散らしたり酷薄なのか温情なのかわからない設定でした。顔そっくりの兄弟は感情としては不憫でしたが映画としてはフラグでした。
とはいえこの映画で起こる爆発はどんな映画よりも唐突で非情でした。ナチスが仕掛けた地雷ですからナチスに除去してほしいところですが、少年兵にやらせるのは不条理でした。

原題Under sandetは砂の下と訳されました。英題はLand of Mineで地雷原と訳されました。邦題はヒトラーの忘れもの、です。

ヒトラーの忘れものとは?

繰り返しますがこれは第二次世界大戦後のデンマークで、ドイツ人少年兵で構成された捕虜グループが、デンマーク人軍曹の監視の下、海岸に埋まった何千もの地雷を除去する作業を強制される、という話です。年端もいかない少年らが地雷によって死んだり仲間を失ったりする話です。

そのタイトルがヒトラーの忘れもの?うまいこと言ったつもりかもしれませんが、この邦題の目的は地雷を忘れものとし忘れものをしたのはヒトラーであるというメタファーによって少年兵が陥った悲哀を増幅させようとするところにあります。このうんこセンスを披露した配給会社の誰某は自分が名付けた邦題によって、いままであまり知られてこなかった史実の周知に貢献したであろうと自得しているかもしれませんが、そんなことはありません。

なぜならこの原題は砂の下であり英題も地雷原であり、ヒトラーの忘れものは命名者の脳内でこねくりまわしたポエムに過ぎず当然この映画の製作者はポエマーのつけた邦題を承引していません。(憶測ですが)邦題は権利を買った配給会社の社内でこんどはおまえつけみろよとか言って振られた新入社員がえいいんですかあとかいって、その新入社員は家に持ち帰ってこんどこの洋画の命名を任せられたのとか家族に話したところ、えおまえすごいじゃあないかとかいって、ヒトラーの忘れものとつけたら、みんな感極まって泣き出しちゃったりなんかして・・・そういう軽い内輪のりでつけられるものであろうと想像されます。すなわち邦題とは人のつくったものに勝手気儘に題をつけて著作権法に抵触しないという日本独自の文化形態です。一ミリたりともこの命名者が称揚されたり自得したりすることがないようにお願いしたい。な・に・が・ヒ・ト・ラ・ー・の・忘・れ・も・の・だ。とわたしは思います。忘れたもなにも、ヒトラーにとって海岸に仕掛けた地雷のことなど知ったことではないでしょうし、ご覧になれば解りますが忘れものなんていう傘みたいなものじゃありません。

日本人にはポエマーの気質があると思います。それは良い方向へ転ぶよりも、悪い方向へ転ぶことのほうが多い気質です。君たちはどう生きるかの英題はThe Boy and the Heron(少年と鷺)です。英語圏で君たちはどう生きるかがそのまま英訳されたら、なんのことやらわかりません。しかし日本人はポエマーですから宮崎駿と君たちはどう生きるかを並べてなんとなく汲み取るわけです。それは能力とかではなく、漠然とした申し合わせのようなものです。日本人は感動的なシチュエーションに並外れた理解力があります。なんというか感動的なものを見て泣きたくて仕方のない国民性です。
そもそも宮崎駿が有名かつ天才だから君たちはどう生きるかという題が許されるのであり、無名の者がじぶんの頭の中でこねくりまわした題をつけたら怪しいだけです。すなわちポエマーとは実力や内容があって許される属性です。もはや日本人はポエムな邦題に慣れっこですが、だからといって腹が立たないわけではありません。

imdb7.8、rottentomatoes91%と89%。

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津次郎

3.0 戦争の後始末

2025年10月14日
PCから投稿

少年兵が劣悪な環境で地雷処理。
何万とある途方もない数を処理しなければならない。
自業自得と言われればそれまでだけど。
少年兵とはいえ、敵国民を殺し、
またはそれに準ずる行為に
加担しているのだから無罪放免とはならない。
戦争が終わっても憎しみが癒えない。
この気持ちをどこにぶつければいいのか。
見ていてなんとも言えない気持ちなる。

最後のシーンはドラマチックです。
実際の敗戦処理はどうしているんですかね。

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to

4.5 涙なしではみられない

2025年6月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

地雷がいつ爆発するのか分からない変な緊張感が続き精神状態スレスレで観た。

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ゆうき

4.0 戦争の遺産  悪魔が蒔いた種

2025年5月2日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

難しい

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