ボーダーライン(2015)のレビュー・感想・評価
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ドキドキ、、、一気にみてしまう
通勤途中の電車の中で観始めたが、続きが気になり仕事の休憩のたびに観てしまった。
ここからどうなるのか?誰か撃たれるのか?こいつが撃ってくるのか?あの先から何かでてくるのか?リアルなドキドキがしっぱなしです。
国境での攻防も見物だった。手に汗握るとはまさにこのこと。
酒場でのケイトのシーンは、それまでの色気が微塵もないシーンからのギャップ効果か、かなり良かった。
しかし、アレハンドロ強すぎねえか?
きました、去年の「アメリカン・スナイパー」を彷彿させる、今季がっかり、ワースト候補
ドゥニ・ビルヌーブ。
「灼熱の魂」「プリズナーズ」そして大好き「複製された男」と世のタブー(人として、そして男として)を描いてきた最も最新作を期待した監督である。
その彼が無情の麻薬カルテルとの攻防を描くという。なるほど。
主演は「オール・ユー・ニード・イズ・キル」でトム・クルーズを何度も殺したエミリー・ブラント。共演はジョッシュ・ゲス・ブローリン、とベニチオ・どゲス・デル・トロ、である。
「ボーダーライン」
最近は、邦題のダメさは、作品のダメさに比例するとまで思うようになったが、配給会社も本気で後世に残す映画は、邦題も、多少集客度外視でも、マジめに考えることだろう。いや、本作を「ボーダーライン」と名付け、その理由を正義と悪の、あるいは国境の、と勝手にテーマを押し付けてることを親切、と思う人はそれでもいいだろう。
原題「Sicario」
意味は暗殺者。つまりは一人の男の話である。「一人の男の意思」にそして一人の女捜査官が、そして悪も正義も国境もないそんな世界が、振り回される話である。
だが、己の正義感に強い女捜査官が、その世界で打ちのめされる映画は数多くあるし、その姿をドラマチックに描いた「ゼロ・ダーク・サーティ」という決定打がある。
そう、去年の「ハートロッカー」の劣化版ともいえる、「アメリカン・スナイパー」のごとく、今更感がはなはだしい。
本作、「ゼロ・ダーク・サーティ」の持つ、圧倒的な「映画的」緊張感をごっそり欠いている。演出が、この世界の「設定」に甘えている、とは言い過ぎだろうか。
また、麻薬カルテルの話でいうなら、リドリー・スコットの大傑作「悪の法則」で「淡々」と、だが、「ドラマチック」にその恐怖をきっちりと描き切っている。
最近も、無情の世界を生きる、その生き様を悲しくも美しい男を描いた「ディーパンの闘い」という傑作もある。
ドゥニ・ビルヌーブはタブーの世界において、タブーのドラマを描くことで、脚光を浴びたわけだが、「複製された男」で株を下げ(もちろん、オレはこのオトコのタブー映画大好き)、再び「人」としての、「正義と悪」「人とモラル」のタブーの映画に戻ってきたわけだが、本作でちょっとこの監督に対して、映画的マジックを過剰に期待しすぎたかなあという結論。
ゲス2人もそのこれまでのキャリアの「ゲス」っぷりからすると、全然物足りない。
追記
もう一つ、この監督、アクション演出はやめたほうがいい。どことなく、そのダメさもクリント・イーストウッドを彷彿させる(詳しくは「アメリカンスナイパー」の評で)
追記2
「ゼロ・ダーク・サーティ」には女性映画としても見どころもある。「ハートロッカー」の反戦映画の決定打といい、キャサリン・ビグロー監督のすばらしさを思い返すレビューとなったなあ。
緊張感とは、を感じさせてくれる作品
銃声が響きわたる…町
…実在するかどうかはわからないけど
知らない世界を見たという感じ
…麻薬の根源を撲滅する為
黒幕を突き止める
FBIケイト役の
エミリーブラントが
麻薬戦争となる現場に男たちと一緒に
一番の危険地帯に入る
常に緊張感が止まらない
ケイトが見ている風景と同じ目線で
次から次へと変わる状況を目にし
追い詰めたときの銃撃戦
ハラハラドキドキの心持ちが
…ずっと続く
任務を終え
自分の甘さを"痛感"する
この監督の
音楽の効果も素晴らしいので
グイグイ映像に引き込まれていく
エミリーブラントを好きになった作品
二回目の鑑賞(2025.6.19)
悪を倒しに行くには悪の沼地に足を入れなければならない
理不尽
主人公ケイトにものすごく共感
不憫でならない、主人公のFBIケイト。
彼女は一般市民的な感覚を持って、法令を守って仕事をしてきた。
それがある日突然上司に喚ばれて別組織に入ってみないか、そうすれば今抱えてる問題の根っこに対処出来ると。
そう言われて志願して入ってみたら、何もかもが言われたのと違う。
国防総省の顧問と紹介されたマットはどうやらCIAらしい(そして国内活動ができないCIAは、国内活動の免罪符のためだけにFBIを利用することがあるらいし。ケイトと同僚の愚痴から察するに、それは米国での悪しき習慣ぽい)。
国内の都市に行くと言われたらメキシコに行かされてる。しかもそこでは、交戦規程もあって無いような状態、歴戦の強者アレハンドロの鋭い感性で敵襲を察知してどんどんけしかけて銃撃・殲滅する。国外で警察も相手にして戦わされる。外国で警察撃つってそれ外交上大丈夫なのかと素人的には思いつつ、ケイトはその流れに乗らざるを得ない…
麻薬組織の撲滅のため、と言われていたのに、どうやらCIAが指向してるのは過去の別のカルテルによる支配に揺り戻すことでの安定化であって、撲滅ではないらしい。
トンネル急襲も所詮陽動にすぎず本来の目的は別にあったと後で知らされる。
ケイトは持ち前の正義感で疑念を当事者や上司にぶつけるが、国家という巨大な目的を持った上位の者たちに踏み潰されて流されてしまう。
最後に、休みの日にお父さんとサッカーをしたいとずっと言ってたメキシコの少年が出てくる。
彼のお父さんは警察で麻薬組織に加担してた(というかあんな社会だったら加担しないわけにいかないと思った)。アレハンドロに利用されてあっさり射殺されて道路に捨てられた。
彼の犠牲なんて、国家の目的からすればゴミみたいなもの。てことなのだろう。
でも家族にとっては…
アレハンドロに、今回の活動は合法だったという紙にサインしろと言われたケイトが、サインできないと泣いたときには、たぶんあのサッカー少年やその父が、その他の無数の一般人の犠牲者が見えていたんだと思う。
CIAの正義は重々分かりつつも、自分が守ってきた一般人たちの味方をしたい思いと、国家のためにはやむを得ないのだという現実で潰される姿がとても悲痛。
なんかこう、いろんなモヤモヤが残りつつも、一般市民的にはケイトには共感せずに居られなかった。
深淵
2016年日本公開作
今現在でも続くアメリカ、メキシコひいては南米を含む
麻薬戦争を描いた傑作。凡百のアクション映画と思って観ると頭が火傷する。
FBI誘拐即応班ケイトが、麻薬特別捜査官マット率いる麻薬捜査に招集されそのミッションに就く。そこは法をも超越する戦場だった…。
凄まじい映画である。
毒をもって毒を制する、という言葉があるがそれが陳腐に思える描写。
作品を通底しているのは、正義とは?悪とは?理想とリアルの衝突。ケイトは一般人をも巻き込む超法規的捜査、違法捜査、脱法捜査のボーダーの中、何が信じられるのか。捜査チームさえ信じることが難しくなり苦悩を深め、疲弊していく…
監督ドゥニヴィルヌーヴ。脚本テイラーシェリダン、
激しい銃撃戦、遺体の山…
アクションスリラーとして麻薬戦争を描きながら、人間存在の深奥に迫ろうとするシナリオが秀逸。
冒頭からラストに至るまで、緊張感が途切れることはない。
ドラマチックに撮られた物語ではなく、麻薬捜査、戦場に観客をおとしこむ。
これがかの国の麻薬戦争の最前線なのだろうか。
ケイト演じるエミリーブラント。苦悩、疲弊しながら激しいアクションもこなす。映画オッペンハイマーの妻役も印象に残る。
特別捜査官マット演じるはジョシュ・ブローリン。善悪の狭間ボーダーライン上を、達観したかのような存在感で演じている。
最も謎めいた圧倒的濃縮度でインパクトを残すのは、捜査チームのコロンビア人アレハンドロ。演じるはベニチオ・デル・トロ。
同じく麻薬戦争を様々な視点から描いたS.ソダーバーグのトラフィック、でアカデミー賞を受賞。
ラストに至り、捜査自体の真の目的とアレハンドロの宿命が観客を待つ。冷徹に捜査殺人を重ね、メキシコ麻薬カルテルの黒幕に対峙する…。
ヒリヒリする緊張感をラストまで持続させ、深い余韻を残す。現在でも、アメリカ、メキシコ麻薬戦争は終わっていないという。
今であれば、中国が原産といわれている合成麻薬フェンタニルか…
ロジャー・ディーキンスの撮影も見事。壮大な空撮、銃撃戦の俯瞰ショット、激しいカット割りだけでなく長回しで撮るアクション。人物心情を深く撮影するショット
アメリカ、メキシコの荒涼とした風景が殺伐とした物語を描写する。
哲学者ニーチェの言葉を思う。
深淵を覗く時 深淵もまたこちらを覗いているのだ
怪物と戦う者は、戦ううちに自分も怪物とならないよう用心したほうがよい、と。
骨太
タイトルなし
主人公に一切いいところが無く、作戦も蚊帳の外で、主人公共々視聴者も置いてけぼり。最後の最後に殺し屋の彼が単身アジトに乗り込み蹴散らしてエンディング。
どこ目線で観ればいいのか謎。
アマプラの評価が高かったから見たけど、正直微妙。
なにが高評価なのかレビューを見てると、緊張感が〜というワードが多かったのだが・・・たしかにヤバい状況の連続だったけど基本的に後方待機だし言うほどでもなかった。
主人公ケイトの憤りに共感できない
主人公ケイトが、強引な捜査を行う麻薬捜査班に憤りを感じるのに対してあまり共感できなかった。相手は麻薬の流通を牛耳り汚職警官と癒着する凶悪な麻薬カルテル。結果としてこのような犯罪組織を壊滅させられるのならば、米国の麻薬捜査班の捜査が多少強引だろうが構わない。多分マットやこの作戦の立案に携わった米国高官達もそう考えて超法規的な措置を許可しているのだろう。正義感に燃える主人公ケイトよりもむしろマットの方に共感を覚えた。
ニュースでたまにメキシコなどの麻薬カルテルの問題が取り上げられることがある。今作はニュースでは分からない現場の捜査の様子を、見せしめとして吊るされた死体や麻薬カルテルとの戦闘などを通じて描いており興味深かった。また、空撮で街や荒涼とした砂漠を映すシーンがしばしばあり、ここからストーリーのスケールの大きさを感じさせる。この手法は、『メッセージ』においてヘプタポッドの宇宙船を映したときと同じ壮大さで、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督らしさを感じる演出だった。
究極の我田引水は良いが。
・結末がなんとなく分っちまうし、悪者が弱っち過ぎちゃう。
・『娘を見ている様だ』臭すぎる台詞。
・『ここは狼の土地だ』相変わらず、捕食者を悪者にする。じゃ、お前は何なんだ!さしずめ、自由と民主主義の仮面を借用したク◯野郎!
究極のズッコケ映画。
やっば、タランティーノだねぇ。
メ◯シコなんだから、プロレスを勉強しないと。
『情け無用◯ジャンコ』には程遠い。
原題 Sicario
製作年 2015年
製作国 アメリカ
劇場公開日 2016年4月9日
上映時間 121分
映倫区分 R15+
とにかく脚本が素晴らしい
ヨハン・ヨハンソン最高
日本では見慣れない砂漠的な乾いた映像と
ヨハン・ヨハンソンの重厚かつ宇宙っぽい
不協和音めいた音楽が最高で、サントラ的に
何回も観ている。
麻薬カルテルや国境問題、複数組織の
玄人の共同作戦が絡み合って誰も幸せに
ならない感じがめちゃ面白かった。
エミリー・ブラントが良かった。
女性FBI捜査官が元々神経衰弱気味なのに、
とことんやられてしまうのがいい。
法律やルールブックが通用しない世界で、
パッと見女性が主役に見えるが、実際は
なんら役にたっていないのがいい。
ある意味リアルが描かれていたと思う。
打ちのめされているのが痛々しい。
気持ちは分かるが綺麗事だけで話が通じる
世界じゃなく地元警察やFBI的仕事は出来ても、
軍事作戦や闇世界の汚い世界ではジョシュ・
ブローリンやめちゃ怪しいCIAドノヴァンや
何者?的なデル・トロが活躍するリアルな感じ
がいい。
淡々とした日常(日本からしたら非日常すぎるが)
淡々とした作戦、淡々とした挫折、
ただの作戦が一つ消化されただけな結末で、
完全な勝利がないのがいい。
デル・トロが復讐を成し遂げたはずだけど
多分もう何も感じていない感じがいい。
最後、サッカーをしてた息子もきっと恐らく
父親と同じように汚職に手を染めるかもしれ
ないし、ギャングや組織の人間になるかも
しれない救いがないほの暗さがまた良かった。
銃撃の音が日常の平和な一コマがみんなが
逞しくて悲しい。
原題の"シカリオ"もカッコいいけど、
1作目に関しては邦題の"ボーダーライン"も
色々意味深で良かった。
エミリー・ブラントを主役とするなら
明らかなラインが他の人達と比べてあって
多分良心を残した人間には踏み越えれない
世界なんだろう。
そこでも突き抜けた存在のデル・トロが
2作目でエミリー・ブラントポジションに
なるのが解せない。
自分の中では2作目はヨハン・ヨハンソンも
亡くなっていたし無かったことになっているw
3作目が進行中らしいが、観たいような観たく
ないような。
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