「原作ファンとしてはまずまず満足」3月のライオン 前編 daxさんの映画レビュー(感想・評価)
原作ファンとしてはまずまず満足
キャストについて。
桐山が神木隆之介、香子が有村架純ということくらいしか事前情報なしに行ったけど、けっこう豪華なキャストだったのねという感じ。
桐山零:神木隆之介。良かった。もう少し体が細い方がいいなとか、最初の方の表情が死んでる感じとかがもっとあればより良いかなーとは思ったけど、時折感情を爆発させるところとかは良かった。
香子:有村架純。観る前は有村架純はあまり合わないんじゃないかと思ったけど(将棋みたいな頭脳ゲーム強そうな印象ないし笑)、嫌みな感じとか思ってた以上に良かった。
あかりさん:倉科カナ。大人な感じの、零を支えるストーリーの中ではよかった。後編に出てくるであろう、父親とのやり取りで弱ってしまう、零に支えられる側になる話ではどうなるか。
ひなた:清原果耶。零と川本家の出会いの場面の演技は好きで、演技については概ね申し分なしなんだけど、やっぱりひなちゃんといえば無邪気な所とか「中身が小学生風味」なので、その感じはなかったなー。むしろだいぶ大人っぽいし、零より背が高い?のも違和感だったかな。
島田さん:佐々木蔵之介。どことなく顔も原作と似ているし、声のイメージもあっていた。ただ髪がフサフサ・・・
宗谷名人:加瀬亮。原作と一番見た目のイメージが違う。何より白髪じゃないし。なんとなく、羽生名人を意識しているのかなあという感じ。でも、宗谷名人だけは、やっぱり浮世離れしているイメージなので、多少わざとらしくても白髪にしてほしかったな。顔も例に似た感じにしてほしかった。
後藤:伊藤英明。こわーい感じは原作通り。でも藤本棋竜の要素も入っているのかなあ。それはまあいいけど、今後も藤本棋竜が出てこないとすると、ちょっと寂しいかな。まあ実写であのキャラを再現するのは難しそうだけど。
ストーリーについて。
原作のいろんなエピソードを拾っていってくれているので、原作ファンとしては嬉しいけど、詰め込み過ぎな感はあるので原作を知らない人には厳しいかもしれない。
川本家の雰囲気はとても好きで、原作のイメージ通りかそれ以上。ふくふく好きなあかりさんがI am Fatとかいう映画のポスターを持っていたりして、笑いどころもあったし。もっと家の全体像とか、お風呂の場所のありえなさとか、後編で見られるといいなあ。
幸田家の物語、とくに零と香子の物語が原作以上に目立つ展開だった。やっぱり家族というのが映画を通しての一つのテーマなんだろうなあ。ただその分、零の内面の変化は描写が少なめ。内面の変化と言えば学校の話、特に林田先生や野口先輩との交流だと思うけど、この流れだと野口先輩は出てこないんだろうなあ。残念。あと屋上での昼食は一人で食べてる感じが欲しかったけど、映画では屋上で他の生徒が遊んでいたりして、あまり独りぼっち感が無かったなあ。
一番好きなのは新人戦。二階堂のセリフがフラッシュバックするだけじゃなく、病室で同じことを叫んでいたのが、二人が場所は離れていても繋がっている感じがあって胸アツでした。
原作がある話ではあるけど、原作に忠実な映像化はアニメの方で見させてもらっているので、実写では原作を大胆に削ったり変えたりしてもいいんじゃないかなあ。前編の特に最初の方は原作の各エピソードを細かく拾っている分、詰め込みすぎ間があったような気がしたので、後編は色々アレンジしてもらえることを期待。