「表現より再現。でも中途半端。お尻が痛くなるのが気になってくる」3月のライオン 前編 maruさんの映画レビュー(感想・評価)
表現より再現。でも中途半端。お尻が痛くなるのが気になってくる
公開してまだ一週間も経ってないのに、今日レディースデイだったのに、人少なくてビックリ…大コケって本当だったのね。でも見たらその理由がわかりました。
このレビュー、印象を3つまで選べるんですけど、泣けないし笑えないし興奮もしないのでどれもしっくりきません。当てはまるとしたら「寝られる」だけでしょう。私は神木隆之介くんの大ファンなので寝ませんでしたけど…でもあくびは止まりませんでした。引き込まれる映画は座りっぱなしでもお尻なんて痛くならないんですよね。
漫画の再現率はまあまあなんですけど、本当にまあまあなんです。よく漫画は漫画で映画は映画として見てくださいっていうけど、無理です。どうしても比較しながら見てしまうんです。このシーンはあの表現が絶対必要でしょう!ってところがなかったり、急に異様な音楽がかかったり…すべてのシーンが中途半端で気になってしまうんです。漫画とはまったく別のものとして見てくださいと言うのなら、映画でしか表現できない工夫が欲しかったです。アニメ版は原作のあたたかさを残しつつ漫画にはない独特の表現があって良かったのですが…映画は暗さを強調して漫画を中途半端に再現しましたって感じで。素晴らしい俳優さんの素晴らしい演技がなかったら寝ていたでしょう。
神木くん演じる桐山零くんは、もう零くんそのものでした。ただ他の俳優さんは再現プラスでオリジナルの表現があって映画だからそれはそれでありだったんだけど、零くんだけは零くんでした。それがなんか、面白さよりも感心が強かったです。表現より再現でした。あまりにも零くんがそのまんま零くんだから漫画と違うところを見つけるとより気になってしまったのかも。
将棋シーンと家族関係のシーンに力を入れすぎていて原作のあたたかさが感じられないのが残念。見終わったあと、「無」でした。良かったとも言えないし後味が悪いわけでもない。涙が出そうにも一度もならなかったし、どんなに演技が素晴らしくてもなんでかグッとこないんです。零くんそのものだな〜、島田さんの柔らかさがうまく出てるな〜っていう感情だけ。座りっぱなしでお尻が痛くなっただけ。エンドロールの途中で帰ったのは初めてでした。神木くんのファンでも2部は見ないかな。2部も見たいってどうしても思えなかった。