「「原作再現」において他の追随を許さない。」3月のライオン 前編 カイロスに魅了された愚者さんの映画レビュー(感想・評価)
「原作再現」において他の追随を許さない。
そんな監督の意気込みが伝わってきたような今作。
この映画はスゴい。
実写の世界で羽海野チカ先生の世界観を描き出すことへの執念が見えました。
みんながみんな性格一緒なのはもちろんとしてそのビジュアルが素晴らしい。
特にインパクトの大きい染谷将太は自然にデブだし、男性陣は「みんないつもと顔違うね?」ってくらいに役作りしてます。
メイクさんの力も大きいのかもしれない。
子役たちにも感心した!
よくこんなに雰囲気同じ感じに揃えてきたなと。
何よりモモちゃんかわいすぎだろう新海誠の娘さんおかしいぞなにあの生き物。
豪華な俳優陣でしたがその役者さんの中だと佐々木蔵之介のキャスティングが嬉しかった。
目元が一緒なんですよ、生え際が前のめりすぎること以外文句がない(笑)。
あと高橋一生、そのヒゲは面白すぎるだろう。
スクリーンに映るたび笑わされて悔しい思いだ。だから好きなんだよちくしょう。
全員の演じるキャラクターが正に忠実で機微まで作りこまれ、それらをしっかり捉えていくカメラワークと演出が見事。
そのほかにも脚本の詰め込みっぷりが嬉しかった。
「ええ?前編なのにこんなに観ちゃっていいのかい?ポイント鑑賞でタダなのにここまで見せてよかったのかい??」
などとしょうもないことを気にしちゃうくらい、自分が勝手に考えてた区切りのその先へ驚くべきテンポでずんずん越えていく。
鑑賞中テンションは上がりっぱなし。
対局の場面は思わず固唾を飲んでしまうほど、緊張感を作り上げるのが上手に感じた。
桐山零の心情を表現するのも非常に丁寧だった。
とかく、前編であるにも関わらずあまりにも完成度が高すぎてエンドロール後の予告まで後編があることをすっかり忘れていた。
次回も複雑な話になっていそうで非常に楽しみだ。