レヴェナント 蘇えりし者のレビュー・感想・評価
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イニャリトゥxルベツキによる白魔術
極寒の大地で奇跡的に一命を取り留めた男のサバイバル。なんか「オデッセイ」に似ています。しかしこの物語は「復讐の物語」。「オデッセイ」には存在していなかった「敵役」がいます。 それにしても映画の濃度が圧倒的です。重い、深い、痛い。 そして、ルベツキのカメラがまた凄い。前へ後へ、右へ左へ、上へ下へ、そしてディカプリオの周りをぐるぐると、とにかく動く動く。 アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督と撮影監督のエマニュエル・ルベツキは、撮影にあたって「3つのルール」を決めたそうです。(1)主人公の旅の自然な流れを維持するため、時系列に沿って撮影を進めること。(2) 当時存在していなかった人工照明を使わず、太陽光と火による光だけを使って撮影すること。(3)「バードマン」で有名になった長回しの撮影方法を、まったく違う効果を狙って利用すること。 太陽光と火の明かりだけで撮影するだなんて、まるでテレンス・マリックじゃないですか!と思ったら、撮影監督エマニュエル・ルベツキは、「ニュー・ワールド」「ツリー・オブ・ライフ」「トゥ・ザ・ワンダー」と、21世紀に入ってからのマリック監督作3本で撮影を担当していたのでした。なるほどな〜。 何というか、凡百の映画人とは映画作りのレベルが違うと感じます。ここを超えようというとてつもなく高いハードルを設定し、産みの苦しみにもがきながらもそこを見事に超えてきている映画。そんな風に感じます。 「バードマン」が黒魔術だとしたら、「レヴェナント」は白魔術ですね。坂本龍一の音楽にもシビれます。
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