レヴェナント 蘇えりし者のレビュー・感想・評価
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おかわりはいらないです。
オスカー受賞が期待されていたレオが主演ということで、オスカー前哨戦のゴールデングローブあたりからやたらと騒がれてたこの映画。実際彼の演技は文句無しで主演男優賞受賞に値する名演ではあるが、映画としてまた見たいなと思う作品では正直ない。つまり、ディカプリオが主演だからという安直な理由で、デートとかで見に行ったりとかは全くオススメできない映画です。
土地を巡る争いや、人々の戦いが自然のスケールにおいてちっぽけでありながら、それも自然の一部であるという話なのはなんとなくわかるが。全体的にあまりにもリアルかつメタファーにあふれていて、観客を置いて行っている感が否めない。サバイバルもしくはリベンジ映画の脚本としてはあまり目新しいところはないし、暴力的なシーン以外に観客の緊張を誘うシーンがあまりないから、退屈で長い。
照明無しの自然光のみでの撮影や、極寒かつ撮影困難な状況の中でのシューティングの中で、ここまでの映像美と「作品」を作り上げた中での監督賞と撮影賞の受賞は妥当。ただ映画としてのボトムラインの「観ることでの心地好さ」みたいなのを忘れすぎていて、別に見ても見なくてもどっちでもいいかなと。
アメリカにいますが、ゴールデングローブ/オスカーの受賞をきっかけに見に行った多くの友人は、「おかわりはいりません。」という感じです。
これはおもしろい!!!!!!
イニャリトゥxルベツキによる白魔術
極寒の大地で奇跡的に一命を取り留めた男のサバイバル。なんか「オデッセイ」に似ています。しかしこの物語は「復讐の物語」。「オデッセイ」には存在していなかった「敵役」がいます。
それにしても映画の濃度が圧倒的です。重い、深い、痛い。
そして、ルベツキのカメラがまた凄い。前へ後へ、右へ左へ、上へ下へ、そしてディカプリオの周りをぐるぐると、とにかく動く動く。
アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督と撮影監督のエマニュエル・ルベツキは、撮影にあたって「3つのルール」を決めたそうです。(1)主人公の旅の自然な流れを維持するため、時系列に沿って撮影を進めること。(2) 当時存在していなかった人工照明を使わず、太陽光と火による光だけを使って撮影すること。(3)「バードマン」で有名になった長回しの撮影方法を、まったく違う効果を狙って利用すること。
太陽光と火の明かりだけで撮影するだなんて、まるでテレンス・マリックじゃないですか!と思ったら、撮影監督エマニュエル・ルベツキは、「ニュー・ワールド」「ツリー・オブ・ライフ」「トゥ・ザ・ワンダー」と、21世紀に入ってからのマリック監督作3本で撮影を担当していたのでした。なるほどな〜。
何というか、凡百の映画人とは映画作りのレベルが違うと感じます。ここを超えようというとてつもなく高いハードルを設定し、産みの苦しみにもがきながらもそこを見事に超えてきている映画。そんな風に感じます。
「バードマン」が黒魔術だとしたら、「レヴェナント」は白魔術ですね。坂本龍一の音楽にもシビれます。
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