劇場公開日 2016年4月22日

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「全部もっていかれる」レヴェナント 蘇えりし者 ラビ田さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0全部もっていかれる

2016年5月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

鑑賞後、こんなに満身創痍になったのは久しぶりです。2時間半近い緊張状態がどっと体におしよせて、ぐったりふらふらになりながら映画館を出ました。

最初の狩りからインディアンとの戦闘シーンの長回しで一気に主人公の世界に引き込まれる。まるで自分も雪山の中にいるような臨場感。
感じるのは、熊にやられた傷の疼く痛みと熱、朦朧とする身体にごうごうと燃える憎しみ、それすら押し消すような冷水や吹雪、かき消されそうになるたびに命を永らえる動物のはらわたや血のあたたかさ。

息子の仇を追って、インディアンから追われて、何より油断すれば一瞬で命を奪う自然に包囲されて、ずっと極限の緊張にある主人公。ディカプリオの心身の中にいてすべての感覚を共有しているようになる。濃密すぎる2時間半。なので、見終わったあと、心の底から疲れを感じました。

もう一度観たいか、とかではなく、もう一度「観れるか」と言ったら、強烈な映画体験すぎて辛くてしばらくは無理です。インタビューでディカプリオがこの役をやって今は放心状態、みたいなことを言っていたけど、本当にその通りだろうなぁと。お疲れ様、そして、アカデミー賞おめでとう!ディカプリオ!

ラビ田