「俳優はつらいよ」レヴェナント 蘇えりし者 いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
俳優はつらいよ
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『MAN vs. WILD』のベア・グリルスという冒険家のサバイバル術を観たことがあり、正にそれを物語として落とし込むことでリアリティを超越していく作品に仕上がっていると思う。寄りすぎる顔のアップの撮影テクニックや、自然光に拘った雄大な北米の自然、そしてディカプリオやトム・ハーディといった役者馬鹿を起用したキャスティング、現代音楽的なジャンルで切り込んだ坂本龍一のBGM、そのどれもが超一流スタッフとキャストのなせる技なのだろう。
でも、自分が思う、一番のイニャリトゥ節は、殺された奥さんが、大地に横たわるディカプリオの上に対面で浮いているシーン。前回のバードマンでもそうだが、監督のこのファンタジーの表現方法こそ、演出効果として絶大なのだろうと感じる。ハッと息を飲むその瞬間をいきなり画面に前触れもなく現わす。この面白さや色の強さは他のハリウッド映画にはないものであろう。なんとなく邦画に通づるものがあると思うのは自分の勝手な感想なのだが。
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