「天才イニャリトゥ」レヴェナント 蘇えりし者 Raspberryさんの映画レビュー(感想・評価)
天才イニャリトゥ
熊とその親心。
子熊に銃を向ける侵入者に対し、親熊は容赦なく攻撃する。凶暴なまでの親心は、レオも同じ。子どもを守るためなら何でもする。当たり前のことだ。
四つん這いで、声も出ず、生肉を喰らい、毛皮をまとうレオは、熊みたいだった。「痛そう!寒そう!死んじゃいそう!」のこの環境、熊にでもならないと生きていけないよね。
ただ、熊に復讐心はない。生きている子どもを守るためなら何でもするが、死んだ子どもは決して帰って来ない。
人間の業を超えて、熊=自然界の法則に結末を委ねたレオ。ラストのカメラ目線で、復讐から解放された人間の、真の悲しみを感じた。
天才イニャリトゥが大自然を撮ると、ただのスペクタクル(壮観な見せ物)に終わらない。このセンスは、他の追随を許さない。
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