「どうやって撮ったの?」レヴェナント 蘇えりし者 ヒートこけしさんの映画レビュー(感想・評価)
どうやって撮ったの?
なんだこの縦横無尽に駆け回るカメラは…冒頭(は『死霊のはらわた』を思い出した)から「どうやって撮影したの?」の連続。スクリーンの手前にあるけど無いことになっているはずのカメラをどうしても意識してしまうと思ってたらラストで…いやあれは反則。笑っちゃったよ
そして本作は記念すべきディカプリオのアカデミー賞受賞作でもある。熊・人間・自然に蹂躙され続ける様はディカプリオがアカデミー賞に辿り着くための地獄めぐりの様にも見えた。おめでとう!とはいえやはりこれは「撮影の映画」だろう。エマニュエル・ルベツキが凄過ぎる…
すべてのカットに美しさと強さがある。特に冒頭からディカプリオが熊に襲われるまでは文句無しに素晴らしい。ただ物語としては美しい風景カットとディカプリオが蹂躙される展開があまりにも律儀に交互にあってちょっと退屈かなとは思った
あとディカプリオ=キリスト的な描き方はしつこいと思ってしまう人もおるかもしれんけどあれはあれでいいんです。西部劇(特にマカロニウエスタン)において主人公はキリストでいいんです。一回死んで蘇る。『荒野の用心棒』のイーストウッドもそうだったように
最後にイニャリトゥのアカデミー監督賞受賞について。これは「こんな作品よく完成させましたね。お疲れ様でした賞」の意味合いが少なからずあると思う。俺からもお疲れ様でした。でもそれならジョージ・ミラーにあげてよって
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