トレジャーハンター・クミコ
解説
2001年、ノースダコタ州で凍死体となって発見された日本人女性にまつわる都市伝説「タカコ・コニシ事件」を、菊地凛子主演で映画化。東京で暮らす29歳のOLクミコは、親しい友人も恋人もおらず孤独な毎日を過ごしていた。そんな彼女の唯一の楽しみは、コーエン兄弟の映画「ファーゴ」を見ること。冒頭の「本作は実話に基づく」というテロップを信じ込み、スティーブ・ブシェーミ演じる登場人物が大金を埋める場面を繰り返し見てはその場所を想像するのだった。ある日、会社のクレジットカードを預かったクミコは、そのカードを使って旅費を支払い、映画の舞台となった都市ファーゴへと向かう。
2014年製作/105分/アメリカ
原題:Kumiko, the Treasure Hunter
スタッフ・キャスト
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2022年2月25日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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結婚せずに仕事にもやる気のない、完全に要らない社員となっていたクミコ。上司に淹れるお茶にはツバを入れたりするし、遅刻ばかり。怪しげなノートには色んなメモも貼ってあるが、毎晩、ファーゴのビデオばかり・・・しまいにゃテープも擦り切れて、DVDデッキを買ってまたチェックする。
後半はいきなりのアメリカミネソタ州。ここからはロードムービーっぽくなるのだが、一人暮らしのおばあさんに助けられたのに、彼女の家から逃げ出すし・・・とにかく持ち合わせの金が少ないのは最初からわかるが、会社のクレジットカードを持ち逃げして使おうとしていたことなど、共感できるものではない。しかし、頭の悪い子になぜか助けてやりたくなるような・・・
ホテルから逃げ出し、保安官に保護されるが、彼をも困らせてしまうクミコ。最後にはタクシーの無賃乗車(笑)。しかし、雪の中倒れながらも目的地の州境に埋められた札束の入ったカバンを見つけるのだ!これは夢?もしかして死後?もしや保安官が先回りして埋めた?いろいろ考えられる、余韻を残す映画だ。
2018年10月11日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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主人公が情弱すぎてつらい。テンポが遅くて眠くなった。この映画を見るために『ファーゴ』を見返したのだが、ほぼ関係なかった。
2018年7月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
コーエン兄弟の「ファーゴ」とらそれに基づいたアメリカの都市伝説「タカコ・コニシ事件」から着想を得た映画。とはいえ、前知識なくても全く問題ないと思います。
退屈な日常に疲れた女性が、アメリカの映画を実話と信じ込み宝探しに行く。なんてことないストーリーに、単調な雰囲気。正直、僕は退屈でした。結構賞はもらってるみたいだけど、アメリカでの評判はどうなのか気になります。
ただ、何より気になったのはカップヌードルをうさぎにあげていいの……?
2018年3月6日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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何とも不思議な味わいの作品であった。
何処か可笑しく悲しく、題材となってる『ファーゴ』を彷彿させる。
コーエン兄弟の1996年の名作『ファーゴ』。
劇中で、スティーヴ・ブシェミが大金を雪の中に隠すシーンがある。
それを本当と信じ、アメリカに渡った日本人女性。
やがて凍死体となって発見されたという、アメリカでは都市伝説化されてる事件の映画化。
まず、『ファーゴ』の冒頭で“実話に基づく”とテロップされるが、実際は劇中のような事件は無く、完全なるフィクション。
それ以前に、映画なので、その場所にお宝がある筈も無い。
それを信じてしまった主人公のクミコとは…。
会社勤めのOL。
性格は地味、根暗、無愛想。
恋人は勿論、友達も居ない。たまに掛かってくる母親の電話がうるさい。
仕事はやる気無く、何もかもつまらなく、何の楽しみも無い。
そんな彼女の人生を変えたのが、『ファーゴ』のお宝だった…。
お察しの通り、病んでるくらいのイタイ女である。
いい歳した大人なのに、現実と映画の区別も付かない。
図書館から本を盗もうとする。
意を決してアメリカに渡るが、きちっとした計画性も無ければ、ろくな金もナシ。
親切にしてくれた初老の女性や保安官の恩を仇で返す。
盗んだ会社のカードが差し押さえられ、おそらくモーテルの金も払ってないだろうし、タクシーも乗り逃げ。
見てると本当に気落ちしてくる。
妄想に取り憑かれた人間ってここまで堕ちるのか。
でも同時に、哀れな同情感も抱いた。
愚かな行動だけど、目的の場所に行けば何かが変わる。そう信じて…。
抑えながらも、何処か狂気を滲ませる菊地凛子の演技が素晴らしく、一挙一動目が離せない。
製作総指揮も兼ね(あのアレクサンダー・ペインの名も!)、小品ながらも作品に対する彼女の意気込みが伝わってくる。
それだけに、せっかく前半日本が舞台となり、多くの日本人キャスト・スタッフも携わっているのに、日本未公開が残念でならない。
クミコの宝探しの冒険の行方は…?
えっ、まさか!?…と意表付くラスト。
しかし、すぐに分かった。これは“本当じゃない”と。
あの夜の風雪を、布団だけを被った格好で凌げる筈がない。
最後の最後にやっと笑顔を見せたクミコ。
彼女が辿った本当の末路を思うと、胸が締め付けられる。
前半、クミコは『ファーゴ』をビデオで見ている。
画面の下の方が波打つ画像の悪さ、ゲームソフトみたいにテープにフーッと息を吹き掛けたり、テープがデッキに絡まったり、凄いよく分かる!
妙な所で共感してしまった。
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