「人が恋に落ちる瞬間」細い目 ミラーズさんの映画レビュー(感想・評価)
人が恋に落ちる瞬間
ヤクザの下でコピー映画ソフトの露店をしている中国系青年リーは、裕福な家庭で育った金城武ファンのマレーシア人少女オーキッドに一目惚れして、恋に落ちる。
オープニングのクレジットやタイトルなどが手書きのアニメーション風に始まるところから引き込まれる。
民族と宗教の違いを感じさせる過程やお互いの家族の描写、複数の言語での会話などのマレーシア独特の雰囲気も興味深い。
初のヤスミン・アマドフ監督てあるが、独特のテンポ感に最初は途惑うが、全体に明るいユーモアを交えて進む演出も上手い。しかも普遍的な暴力の影もきちんと感じさせるところなども巧みである。
劇中で交わされる映画話にジョン・ウーの「男たちの挽歌」や「ブロークン・アロー」などの映画秘宝的タイトルが並び親近感。
少しカラーバランスを崩した色調と淡い彩度の映像から見えるマレーシアの日常描写も美しい。
悲劇のラストだか、なんとも云えぬ余韻もありとても心に残る。おススメです。
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