「心に残る傑作。迷子が可愛すぎる。」バジュランギおじさんと、小さな迷子 TSさんの映画レビュー(感想・評価)
心に残る傑作。迷子が可愛すぎる。
日本で2018年の公開時に観てなくて、今年再上映でようやく観た。
この映画は「全世界級の傑作」だと思う。
ストーリーはシンプルで、困難や障害を色々な幸運と人の助けで乗り越え、ラストに最高の感動でハッピーエンドになるという、超王道。安心して観ていられる。
そして、インド娯楽映画のお決まりのダンスシーンもふんだんに。でも「どこかで観たことあるような映画」ではない。
宗教の違いとそれに起因する隣国間の対立が全編にわたって描かれている。単なる娯楽映画ではない。
しかし、宗教や国家という厚い壁を吹き飛ばすような力「真心」を発揮する主人公バジュランギ(サルマン・カーン)とそれに感化される周りの人々。そして、アクション、笑い、スリル、涙、移りゆく自然風景、ヒンドゥーとイスラムの音楽・衣装・・・様々なスパイスで絶妙なバランスの味付けがされている。160分という長さを感じさせない。一切くどいところがない。
アクション、ダンスからシリアス、コメディまで何でもござれのサルマン・カーンの演技力には圧倒される。
しかし!声を大にして言いたい。最優秀主演女優賞はシャヒーダー役のハルシャーリー・マルホートラ!
言葉を発しないこの子の演技といったら・・・
・手を頭にあてて「アチャー」
・馬鹿正直に話そうとするバジュランギを必死で止めようとして服を引っ張り首振り
・「そのとおり」の意味で手のひらを上げるポーズ
・ハヌマーン神(猿)を見つけてバジュランギと一緒に手を合わせてお祈り
どれも可愛い!可愛すぎる。世界中の観客が心を鷲づかみにされたんじゃないだろうか?
王道ストーリーにシリアスな社会問題あり、ダンスあり、アクションあり、笑いあり、涙あり、感動あり。確かな演技の役者陣と最高の子役。
ラストシーンは、涙が止まらなかった。周りの人に顔をみられないように、落ち着くまで待って席を立った。
「いい映画観たなあ。また観たいなあ。」と素直に思わせてくれる最高の映画だった。
宗教は違っても、人の良心、真心は通じる!
<余談>
大人2人が並んで川で水を飲むシーン。バジュランギはシャヒーダーに何を確かめていたのか?この映画にドはまりした人にヒントを教えて貰って、爆笑。
(2024年映画館鑑賞22作目)
<追記>
今回の再上映は、日本での上映権が短期間限定で復活して実現したそうだ。次にまたいつ劇場で観られるか、わからない。もう観られないかもしれない。
DVD/BDも、絶版になっているらしく中古品が高値で出回っている。また観たい、手元に置いておきたいと思って探し回り、運良く比較的良心的な価格で新品同様の中古品を購入できた(解説ブックレット入り)。
夜、一人で観た。
またシャヒーダーの可愛さに顔がほころび、笑い、今度は人目を気にせず泣いた。
そして、これまで何度も観て何度も泣き、大切に保存している「ニュー・シネマ・パラダイス」や「この世界の片隅に」と同じような涙を流していることに気がついた。
生涯ベストに残る作品になった。
※2024/9/7一部修正・追記。
こちらこそ、こんな私ですがよろしくお願いいたします。
右目でスクリーンを、
左目で自分の人生を見ておりますものですから、いつもこんな私的なレビューになります。
ご容赦くださいね。
きりん
おでこを手のひらで叩いて「あちゃ~」のポーズ。
↑これ映画館を出るときに館主の前でやろうと思っていたのにね、なんか込み上げてしまって、歪んだ顔でそのまま退散したのは秘密です。
あと、インドでは「うなづく」のは首を縦じゃなくて横に振るんですよねー。
ホント、2回観ましたがいい映画。
同僚たちにも紹介しました。
たくさんシーンを思い出させてもらえる素敵なレビュー、ありがとうございました😊