蜜のあわれのレビュー・感想・評価
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統御できる人の想像力
文学者ではなくとも、人間は自分に都合の良い存在をその妄想の中で飼っていることがある。たいていの場合、想像の中の存在は、その創造の主の意のままに作り上げるられる。
映画に出てくる金魚も幽霊も、大杉漣が演じる室生犀星の想像の世界に存在する。だから、二階堂ふみも真木よう子も犀星によって好きに想像されればいいのだ。
ところが、頭の良い人、想像力の豊かな人にとっては、たとえ想像上の存在でも、いったん完成した存在となるや想像主のコントロールの利かない自立した存在となってしまう。
いや、頭の悪い私のようなものでも、そのような妄想の産物をどうしたいのか分からなくなり、すっかり自分自身が振り回されている場合もある。
ここでの金魚は作家の夢想であり、幽霊は回想であろう。
自分が作り出したはずの夢想や回想が、自分に残された時間内には回収しきれないことが分かった老境の作家を大杉が見事に演じている。
そして、映画を観た者の誰もが思うであろう。二階堂以外にこの金魚を演じられる当世の女優はいない。
金魚がかわいい
金魚の可愛さと大人へと成長していく姿を上手く演出していた。二階堂ふみの魅力もあるけど、私は彼女の魅力を引き出す演出の力だと思った。
生命力と若さ、生きたいともがく先生、生々しいテーマなのに、可愛らしくて軽く観れた。
欲を言うなら、もう少し文学的に、妄想部分を表現してもらいたかったな。
元妻の役の真木よう子があってなかったと思う。
顔の割に少し甘い喋りだし、儚い美しさの方が良かったのではと思う。
金魚の衣裳が、成長とともに変化していくのに技を感じた。最初の3歳っ子の衣裳が好きです。
皆さん言ってましたが、芥川龍之介がそのまま出てきたと思いました。
あわれ
想像以上に炸裂する二階堂さんの魅力。大杉さん、永瀬さん、高良さんもさすがのお芝居です。芥川龍之介が本当に芥川龍之介だ!という感じでした。すごい。
お話はなかなかの変態映画だ…と序盤では思ってましたが、人の、生と性と恋のどうしようもなさ、おかしさ、愛おしさが描かれていました。
それにしても、金魚ダンスがかわいすぎました。
作品が先か彼女が先か。
どっちでもまあ同じか。
とにかく二人のやりとりが可愛すぎた。二階堂ふみは妖艶なイメージを持たれるが、今回はんざと?妖艶さが出ないようにしていた感が良かった。まあ十分セクシーだったけど。今回は可愛さが勝ってたかな。
赤井赤子
舞台挨拶後の上映でみました。
二階堂さんが金魚に見える、と皆さんが口々に言っていたことが本当なのだと実感しました。とにかく二階堂さんが可愛らしく、愛おしかったです。
元気に踊りかわいい表情を見せる姿や、怒り発狂する姿、切ない姿、自由自在に演じられていて、とても素敵でした。
また、金魚の水の音やダンスでの曲、印象付ける音楽など、音響がとても合っていてよかったです。
衣装も凝られていてとても美しかったです。
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