蜜のあわれのレビュー・感想・評価
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良質な変態映画
統御できる人の想像力
文学者ではなくとも、人間は自分に都合の良い存在をその妄想の中で飼っていることがある。たいていの場合、想像の中の存在は、その創造の主の意のままに作り上げるられる。
映画に出てくる金魚も幽霊も、大杉漣が演じる室生犀星の想像の世界に存在する。だから、二階堂ふみも真木よう子も犀星によって好きに想像されればいいのだ。
ところが、頭の良い人、想像力の豊かな人にとっては、たとえ想像上の存在でも、いったん完成した存在となるや想像主のコントロールの利かない自立した存在となってしまう。
いや、頭の悪い私のようなものでも、そのような妄想の産物をどうしたいのか分からなくなり、すっかり自分自身が振り回されている場合もある。
ここでの金魚は作家の夢想であり、幽霊は回想であろう。
自分が作り出したはずの夢想や回想が、自分に残された時間内には回収しきれないことが分かった老境の作家を大杉が見事に演じている。
そして、映画を観た者の誰もが思うであろう。二階堂以外にこの金魚を演じられる当世の女優はいない。
金魚がかわいい
あわれ
二階堂ふみの魅力
金魚の赤子を演じた二階堂ふみが、かわいい!エロい!なまいき!かわいい!エロい!ということで、とってもときめきました。
なんかかわいいダンスしてるし、なんかかわいい尾びれドレス着てるし、ポックリポックリゆう高下駄かわいいし。
さかなのささったかき氷とか、シュールな小道具もありました。
真木よう子を追っかけた時の街の看板が、コカコーラだったことには違和感がありました。
エロトークもなかなか際どくて楽しかったです。
文学って、エロいですものねー。
真木よう子の髪型は微妙でした。もっと似合うかつらかなったんかい。とおもいました。
先生が韓英恵といざ!というときに、化粧品の瓶で頭を打って、すねて帰る段はバカバカしくて笑いました。これが最後の機会かもしれなかったのに!って。
芥川も雰囲気似てたなー。
室生犀星の妄想を垣間見たという趣です。
赤子とゆり子のイチャイチャも良かったです。
わたしとしては笑えるところが結構ありました。
二階堂ふみさんの魅力溢れる作品
とにかく、物語よりも何よりも二階堂ふみさん可愛いかった。
幼い金魚が無邪気に「人を好くということは愉しいことでございます」という言葉をおじ様にねだるシーン、その後浮気され悲しんで怒って色んな恋愛の負の面を体験して去っていった金魚に、恥ずかしくて言えないよ、と言っていたおじ様がその言葉を口にする。
全然楽しそーじゃないじゃーん!苦しくてつらそーじゃーん!!とも思うんですが、全部ひっくるめて愉しいことなんですかね。
作品が先か彼女が先か。
“大威張り”してるようで(^^;)
『故郷は遠きにありて思ふもの』の後に続きがあるとは知らなかったのでは折角大学までいってるのに本当に勿体ないものだと我ながら呆れるばかりである。中卒ですぐ仕事したほうがよっぽど自分に合ってるなんて、文学作品に接する毎に思い知らされる。
そんな文学ファンタジーの映画である。
勿論、室生犀星の小説があるのだが、お恥ずかしいことに読んだことはない。だからその本がそのまま作品のベースになってるのか、それとも犀星の自伝的要素が強いのか不明である。まぁそのところは映画のキモではないから気にしなくていいのだけど・・・
“おじさま”とは多分犀星のことであり、その犀星の出自の悩みや、老人の性といった問題、又は震災や戦災といった怒濤の環境、その中で親交の深かった作家(芥川竜之介 萩原朔太郎)との嫉妬や羨望渦巻く心の葛藤、そして純粋に“愛”というものに対する探求を、一匹の金魚にデフォルメし、その金魚との戯れを具現化した内容である。
“もののあわれ”なんて古文で習ったけどすっかり忘れてしまったので、調べると“しみじみとした情趣”という意味らしいので、映画のテーマそのものなのかもしれない。
とにかく幽霊がぞろぞろでてくるわ、なかなか官能的なシーンが散りばめられているわ、逆にギャグテイストなのか、ダンスシーンが唐突にでてくるわ、忙しい演出なのである。監督の冒険作というか、チャレンジ心溢れる作りにしたいという思いがはっきりとみられる。だから、あまり同類的な建付を知らない自分とすれば、なんとも“変わった”映画なのである。照れながら観てしまうのも、これももののあわれなのだろうか・・・
せっかくここまで演じたのだから、二階堂ふみは、バストトップだせばいいのにって、思うのはゲスの考え?w
赤井赤子
二階堂ふみマニアのための映画
夢か幻想か妄想か、欲望なのか?
二階堂さんが非常にキュートです。
惚れてしまうほどキュートです。
それは当然、主人公の妄想だから。
妄想に心奪われ、妄想に心捧げ、
妄想と踊りながら人生を全うする。
実に素晴らしい人生ではないでしょうか。
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