「あたいには分からなかった」蜜のあわれ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
あたいには分からなかった
室生犀星の小説の映画化。明治~大正から活躍し、芥川龍之介らと交友あった文豪だが、恥ずかしながら存じ上げず。
鈴木清順が晩年映画化を構想していたとか。幻想×文芸×エロス…あ~、なるほど。
叶わず、代わりに映画化したのは、石井岳龍。あ~、この人選も。
語れるほど作品を見てはいないが、異色作が多い印象。見た中でも『五条霊戦記』『パンク侍、斬られて候』は何とかついていけたけど、『シャニダールの花』はちんぷんかんぷん。
本作も後者。
室生犀星が自身を反映したという老作家。
一緒に暮らす不思議な少女。
実は彼女は、金魚だった。
老作家と金魚少女と、老作家に想いを寄せる幽霊の女。
そんな3人が織り成す、愛とエロスの幻想譚。
…マジ、意味が分からん。
幻想作品なので金魚少女とか幽霊の女とか設定するのはいいにしても、話の意図が全く見えてこない。
登場人物たちの言動もさっぱり。
私の理解力が無いのか、分かる人には分かるのか…?
私に言わせて貰えば、今何かと話題の『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』以上に訳分からん!
それでも採点1や0・5にしなかったのは、演者のお陰。
二階堂ふみのキュートでコケティッシュな魅力は特筆もの。
真っ赤な衣装、“あたい”、まんまるお尻にダンスまで、本当にふわふわした“金魚少女”に見えてくるから不思議。
大杉漣も初老の哀愁と可笑しさとちょい変態チックの妙演。
真木よう子と高良健吾は…。
後は…
あたいには分からなかった。
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