「“大威張り”してるようで(^^;)」蜜のあわれ いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
“大威張り”してるようで(^^;)
『故郷は遠きにありて思ふもの』の後に続きがあるとは知らなかったのでは折角大学までいってるのに本当に勿体ないものだと我ながら呆れるばかりである。中卒ですぐ仕事したほうがよっぽど自分に合ってるなんて、文学作品に接する毎に思い知らされる。
そんな文学ファンタジーの映画である。
勿論、室生犀星の小説があるのだが、お恥ずかしいことに読んだことはない。だからその本がそのまま作品のベースになってるのか、それとも犀星の自伝的要素が強いのか不明である。まぁそのところは映画のキモではないから気にしなくていいのだけど・・・
“おじさま”とは多分犀星のことであり、その犀星の出自の悩みや、老人の性といった問題、又は震災や戦災といった怒濤の環境、その中で親交の深かった作家(芥川竜之介 萩原朔太郎)との嫉妬や羨望渦巻く心の葛藤、そして純粋に“愛”というものに対する探求を、一匹の金魚にデフォルメし、その金魚との戯れを具現化した内容である。
“もののあわれ”なんて古文で習ったけどすっかり忘れてしまったので、調べると“しみじみとした情趣”という意味らしいので、映画のテーマそのものなのかもしれない。
とにかく幽霊がぞろぞろでてくるわ、なかなか官能的なシーンが散りばめられているわ、逆にギャグテイストなのか、ダンスシーンが唐突にでてくるわ、忙しい演出なのである。監督の冒険作というか、チャレンジ心溢れる作りにしたいという思いがはっきりとみられる。だから、あまり同類的な建付を知らない自分とすれば、なんとも“変わった”映画なのである。照れながら観てしまうのも、これももののあわれなのだろうか・・・
せっかくここまで演じたのだから、二階堂ふみは、バストトップだせばいいのにって、思うのはゲスの考え?w