ヴィジットのレビュー・感想・評価
全151件中、121~140件目を表示
visit
ここ最近見たホラー映画の中では逸材な一作。
二人の子供らが向かった先は祖父母の家。
そこで祖母が夜に引き起こす異常行動。
ビビらせ兼コメディ映画とも取れ、とても御都合よく物語が進んでいく。
月曜から金曜までの朝昼のターンと夜のターン。緩急をつけ交互に展開されていくのだが、祖父母ともに昼にも異常行動を何度も繰りなす始末。これでは「夜9時半以降は部屋に出ないこと」3つ目の約束が薄くなってしまう。婆さんは夜中にゲロ吐いたり、全裸で包丁研いだり、爺さんは失禁したり、オムツの山積みだったりと一体これは何を見せられているんだという気にもなります。さらにはキチガイサイコ老夫婦のクレイジー過ぎる異常行動には失笑をやむをえません。
それでもちゃんと怖がらせます。ビビらせます。強引ではありますが、クレイジー老夫婦だからこそ、それは許されるのです。
霊に取り憑かれているのだとかなんなのだとか頭を張り巡らせて、潜入感に浸っていただけに裏切られた感はありましたが、十分楽しめました。
「visit 訪問」というより危険なロケ撮影です。
帰ってきたシャマラン監督
なかなか怖かったです。シャマラン監督と言えば「シックス・センス」が代表的ですが、近年は「エアベンダー」「アフター・アース」などのSFアドベンチャー作ばかりを輩出していました。
…そんな中現れた本作、久々に「シャマラン節」を体験出来る作品に仕上がっていました。
やはりどんでん返しの展開になりますが、過去の作品に比べるとやや薄めのどんでん返しだったと思います。
本作はそれが発覚したあとに最強の恐怖が待っていますが、それに至るまでもじわじわ怖いです。結構日常のシーンが多いので、「怖い」と思うシーンは少なく、「不気味」が強いという印象ですが、POV視点のため、何が起こるか分からない恐怖にさらされました。日常の様子が多く、徐々に不気味さや違和感、不思議さが増してくる描写は結構リアルで入り込めます。また、幽霊であるとか誰が目にしても「怖い」と思う分かりやすい恐怖は与えず、昼間は異常は見られず、夜になると異常になる祖母や、(後半は昼から狂ってましたが)納屋の前では孫をシカトする祖父など(祖母ほどクレイジー感は無くとも、やはり後半は…)平気な様で実際は怖いというのが恐怖感を増しています。
かなり緊張して観ていましたが、一番飛び上がって驚いたシーンは、姉が突然ドアを開け弟を驚かすシーンでした笑
お祖母ちゃんの固定カメラに「ジャジャーン!」は少し笑えます。
ちょっと本作はソフトを購入して演者達のメイキングなどを観賞したいですね。
おかしなおかしな訪問者
2008年の『ハプニング』以来ドンデン返し演出を封印したものの、
未だにシャマラン監督=ドンデン返しのイメージは根強い訳でして、
おまけに今回は衝撃展開を(無駄に)匂わせまくる宣伝だった事もありまして、
なのでこっちとしても色々と衝撃展開を予想してた訳でして、
何が言いたいかと言うと、本作のドンデン返しは予想のひとつとして
頭に浮かんでいたので、そこまで驚かなかったと言いたい訳でして。
初っぱなから盛り下がる事をわざわざ書いたのは、この作品が気に入らなかったからではない。
「それを踏まえても十二分に面白かった」と続ける為だ。
とりあえず本作は、かなり怖い。
少なくともシャマラン作品の中では最も恐怖度が高いと思う。
モキュメンタリーもしくはファウンドフッテージもののスタイルを取った事で
いきなり何が飛び出してくるか分からない緊張感には息苦しくなるし、
コケオドシに頼らず全体を通してじわじわ恐怖のボルテージを上げていく演出も巧い。
.
.
.
何が怖いか? そりゃもちろん、あの不気味な祖父母だ。
特にあのマックスにマッドなお祖母ちゃんの方は心底恐ろしい!
最初こそ優しくステキなお祖母ちゃんに見えるが、
突然高慢な女優のようになったり、自分を殴り出したり、夜中はリンダ・ブレアになったり、
何を考えてるのか、いつ危害を加えてくるのかがさっぱり読めない恐ろしさ。
床下のシーンなんて「え?え?え?何何何何!?」って感じ(笑)。まだ序盤だったので完全に油断してました。
密室でのクライマックスなんて、マトモに目を開けられないほど怖ぇ!
お祖父ちゃんも色々と不気味なのだが、彼は怖いと同時にどことなくユーモラス。
どちらかと言えばお祖母ちゃんが妙な疑いを持たれないよう気を配る役回りなのでまだマシだ。
……まあ道行く人に殴りかかったりシンモフィラリア星人侵略に怯えたりする様子をマシと呼べればだけど。
.
.
.
で、ヒネリが利いているのは、
彼らの異常行動が、危険人物だからか単にモーロクしてるからかがギリギリまで読み切れない点。
「歳を取ると色々と昔通りにはいかんのじゃよ……」「駄目な祖父母でガッカリさせてしまったのう……」みたいなことを
自分の祖父母から言われたら、やっぱ自分の考え過ぎかな、と納得するよう努めてしまうと思う。
で、いくら何でもおかし過ぎる!と気付く頃には時すでに遅しという、この絶妙な恐怖勾配。
また、先述通り『祖父母と思っていたのが別人でしかも異常者』という展開も予想の範疇ではあったが、
祖父母との接触を母がなるべく避ける様子をユーモア交じりに描いていたり、
母が駆落ち同然で生家を出たので両親の写真は無かったのだろうと解釈できたり、
訪問してくる知り合いで信用度を上げたり(あの異常者2人はどちらも立ち会っていない訳だが)、
話題の避け方はかなり自然に描かれてる。
.
.
.
もうひとつ。
僕の意見だが、モキュメンタリースタイルのホラー映画は、
主人公がカメラを回し続ける理由が薄弱でリアリティに欠ける作品が割と多い。
だが本作では、ここにもシャマランらしいひとヒネリが光る。
映像を撮っているのは長女ベッカ。
『優れた映像作品を作りたい』と語ってはいるが、彼女がドキュメンタリーを作る最大の目的は他にある。
祖父母と喧嘩別れして以来、苦労し通しの母親に、
本当は会いたいと願っているはずの祖父母の近況を伝える。
さらには両親からの“赦し”という『万能薬』をも届ける。
娘の作った映像作品なら、母も意固地にならず観てくれるはずだ。
そして最後には、母が抱える悲しみを多少なりとも和らげられるはずだ。
彼女はきっとそう考えていたに違いない。だが、
観賞後の方ならご承知の通り、その目論見は失敗に終わった。
母の両親は、異常者によってとっくに殺された後だったのだ。
だが、ベッカの母は悟る。
そして、自分に向けてカメラを回す娘に語る。
「赦しはずっと目の前にあったの」
二度と叶わなくなった父母との再会。それに対する彼女の悲しみは如何ほどのものだったか。そして、
彼女の悲しみを理解し、癒したいと願う子どもらがいてくれる事が、彼女にとってどれほどの救いだったか。
彼女にとって、自分を愛してくれる子ども達がいることそれ自体が、
過去の自分を赦すに足るだけの十分な理由だったのだ。
.
.
.
僕がこの映画を好きな一番の理由は、この優しさだ。
シャマラン監督の映画においてはいつも、恐怖が人の心の結び付きを浮き彫りにする。
過去にがんじがらめにされていたあの家族は、恐怖を乗り越える事でようやく前へ進むことが出来たのだろう。
……とまあ、僕はシャマラン監督作品と相性が良いのでちょいと点は甘いかもだが、大満足の4.0判定!
恐怖演出もストーリーテリングも好みだし、書ききれなかったがユーモアもたっぷり。
恐ろしい物語のあらすじを、弟くんのラップでチャラくまとめてしまったエンドロールも見事でした(笑)。
<2015.10.17鑑賞>
写真で顔を確認してから会いましょう!
どんな結末かが知りたいが最大の興味ではありましたが、結末は「なるほど」でした。ストーリーに矛盾は感じませんでしたが、結末のシーンには違和感がありました(詳しく書くと結末がわかってしまうので)。
殆どのシーンが子供目線での撮影で、時々手振れが起きることにより不安感を煽っていましたが、見ている最中は早く結末がどうなるのかを知りたい気持ちでした。
最後に、タイトルはこの映画から学ぶべきことです。
シャマランツマランシャレニナラン(꒪ȏ꒪;)
出口の無い低迷という迷宮を彷徨い続けて幾星霜…
口コミから想像するにやっと脱け出れたかと思いまして、ついつい観に行ってしまいましたよ…
アカン、ダメ、クソと罵られてもやっぱ嫌いになれないんだよね、シャマランの事は。
今更POVを使うとこ。何か期待させられるよね。
だってシャマランなんだもの。
でもね、低予算でも臨場感溢れる映像になるのがPOVだとおもうのだが、予算が取れなかったからPOVにしちゃえ!的な考えの甘さ、脚本の練り込み不足、作り込みが雑なのは只々観づらいだけ。意味不明。冗長。
全く使い熟してないよね。
ジジババの行動はまだシナリオの流れからするとまだ判らんでもないんだが、ガキ共の行動が「何故そこで!?」的なのが多くてねぇ…最後まで全く感情移入出来ずに終わりました。
でも、おばあちゃんがちょっと綺麗だったから
☆1.5
1:口コミは余り参考にならない
2:シャマランもうダメかも…
3:微塵も怖くない
★★★★
かつてスピルバーグは、「面白い映画とは?」という質問に「音を消して観ても楽しめる映画」と答えたとか。
ぼくにとって面白い映画の条件は、いろいろあるのですが、ひとつに〝オチが読めても楽しめる〟映画でありましょうか。
過去の作品で言えば『スラムドッグミリオネア』『おくりびと』などがそうでした。(この2作品、奇しくも同じ年の米アカデミー賞作品賞に輝いていますね)
そういう映画って、けっこう稀有な存在。
このほどヴィジットを観て、あ このケースだ! と思いましたね★ (パブリシティの時点でMナイト・シャマラン監督が「あなたは既に騙されている」と言っちゃったもんだから読めちゃった、というのもあるのですが 笑)
あと、悪霊だの悪魔だの胡散臭いモノが出てこないのも好印象。
モキュメンタリー方式のスリラーとしては珍しくハッピーエンドなのも逆に新鮮。
映画にはまだまだ可能性が多く残されているものなのだなぁと思わせてくれる一品です!
怖いですね・・・
久しぶりに観たシャマラン監督の新作。登場人物のビデオカメラに写った映像という設定ではあるが
所々上手く撮れ過ぎている感じがした。それはさておき、思わせ振りな展開に"らしさ"が発揮されている。
祖父母の異常な言動。見てはならない物を見てしまった姉弟が、歳を取ったのが原因と自分達に
言い聞かせようとする。観客にもそう思い込ませ、帰るまでの時間をなんとかやり過ごせばいいと
安心させた矢先に本当の恐怖が始まる。超常現象ではなくサイコの怖さ。
PC を使った連絡手段が現代的で、祖父母が成り済ましだったと分かる描写が秀逸。姉弟が反撃に出る
場面は「サイン」を思い出させた。途中の何気ない場面が結末への伏線になっていた。
いずれの作品でもシャマラン監督は家族の絆や葛藤を描くのが得意で、今回も上手く描かれていた。
映画びっくり箱
ビクッとはした。
怖かったよ…序盤から薄っすらと。
で、最終的に畳み掛けるような何かが来るんだと思ってたけど、そうでもなかった。
精神病って設定は魔法の言葉のように、全ての辻褄を飲み込んでいくような気がする。
小出しではあるが衝撃的なカットが挟み込まれており、日常を過ごしながら突発的に起こる非日常を待ち構えてしまう。
そんな創りになってた。
ただ、まあ…ラストに至る手持ちカメラ感は無理があって興醒めだ。
カメラで映像を押さえるよりまず、する事があるだろう、心理的には。
なんで今、撮ってんだとか、誰がそれ撮ってんだとか、それは設定無視の反則だよねとか…制作の都合が見えちゃって、どうにも盛り上がらなかった。
後は、まあ、ラストのラップ?
事件からたった数週間で笑い飛ばせる精神状態が、何気に不気味…違う意味で怖い。
米国田舎の老人は恐ろしい、というハナシ
『エアベンダー』『アフター・アース』の2本は未見なので、M・ナイト・シャマラン監督作品を鑑賞するのは『ハプニング』以来ということになる。
『シックス・センス』が衝撃的な作品だったのでその後の評価がもうひとつもふたつもなんだけれど、『ヴィレッジ』は結構面白く観れたし、いちばん好きな作品かもしれない。
全米でもなかなか好評ということで、期待して出かけました。
全編、主役の子ども、ベッカとタイラーが持つカメラで撮られた映像でストーリーが語られるわけだが、この手法は効果的でもあり、効果がないような箇所もある。
効果的なのは、子どもたちから老人がどう見えるのか、ということを意図的に描くことができる点。
効果的でないのは、緊迫した場面でも「カメラを持っているのは、どうなのかしらん?」と思っちゃう点。
まぁ、子どもからみた老人というのは「奇妙で不気味」ってことなんだろうけど、それってなんだかなぁ、って思っちゃう。
で、シャマラン監督といえば「ドンデン返し」なんだどうが、オチはすぐに気づいちゃう。
というより、全然ヒネリはない。
いや、祖父母たちが自ら告白してたりする。
あっ、気づいたけれど、シャマラン監督の映画って、ほとんど内容は途中で本人たちがバラシている。
『シックス・センス』でのオスメント少年は「ぼくは死んだ人がみえるんだ」っていってるし、『アンブレイカブル』でも「おれは怪我ひとつしない」っていっている。
この映画でも、そう。
祖父母ふたりは、互いで互いのことを、ちゃんと説明している。
なので、言っちゃ悪いが「ドンデン返し」ではなく、強いて言えば「でんぐり返し」。
観客が勝手に、ぐるんと廻っちゃうように仕向けているだけ。
この映画のオチは・・・
いわゆる「アメリカン・ゴシック・ホラー」の典型ですね。
ジョン・ハフ監督の『アメリカン・ゴシック』や、有名どころではトビー・フーパー監督の『悪魔のいけにえ』の系譜。
とにかく、アメリカの田舎の老人は恐ろしいのですよ。
シャマラン流POVホラー
POVホラーという既に出尽くした感のあるジャンルではあるものの、そんなPOVホラーお馴染みの手法を用いながらもシャマラン監督独自の作品として完成されている本作。
「驚愕のラスト!」だとか「あなたは既に騙されている」といった配給会社の宣伝文句は、今作に関して言えば的外れと感じてしまった。
単純にエンターテイメントとして出来が良い。
恐怖を感じるのはもちろん、思わず吹き出してしまうシーンがあったり、ドラマとして考えさせられる場面も。
笑って恐怖して、最後にはホッとする。
シャマラン監督の持ち味は、驚愕のラストや緻密な伏線が散りばめられたストーリーではなく、誰しもが映画に求める要素を上手くはめ込んでくるところにあるのではなかろうか。
それも、彼独自の演出技法を用いてさらりとやってのける。
これから観る方は、どうかストーリーやどんでん返しに過度な期待はせず、リラックスして映画を楽しんでほしい。
ただ、POVにありがちな画面外からいきなりカットインするドッキリ的な撮り方や、生理的に汚ったない要素が含まれるので、そういうのが苦手な方にはオススメしません。
今後のシャマラン監督に期待!
ずっこけなく正統派。
怖いけど…
笑った
作品のジャンルはホラーですが、ところどころ狂気じみ過ぎて、逆にギャグっぽかったです。おかげで、私は終始笑顔でした笑 ホラーにしてはあまり怖くないと思います。
その一方でハラハラ、ドキドキ、ヒヤヒヤしつつも、これからどうなるんだろうという好奇心が抑えきれませんでした。
また、どんでん返しにはいい意味で期待を裏切られました!
あのどんでん返しがあったからこそ、映画が終わった後も考察するのが楽しかったです。考察しても意味わからん場面もありましたが…。
ただ、ポイント オブ ビューという撮影手法をとっていたため、カメラの手ブレが激しかったのはあまりいただけませんでした。何が起こってるのか、はっきりわからないこともありましたので。
画面酔いには注意してください。
また、あからさまな、ただの驚かし要素が多々あるので、心臓の弱い方は注意してください。
全151件中、121~140件目を表示