DOPE ドープ!!
劇場公開日 2016年7月30日
解説
ファレル・ウィリアムスが製作総指揮を務め、ロサンゼルスの犯罪多発地域を舞台に、1990年代ヒップホップカルチャーを愛するスラム街出身の少年が巻き起こす騒動を描いたコメディ。自身のバンドと90年代ヒップホップをこよなく愛するオタク高校生のマルコムは、恋するナキアを追いかけ、友人のディギー、ジブともにドラッグディーラー・ドムの誕生日パーティに参加するが、パーティの裏で行われていた取引に警察が突入し、ドムはドラックをマルコムのリュックに隠してしまう。そして、名門大学への進学を夢見ているマルコムと仲間たちを取り巻く状況は一変する。「ラストキング・オブ・スコットランド」「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」のフォレスト・ウィテカーが製作、ナレーションとして参加。
2015年製作/103分/アメリカ
原題:Dope
配給:ビーズインターナショナル
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性別、階級、人種、そんな見た目の判断基準じゃ俺がどんな人間かわからないだろう!
黒人社会を背景にコミカルに問題提起する熱い作品。
鑑賞日:2017.2.3
2020年10月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
ネタバレ! クリックして本文を読む
ロサンゼルスの犯罪多発地帯を舞台に、そこに住むオタクな黒人高校生がドラッグ犯罪に巻き込まれていく様子を描いた青春コメディ。
「ドープ」とは「麻薬」を意味するスラング。
そこから転じて「間抜け」や「バカ」という意味でも使われるようになり、さらにそこから転じて「素晴らしい」という意味でも使われるようになった、らしい。
映画の冒頭で「ドープ」の意味を教えてくれる親切設計。
わざわざ説明してくれるということは、アメリカでもそんなに一般的な言葉じゃないのかな?
主人公たち3人は90'sヒップホップをこよなく愛するギーク(オタク)。
オタクといえば英語で「ナード」と表現するかと思っていたが、「ギーク」という言葉もあるんすね。
「ギーク」のほうが肯定的な感じ、らしい。「ナード」は社交性のないオタクって感じかな。
日本でオタクという場合は「ナード」というイメージが強いかも。「ギーク」はマニアに近いのかな?
まぁとにかく「ボトムズ」と呼ばれるほど、ギャングが蔓延る治安の悪い都市でオタクなんかやってたらとにかく大変。
スポーツマンからは馬鹿にされ、不良たちにはエアジョーダンをパクられる。女にはモテないし、まさにスクール・カーストの最底辺。
主人公マルコムの周囲にいる黒人の若者たちは「悪こそクール!」みたいな思想をしており、マルコムが勉強して良い大学へ進学しようとするだけで「エセ白人」と軽蔑してくる。
この映画で描かれているような黒人のコミュニティ意識は、日本に住んでいる以上なかなか理解しがたいものがある。触れる機会もほとんど無いし。
近年、黒人↔︎白人の対立がメディアを騒がせているが、本当に深刻なのはこの「黒人間の意識の差」なのでは?
ギャングやドラッグというカルチャーをある種のカッコ良いものと見做している層と、麻薬やギャングなどとは距離を置き、勉学により身を立てようとする層。
この2つの層の意識の対立が黒人間での衝突を招き、それが黒人=暴力的という偏見を生み出し、結果白人↔︎黒人の衝突を生み出しているのかも。
過熱するBML運動だが、黒人コミュニティの意識変革も差別の撤廃と等しく大切なのだろう。
まぁ口で言うほど簡単な問題じゃないし、どうしても日本で暮らしているとBMLは対岸の火事だと思ってしまって深く考えないんだよねぇ…😅
BMLについて考えたり議論することは、日本国内にも歴然として存在する差別問題を考えることにもつながるし、日本人だからといって意識しないでもよい問題では無いんだよなぁ…。
話がズレてしまったが、本作で描かれるのは「黒人」からハズレてしまった黒人の生き辛さ。
クライマックス、第4の壁を越えて投げかけられるマルコムからの問いは強烈だ。
スラム出身の黒人であるというだけでレッテルを貼られてしまうマルコム。
そんな自分だからこそ見える景色があるというマルコムが見つけた答えは、容姿や性別、出自などでレッテルを貼られがちな現代の日本社会においても通用する普遍的なものであるように思う。
ドラッグのディーラーを出し抜く展開は爽快であると同時に、汚い手を使わないと黒人がハーバードへ進学することは出来ない、と言う痛烈な皮肉にも受け取れる。
全編にわたり差別や偏見などに対するアンチテーゼが提示されるが、決して難しい映画ではない。
皮肉の効いたブラック・ジョーク満載の犯罪&青春コメディ映画であり、肩の力を抜いて楽しむことができる。
序盤から怒涛の如く押し寄せてくる理不尽な展開。
不良たちを避けて帰宅しようとしたばっかりに、どんどん訳がわからない展開に巻き込まれていくマルコムたちの姿には大爆笑!🤣
何気ないセリフが後半の伏線になっていたり、マルコムがどんどん窮地に陥っていく様子を無理なく描いていたりと脚本も上手い。
個人的には前半のおバカなノリをラストまで引っ張って欲しかったが、想像以上の良作だったことは確か。
素晴らしく(dope)・おバカな(dope)・麻薬(dope)ムービー。
ブラック・パワーに満ちたブラック・コメディ満載のブラック・ムービー。
不安定な情勢の今だからこそ、鑑賞することをオススメ!
2018年10月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
Hip-Hop、特に90年代がお好みでBMXに乗ったりスケボーは持ってるだけでバンドやってるPUNKを!?
ギャングに殺される前にPUNKSに殺されちまうヨ、このままじゃ!?
テンポ良くおフザけ全開で話が進んでいるようで何か真面目にさせられる感じが冷める。
意外と青春を謳歌して楽しんでいる三人組で起こるトラブルも満遍なく御都合主義的に。
いわゆるタランティーノなフォロワー要素も!?
2017年8月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
スクールカースト、ギーク、ガレージバンド、夏休みのバンドキャンプ、プロム、童貞...。青春学園映画の要素をたっぷり詰め込みながらもスリリングな展開で最後まで楽しめました。
あと一歩で童貞喪失というところでゲロ、という王道のDTシーンもありますね。
はみ出し者は世界をあらゆる角度から見ることを強いられる。主人公のマルコムは、はみ出し者であるが故に見事ピンチから脱出する。
はみ出し者である自分をとことん肯定する痛快なラストシーンは、ついレッテル貼りをしてしまう僕らへの問いかけでもある。
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