「能年」この世界の片隅に ヨッシーさんの映画レビュー(感想・評価)
能年
今年最後の劇場映画鑑賞はこれって決めてて、結果今年最後に今年最高級の映画に出会えて本当に良かった。
この映画、そして主演の声を担当した女優が、くだらない利権で潰されそうになっていたという事実が腹立たしいが、逆にそれでも潰されずにしっかり全国展開するまで漕ぎ着けたのが今年の日本映画の底力なのかなとも思った。
戦争映画としても、芸術作品としても素晴らしく、かつ劇場にいた文字通り老若男女全てに対して響く表現が多く、とてつもないクオリティ。
朝たまたまNHK映像の世紀でトルーマン、オッペンハイマーからカラシニコフまでの戦争の記録を見て一泣きした直後で涙腺がイカれていたので、もう終始泣きっぱなしだった。
やはり戦争映画はコミカルに描かれる日常との対比が一番キツい。
特に玉音放送直後のお姉さんの「終わった終わった」の辛さには計り知れない空虚な悲しさが滲み出ていて、僕もそうだし隣で見てたお姉さんもあり得ないくらい泣いていた。
笑えるシーンも泣けるシーンも、今年最後に劇場がこれ程一体感に包まれる作品で締め括れて本当に良かった。
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