最高の花婿のレビュー・感想・評価
全52件中、1~20件目を表示
差別をユーモアで笑うということは、なかなか日本では見られないなぁ。...
差別をユーモアで笑うということは、なかなか日本では見られないなぁ。
超不謹慎なブラックジョークだらけで大笑いしたけど、でも考えさせられる作品。
フランスの独自性とは
このコメディ作品が生み出す笑いは、民族、信仰の違いに対する攻撃と反撃、そして、花嫁たちの父である主人公クロードの悪態によるものだ。
ユダヤ教徒とイスラム教徒の花婿が登場する。彼らは当然ぶつかり合うものの、信仰的には近いものがあるせいか中国人の花婿よりも仲が良かったりする。ユダヤ人なのに事業がうまくいってないなど、各民族、各宗教のステレオタイプとステレオタイプを逆手にとった笑いなど、面白いポイントが多いのがいい。
差別的であることと、そうでないことのギリギリのバランスが笑えるんだな。
そのバランスを象徴するように、クロードは自分をド・ゴール主義だと言う。
ド・ゴール主義とは、外国の影響力を受けず国の独自性を追求するというのもだ。捉えようによっては保守的で差別的だと見ることもできるし、もちろんそうではないとも言える。
AとBの選択肢の中でAを選んだとして、それは単に好みの問題だ。しかしもしAが白人でBがアフリカ系だった場合、選択する人間が白人であったなら、その人は急にレイシストになってしまうのか?そんなわけない。
しかし、見る人によっては、場合によっては、レイシストのそしりを受けても仕方ない。そんなギリギリ感のあるバランスが「ド・ゴール主義」なのだ。
本作の場合は、主人公クロードに選択する余地も権利もない。他民族、他宗教の相手を選んだのは娘たちだ。
クロードはただ、娘の結婚相手は自分と同じ白人のカトリック教徒がいいなと願っているだけだ。
そしてその想いは終盤に登場する花婿の父親と同じであったことが最大の笑いどころ。「私もド・ゴール主義だ」と言い合ってからの意気投合ぶりは最高に笑えるし、最もいがみ合う可能性のあった二人が同士であったことが思わぬハートフルさを生み出す。
ド・ゴール主義の重要な部分「フランスの独自性」を現代的に解釈するならば、本作のように「全てを受け入れる度量」なのかもしれない。もちろんフランスらしく皮肉めいたブラックジョークをスパイスに。
人類の将来に光を感じます。
フランスで大ヒット。1200万人が観たそうです。
「差別しないって、こんなにも楽しいことなんだよ」と、
エンディングの披露宴のダンスBeetは教えてくれる。
軽妙早口の、セリフの掛け合いがとっても愉快です。
みんな頭の回転の早いこと!何度、声を出して笑ったことか!
膨大なページの台本だったはずです。脚本家の並外れた力量を感じますね。
そしてかなりの人数の登場人物なのですが、混乱の心配は御無用。
(ちょっとステレオタイプだけれど)、とてもわかり易く4つのカップルが紹介されていますし、それぞれの出自の国民性やその文化が、モデルケースとして提供されるのです。
娘たちのキャラクターもとてもよく色分けされていて親近感。
移民社会と、宗教的対立、そして国籍や植民地政策の傷を引きずる東西南北の世界情勢。
そこに娘4人の結婚が絡むものだから、お父さんもお母さんも、もう避けて通れずにグローバル化の渦中に投げ込まれるわけで。
役者は芸達者揃いです。
製作側の「このフランスをなんとか自由・平等・愛の国として、もう一度立て直したいのだ」という、祈りと熱量を感じました。
先月は「キャロル・オブ・ザ・ベル」を観てレビューも書きました。戦争の結果、家族がみんな死んで、その犠牲の後に孤児たちが生き残って、国籍や宗教を超えて友情を確かめるという悲しいストーリー。
「同じテーマ」を、そのように重たく問題提起する映画もズシンと来るし、本作のように気楽に笑いながら、いつの間にか自分たちの心の風向きを変えてくれる・・こういう映画もいいなぁー
こういう映画を中高生に観せてあげるのも、とってもいい勉強になると思うのです。
自分の結婚についても絶対にポジティブなイメージを培える。
かつ、
世の父親たちにとっては「娘が連れてくる彼氏」を頑張って受け容れるための、覚悟のイメトレになる。
そして更には、娘が連れてくるあちらの御両親とのお付き合いも、気が重いけれどね、心の準備にもなる。
コートジボワールの父、圧巻でした。
ド・ゴール主義の父親像。
染み付いて 凝り固まった偏見は、多少のことでは氷解しない。
きっと必ず、白人のフランス人の父=クロードの意識にも“揺り返し”が来るだろう。
差別は骨と血に しかと植え付けられているから。
でも思うのだ、クリスマスごとに、誕生日ごとに、過越祭やラマダン明けの記念日ごとに、この5つの夫婦は何かの理由を付けて帰省して、集合する。
そしてまた10人での すったもんだのすれ違いと、たくさんのディスカッションをする。
そして(ここ重要)彼らはそのたびに幾度も全員でのハグを繰り返して、
新しい家族の姿を築いていくのだと思います。
「黒いコーヒーと白いミルクで、美味いカプチーノが出来るじゃないかヨ?」と自分の口から言ってしまって、そう言えてしまった自分の、それまでと違った驚きの姿によって、ハッとして自分の変革が分かるクロードのレストランでのシーン。
とっても良かった。
愛と笑いは、必ず民族主義やヘイトの“壁”を打ち壊すのだと、
この映画から信じさせてもらえました。
先ず事件が起こる。そして私たちは考えるのです。
·
両親
近年のディズニー実写作品を観るとお城の重要な家臣に必ず、黒人の方が抜擢されている。いかに歴史認識あやふやな自分であってもおかしい、と感じる。何十年も前のアニメ版だと皆白人。
グローバルを意識しての事だろうが。
それと比べるとお父さんのクロード、問題にならない程度に本音をぶつける。お母さんマリーが横から差別よ。差別よ。と言う。他人の婿なら気にならないが、娘の婿となれば本音のみ。離婚の危機もある程の反対なのにいつの間にか双方の父親同士が仲良くなってめでたしめでたし。実際、親となれば難しい事だろうけどその人自身を見るか、娘息子が心底好きでいるか、娘息子の幸せ第一に考える親心に到達するという事だと思う。この辺でジーンと来る。
この作品、母親二人は常識的で子供の幸せを願い段取りしていくのに父親二人は嫌味言うわ戦闘モード丸出しだわ、と描くのは頭(母)ではわかっているが、心(父)はなかなかついていけないという事かな。その父親二人が面白くて憎めない。次に何を言いだすかしでかすかと期待して観てしまった。このご両親四人組、名優の方たちだと思う。
最高の花婿というのは、選んだ娘を認め許した両親あってこそだと思う。
追記:一昨年までのBSワールドニュースはそれこそそれぞれの国の特色が出た事件や出来事。しかし、昨年からどの国のニュースもコロナの扱いばかり、という日がある。世界を身近に感じてしまった。いろんなことは違えど同じ人間なのだと。早く終息することを願います。
フランス映画が解き放つ!! 国際結婚に求められるのは何か?!
違う国籍、多様性、自分が信仰している宗教とは異なる宗教!
ハプニング、ひと悶着ありながら
やっと無事に迎えることが出来た結婚式✿
花嫁の美しい姿。
花婿を誇りに思う父親のスピーチ。
自分と違いがあってもそれを受け入れる
器の大きさがありました。
笑いに包まれた新しい門出を祝う結婚式と為りました。
釣りで大きな魚を釣っている場面があったけど収穫を獲られたようにも見えました。
現代的フランス映画
フランス映画と言えば、独特のテンポでよく分からない不思議な雰囲気の作品
…というイメージがありますが、本作はすごく明快でハリウッド映画の雰囲気を持ちながらもフランスの文化や世相を表現してとても飲み込みやすく面白い作品。
移民問題、保守派などの社会的な問題が1つの家庭に集約されて老夫婦の心中は大荒れ模様。
しかし、天真爛漫な育った3人の娘とそれを育てた老夫婦なので、安心して家族の行方を見守れる。
出来すぎた予定調和ではあるものの、気持ちよく締めくくられるので満足感がある。
重要なのはフランス国歌のシーン。
このシーンが無ければとても陳腐でお花畑な作品になったことだろう。
フランスらしい🇫🇷
こんな、いかにも触れ辛い人種問題を、家族の問題に絡めてより複雑にしながらも、最後にはみんなニッコリ笑って解決できる話に持っていけるのはフランスを含むヨーロッパ映画の良いとこだと思う。
アメリカ映画ならカーチェイスが入ったり、家が爆発する気がする💥
幸せな映画
ちょっと出来過ぎなところもあるけど、見終えて楽しかったと思える映画だった。お父さん2人が飲んでる場面が良かったな。所々で検索しないとわからない言葉もあったけど、でも満足だった。
評価:3.7
フランスのギリギリなコメディ
最高のふたりにも通じる、フランスコメディ。
序盤の割礼のシーンから、ここまでありかと思うような場面や台詞が盛りだくさん。フランスってやっぱりすごい。
コートジボワールの家族(父親)も結婚には反対している。
上の娘3人とも移民と結婚しているのだから、クロードがコミュニストだと思ってもおかしくないかも。
いろいろありつつも、子供の幸せを何より思う、理解ある両親だと思う。
【”フランスの多国籍家族が、一つになっていく過程をコミカルに描いた作品”現代フランスが抱える移民問題、多国籍国家の問題を相手の立場を理解する寛容な心と、笑いで吹き飛ばせ!】
ー フランスの移民問題を描いた映画は、「サンバ」や「オーケストラ・クラス」などで鑑賞してきた。どの作品も面白かったが、貧困問題に焦点が当てられており、作品のトーンとしては重かった。
今作が面白いのは、現代フランスが抱える移民問題、多国籍国家の問題をコミカル要素を塗して描いている点と、何だかんだありながらも、最終的には相手の宗教、価値観の違いを受け入れる寛容さを受け入れる人々の姿がキチンと描かれているからだと思う。ー
■面白き点
・純正フランス人で、カトリック教徒で”ド・ゴール主義”を信条とするヴェルヌイシュ家当主クロードが愛する4人娘。
が、長女から三女までは、イスラム教徒、ユダヤ教徒、中国人と結婚。
”ド・ゴール主義”としては、大問題!。4家族の会食は宗教問題などもきっかけに滅茶苦茶に・・。
ー クスクス笑いながら、観賞。割礼問題ね・・。ー
・最初はいがみ合っていた長女から三女の夫たちが、徐々に結束していくシーン。
ー 三人で熱唱する”ラ・マルセイエーズ” ちょっと、沁みる・・。ー
・四女のロールが選んだ結婚相手・・はコートジボアール人!の俳優シャルル。そして、元軍人の父アンドレがコレマタ強烈なキャラクターで・・。
ー クロードVSアンドレ。面白かったなあ・・。何だかんだありながらも、意気投合しちゃって、挙句の果ては仲良く留置場入り・・。ー
・ロールとシャルルの結婚式での、二人の父親のスピーチも、良かったなあ。
<多国籍家族は大変だ。けれど、相手の立場を認め合う許容性の大切さをコミカルに描いた作品。そして、忘れては行けないのは、愛すべきおバカな男達を支える、聡明な女性陣達の姿が印象的な作品だったよ。>
最高なのは花嫁の父
建前はリベラリストでも本音となると難しい、1967年の「招かれざる客」もそんな父親の心中を描いた社会派ドラマの傑作でした。本作はそんな父親をからかい半分に描きますがテーマがテーマだけにコメディ仕立てにしないと収拾が尽きませんから致し方ありませんね。
確かに今はグローバル社会ですから昔に比べればかなり軟化してはいるのでしょう。
生活に支障が無ければ人種と言うより個人の資質の方が問題かな、4人のお婿さんたちもその辺は一応クリアしているので、あとは当人たちの問題でしょう。劇中のセリフにもありますがアラブ、ユダヤ、中国人と一括りにしても同じ人種同士の方がむしろ反目が多いと言うのも頷けます。
父親同士のわだかまりが氷解する経緯もうまく描いていますね、頑固なだけで根は善い人というのが伝わります。
最高なのは花婿でなく父でしょう、花嫁の父としてはどんなお相手でも面白くないのが本音でしょうから映画の父上は超出来すぎの部類でしょう。
母国でも大ヒットしたとか、国際情勢を考えると全ての民が手に手を取り合えるのはいつのことやら、皆それが薄々分かっているので、せめて映画の中ではと、奇妙な美談が受けたのかも知れませんね・・・。
井の中の蛙
下手に普通に面白かったです。フランス映画らしいアイロニーも効いてますが、そこまで小難しくないので、フランス映画が苦手な人でも楽しめると思います。様々な価値観に触れると、自分が変化し成長できるのが一番素晴らしい事ですよね。お父さんなんてまさにそれ。井の中の蛙のままでは、ダメってことですね。
終始ニヤニヤ
月末の続編が気になり、ガーデンシネマで行われてるリハーサル上映にて鑑賞。
ハリウッド映画とはまた違ったブラックジョーク満載のコメディ作品。終始ニヤニヤさせてもらった。
作品紹介にある通り4人の娘が各々、イスラエル、アルジェリア、中国、コートジポワール人と結婚することによって国際的なファミリーになる。
しかし、そこには宗教の違い、育ってきた環境の違いから当初は互いに互いを差別しバカにし合ったり、喧嘩する事によって中々一つになれない。まぁ最後はもちろん一つにまとまるのだが、その過程をとても楽しむ作品である。
互いの人種を差別発言し合い、バカにするのは昨今のハリウッド映画では減ってきてしまってる為見ていて笑ってしまう。同時に、イスラム系、ユダヤ系に特別詳しいわけでもない為それもまたある意味彼らを知るキッカケにもなる。
個人的に一番笑わせてもらったシーンは序盤の孫の大事な皮を犬に食べられたシーンかな。凄く笑った。
海外の笑いは日本人の笑いと合わない事も時折あるが、この作品で描かれてる笑いは非常に日本人の感性と合う気がする。
気になる方は是非観てもらいたい。月末に公開される続編が非常に楽しみだ。
平凡なストーリー、 くだらないギャグ
最低でした。 平凡なストーリー、 くだらないギャグ、 褒めるべき点が 1つもありませんでした。 [2014年フランスで興行収入 No. 1] なので、 みてみたのですが、 期待はずれでした。 文化の違いなのでしょう。
全52件中、1~20件目を表示