「モーツァルトのマイナーな旋律にのせて」東京無国籍少女 いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
モーツァルトのマイナーな旋律にのせて
清野菜名という女優さんは、テレ東で最近まで放映していた『LOVE理論』というドラマで初めて拝見した。
初め、AUのCMのかぐや姫役の女優さんかと勘違いしていたのだが、段々それが違ってると分かると、どうにもその目の下の泣きぼくろが気になってきた。演技としてはでもまぁそんなに光るような印象的なものは見当たらなかったのは役自体のせいかと思ったのだが、その後知ったことはこの人は、園子温監督の映画でアクション俳優としての演技をしていたという。あまりにもテレビでの印象とは違うその配役にギャップを感じ、そして今回の映画での主役である。
で、映画の内容はというと、まぁ、これが押井監督の趣味だけで作ったような内容。考えてみればこの前のパトレイバーでも、まのえりなを起用した後、園監督の映画でも出ているし、なんだかこの二人の監督、タイプの女優が似ているんだろう。
ミリタリーおたくと格闘アクション、そして『夢落ち』。
ストーリーははっきり言って薄い。いつものライトウイング的な思想や、はたまた哲学的な台詞回しは今回は出てこない。パトレイバーで引き摺っていたのか、ロシア語は出てきていたからどうも北方領土に絡めた話しなのか?
彼女のアクション自体はとても軽やかで敏捷性は感じられたが、なにせ力がないということに、打撃の重さがあまり感じられなかったのが迫力不足ではあった。
本田博太郎と金子ノブアキの脇役は、仮面ライダー系の感じが安っぽくて、もう少しやりようもあったかなぁと思うのだが・・・
他の方も書いてあったように、ホント前半のあの冗長な流れは、眠気を誘われてしまった。押井監督のいつもの犬登場の方ばかり気になってしまったのも今一内容に乗れなかった証拠だろう。
せっかく綺麗な女優さんなのだから、もっと有意義に引き出せる、そして惹き付けられるようなストーリーや演出が出来る監督はいないのかなぁと、勿体ない感想であった。