ブリッジ・オブ・スパイのレビュー・感想・評価
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すっきりしない
トム・ハンクス演じる主人公は間違っていない。
行動にも筋が通っている。
ある意味、というか世間的には立派なのだろう。
戦後日本もこういう方々のお陰で復興できたのだと思う。
感謝せねばなるまい。
だが、観ていて違和感は拭えないし、苛つきさえする。
詳しくは描かれなかったが、彼のせいで家族は危険にさらされたことだろう。
無論、悪いのは彼ではなく、無分別な衆愚だ。
分かってはいるが、融通が利かなすぎの観が残る。
交渉も特別に切れ者の印象はなく、何故うまく行ったのかが疑問だった。
唯一、ソ連のスパイとの交流に胸が熱くなった。
スパイが後部座席に乗せられた時の、主人公の後ろ姿が心に残った。
私を抱擁するか、後ろに座らせるだけか
映画「ブリッジ・オブ・スパイ」
(スティーブン・スピルバーグ監督)から。
米ソ冷戦時代の実話らしいが、冒頭「これは実話に基づいて・・」
という表記はなく、最後のテロップで、これもしかしたら実話?と
考えさせる作品仕立てが、素晴らしいと思う。
さて、今回の私の注目は、両国のスパイ(パイロット)交換シーン。
お互いの祖国に戻ったら、彼らはどんな扱いを受けるだろう・・と、
誰もが興味をもち、歓迎されるか、殺されるかだな、と考えていたら、
ソ連のスパイ・アベルは、こう答えた。「私の迎え方で分かる」
トム・ハンクス演じるドノヴァンが聞き返す。「どうやって?」
アベルは静かに「私を抱擁するか、後ろに座らせるだけか」と答えた。
そして、その瞬間、アメリカ側は思いっきり「抱擁」し、
ソ連側は、大事な秘密をもったスパイが戻ってきたのに、
何もアクションせず、ただ「車の後ろの席」に座らせた。
この両国の「迎え方の違い」が特に印象的だった。
さらに「なるほど、アベルは殺されるんだな」と思っていたら、
私の意に反して、何も処分も受けず、開放されたようだ。
ソ連側は「彼はスパイじゃない」から、抱擁も殺しもしない。
そんな主張をしているようで、可笑しかった。
スタッフ、キャストの布陣が鉄壁。観やすい、分かりやすい。最後の子供...
スタッフ、キャストの布陣が鉄壁。観やすい、分かりやすい。最後の子供たちが柵を越えていくのを眺めるとこは平和を象徴した演出で、ホッとする場面だった。
今では過去の事になった冷戦時代。今は平和と言えるのか問われているみたいな印象だ。
不屈の男
最後に車窓から見えた子供達の姿を見つめるトムハンクスにほろり。
派手なアクションはないけれども何か起きてしまうんじゃないかとドキドキした橋のシーン。
観た後に観て良かった、心温まったと思える作品でした。
これだからスピルバーグは
良い人間ドラマでした!!
プロットだけ見るとご都合主義的なんだけど音楽使いとか色々で軽く見えないのがすごい。
ドノヴァンの正義漢(と簡単に言って良いものか)ぶりが気持ちいい。作中でもアメリカ代表ではない、と言っているけど、ルールと人情を遵守する個人のヒーローなんだな〜と!!
アベルも好人物で、三度にわたる「それは役に立つか?」は痺れました…。
周りに振り回されることなく自分らしく
冒頭の裁判所を後にした後のCIAとの問答に痺れました。その時に発したアメリカに住む、いる理由がドノバンさんの信念なのかな?その信念に基づいた行動を貫ける姿に感銘を受ける。
いい映画でした。
U-2撃墜のシーンに注目していた。
SW EP7の興奮が冷めやらぬ時期に鑑賞したものだが、実話に基づいて作られているそうなので、U-2がSAMに狙われて撃墜されるシーンがどこまでリアルなのだろうか、、と注目していた。
人間の可能性。
良い映画だと思う。(しかも実話ってのも凄い。)
主人公の恐怖と困難に脅かされても、信念を曲げずに仕事に徹する「Standing man.」っぷりが、格好良いし痺れる。
こういう人が、確かにいたんだと言う事だけでも感動する。
ただ一方で、今の時代を生きてる人達には、やや感情移入し難い映画のような気もする。
最後に少しずつ広がる幾つもの、周りの嬉しい変化が、この映画の全体を包む(人間の可能性)のようにも感じて、後味が良い。
(良心・邪心)どっちを選んで進むのかは、一人一人の自由。
ただ「こうあれたら、自分の世界は明るくなるかもね。」そんなスピルバーグ監督の、人間に対する温かい眼差しを感じる映画。
ハンクス、ライランス、スピルバーグ、それぞれの巧さを改めて感じる1本
ソ連のスパイの男がいる。マーク・ライランスが演じるその男は、何かを達観したように心を乱すことがない。表情ひとつ動かさず、飄々とした態度と眼差しで、捉え所のない男のようだ。国に忠誠を誓い、信念を貫く男の姿でもある。しかしながら米国国民にとっては、敵以外のなんでもない。それすらも受け入れ腹を決めた男の覚悟を、ライランスが魅せる。トム・ハンクスよりも年下のはずなのにずっと老けて見えるし、しょぼしょぼしてすら見える。しかしそれ以上に男の悲哀と奥行きを感じさせる。
一方のトム・ハンクスが演じるのは、そんなスパイを弁護することになった保険弁護士で、彼にとってもスパイの男は敵でしかないはずなのに、次第に不思議な友情のようなものが生まれていく奇妙な関係性を魅せる。正義だけではない何かを表現するのにトム・ハンクスは確かにうってつけだ。
第一幕では、ライランスを弁護するハンクスの法廷劇のような色合いが強く出る。ただその中で、米国人スパイの若者の物語が平行して描かれ、第二幕で二つの物語が交差し、新たなドラマが展開する。
ソ連で捕らえられた米国人スパイを取り戻すべく、ソ連のスパイとの交換取引をすることになり、その任務をハンクスが行うのである。そこに、ベルリンで捕らえられた米国人留学生の救出も重なり、ハンクスはほぼ一人でこの複雑な国交取引に立ち向かう。ハンクスの知的なおおらかさが役柄に働きかける。
スピルバーグの仕事は演出の見本とでも言うほどで、伏線の張り方から回収、場面転換、物語の語り口も、さすがは熟練という感じで文句のつけようがない。巧すぎてちょっとクサいくらいだ。
そうだ。ハンクスとライランスの間の奇妙な絆、個人と国との複雑なかけひき、ラストの橋の上の緊張感、帰国した後でベッドに伏せるハンクスの背中・・・など、見ようによっては巧すぎて少しクサい部分が目につくかもしれない。昔のスピルバーグがそれをやったら、鼻で笑ったかもしれない部分だが、今ではこの手慣れた感じがとても心地良い。スピルバーグ、本当に映画をよく分かっていらっしゃる。
この物語は実話がベースになっているものの、スピルバーグは実話であるという事実に寄りかかった映画は作らない。何も知らずにフィクションだと思って観はじめた人も、ひとつの映画としてきっと楽しめるだろうと思う。
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