「私を抱擁するか、後ろに座らせるだけか」ブリッジ・オブ・スパイ shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
私を抱擁するか、後ろに座らせるだけか
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映画「ブリッジ・オブ・スパイ」
(スティーブン・スピルバーグ監督)から。
米ソ冷戦時代の実話らしいが、冒頭「これは実話に基づいて・・」
という表記はなく、最後のテロップで、これもしかしたら実話?と
考えさせる作品仕立てが、素晴らしいと思う。
さて、今回の私の注目は、両国のスパイ(パイロット)交換シーン。
お互いの祖国に戻ったら、彼らはどんな扱いを受けるだろう・・と、
誰もが興味をもち、歓迎されるか、殺されるかだな、と考えていたら、
ソ連のスパイ・アベルは、こう答えた。「私の迎え方で分かる」
トム・ハンクス演じるドノヴァンが聞き返す。「どうやって?」
アベルは静かに「私を抱擁するか、後ろに座らせるだけか」と答えた。
そして、その瞬間、アメリカ側は思いっきり「抱擁」し、
ソ連側は、大事な秘密をもったスパイが戻ってきたのに、
何もアクションせず、ただ「車の後ろの席」に座らせた。
この両国の「迎え方の違い」が特に印象的だった。
さらに「なるほど、アベルは殺されるんだな」と思っていたら、
私の意に反して、何も処分も受けず、開放されたようだ。
ソ連側は「彼はスパイじゃない」から、抱擁も殺しもしない。
そんな主張をしているようで、可笑しかった。
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