「スピーディーな展開を追うのみ」ブリッジ・オブ・スパイ BBさんの映画レビュー(感想・評価)
スピーディーな展開を追うのみ
この日はまず朝から「ヘイトフル8」という、予告編入れて3時間という長丁場を鑑賞した後、同様に長丁場の「ブリッジ・オブ・スパイ」を見たということもあり、とにかく疲れました…苦笑。
とにかく無駄話が多くて、なかなか話がすすまなかった「ヘイトフル~」と比較すると、さくさくと話がすすむ「ブリッジ~」は、テンポよく観ることができます。
でも、まあ、長々とした出来事をテンポ良く進めたとしても2時間半以上かかる、という事実から推測できるとおり、出来事を追うのにせいいっぱいで、キャラクターの内面やドラマは、内容の割りにあっさりとしており、その分感動は薄かった。
ベースドオントゥルーストーリーということで、事実として、「ドノヴァン弁護士はすごいね」ということ、また「冷戦って怖かったね」ということがわかった以上のなんらの感情がわかない。
ドノヴァンとアベルが信頼関係を築くに到った経緯などが丁寧に描かれていないので、せっかく解放されたときの感動も薄まってしまった。
ただし、信頼関係を築く材料は何ら提示されないものの、ソ連のスパイ役であるアベルを演じたマーク・ライランスの演技がすばらしく、彼の表情やしぐさひとつによって、静かに信頼関係が積み重なっていく様子が伝わる。
憎むべき存在であるはずの敵国スパイなのだが、どことなく彼の味方をしたくなってしまう。そんな存在感を見事に体現して見せたマークを観られただけでも良かった。