劇場公開日 2015年9月19日

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「アントマン それは、マイナーヒーローがもたらす予期せぬ面白さ」アントマン 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0アントマン それは、マイナーヒーローがもたらす予期せぬ面白さ

2015年9月20日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

単純

興奮

マーベルのニューヒーローは、身長1.5㎝のアントマン!
さすがに今回こそはコケると思った。
マーベル・ヒーローでもマイナーらしいし、蟻男って…。
それに、監督交代劇。
でも、予告編見たらなかなか面白そうな…。
いつもいつもミーハーでスミマセン!(>_<)

『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』より面白かった!
いや勿論、そのヒーロー再集結もつまらなくはなかったが、広げ過ぎて飽和状態になってしまった気が…。
そこで、真逆のミクロサイズに縮小させたのが面白い。

単純明解、勧善懲悪、王道のヒーロー物語!
選ばれ、修行して、危険な奴の企みを食い止める。
『~エイジ・オブ・ウルトロン』が詰め込み過ぎてごちゃごちゃしてしまった分、見易くもあった。

小さいからって侮るなかれ。
通常時より戦闘能力アップ。
1.5㎝サイズで遥かに大きな人間(つまり普通の人間)をバッタバッタ倒し、ジャンプ力も驚異的。
最小にして最強。
何だか、魔人ブウに飴にされたのにメチャメチャ強いベジットを思い出してしまった(笑)

小さくなって鍵穴や弾が貫通したガラスの穴を抜け、大きくなって攻撃、そしてまた小さくなって…小さくなったり元に戻ったりのアクションがユニーク。
これはこのアントマンにしか出来ない。
縮小時、見ているこっちも縮んでしまったような見せ方も見事。
大宇宙じゃなくても世界を股にかけなくても出来る、スピーディーでダイナミックなアクション!

アイテムも面白い。
物を拡大もしくは縮小させる事が出来るディスクに、蟻とテレパシー交信出来るヘルメット。
アントマンの頼れる仲間は、数種類の蟻軍団。
元々蟻って、組織としてもしっかり統制がとれて驚くほどの力持ち。虫界のスゴい奴!
虫が苦手…って人でも、彼ら(?)に愛着沸いてくる。

他のヒーローより共感出来る部分が多い筈。
というのも、根底に描かれているのが、人生どん詰まりの男の再起。
盗みで刑務所に入ってて、出所したのはいいものの、バイトもクビになり、仲間に誘われまた盗みの世界へ…どうしようもないダメ男、スコット。
でも、決して悪人じゃないし、憎めない。
全ては、たまにしか会えないが今でもこんな自分を慕ってくれる愛娘の為。
娘に誇れるヒーロー(=父親)であろうと奮闘する姿にどうしてケチがつけられようか。

初代アントマンから二代目(スコット)へ世代交代。
その初代=ハンクも娘ホープとの間に溝が。
スコットとホープの仄かなロマンス。
アクションの合間にハートフルなドラマやコメディを織り交ぜ、ペイトン・リードが手堅い演出。
当初のエドガー・ライトからの監督交代劇はがっかりしたが、これはこれで、コメディだけの監督と思っていたリードの新たな才ある面を見れた。

同じくコメディのイメージが強いポール・ラッドだからこそここまで人間臭い主人公に。
マイケル・ダグラスは余裕で楽しんで演じているし、ホープ役のエヴァンジェリン・リリー!
『ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション』のレベッカ・ファーガソンに続いて、またまたタフで魅力的なヒロイン発見!
主人公の3バカ仲間も笑わせてくれる。

中盤であのキャラが登場。
今後のマーベル作品にも登場するらしく、それを匂わせるラストにニヤリ。
お馴染みスタン・リーも(笑)
エンディング後のオマケ映像は二つ。
特に最後の最後は『アベンジャーズ3』の前に超楽しみなあの作品への伏線なので必見!

本編も繋がりも含め、またもや素直に楽しませてくれたマーベル新ヒーロー。
何だかんだ言っても言われても、やっぱり面白いものは面白い。

近大