モヒカン故郷に帰るのレビュー・感想・評価
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あったかいブラックコメディ
こんなに明るい臨終を初めて見ました。さらっとゆるっとあたたかい普遍的な笑える家族愛ものです。沖田監督のセリフが大好きです。俳優さんもそれぞれいい味出てました。人に勧めたくなる邦画です!
断末魔!
断末魔に始まり断末魔に終わる。ラストはビックリしましたが笑えました。しかし普通の映画なら泣かせるような場面でも急にコメディをぶっこんでくるので見ている側は笑ったりしんみりしたり感動したりと感情の変化が忙しい。その感じが独特でなかなか面白い映画でした。柄本明さんの演技も凄く映画にあっていて良かった。
序盤ありがち後半本領発揮
モヒカンでデスメタルバンドで定職無くてできちゃった婚、仕方無しに実家に報告と、この経緯はかなり使い古されたプロットな感じで新鮮味が無い。オマケに親父がガンでした、て都合良くというか悪くというか、お涙頂戴とお願いしてる様な筋に、沖田修一作品だから観てるこちらは、全く乗れない。
親父がガンで入院した後半から、漸く沖田作品らしい静かな笑いが込み上げてくる。前半でも、吹奏楽での矢沢永吉とか、沖田作品の味が小出しには出ていたが、柄本明が弱っていくに沿ってアクセル全開になって行き、結婚式でピーク、そこから緩やかに終幕。
後半の笑いのシーンを、前半にもっと出していたら万遍なく楽しい作品になる。死に方色々。
アホだけど、好きなテイストのホームドラマ
父が矢沢永吉ファンだから、永吉と名付けられたモヒカンを主人公にしたホームドラマです。
モヒカン野郎が、適当で、困った子です。
「俺なりになんだかんだ考えて、みんなの言うとうりだと思う」(だったかな?)、という、無責任・ことなかれ・他力本願・かいしょなしを、猛然とアッピールする(二回も)やる気のないバンドマンです。
唯一の自己主張は、モヒカンを切るのは嫌!ってくらいの、ダメやろーです。
龍平スキーですが、この永ちゃんは愛せないわーという主人公です。
年下の恋人のヒモみたいな生活から、予期せぬ妊娠!よーわからんけどとりあえず結婚?だから7年振りに故郷に帰ったら、というお話。
まぁ、予定調和ではあります。
ラストの、柄本明おとうさんの死に方は、笑ったけど笑ってええのか?的な、とんがった感じでしたが、その他はまぁ予想通り。
でも、楽しめるというか、愛おしいなぁという気持ちがしました。
ゆかちゃんの姑・舅にすっとなじむ感じが、伸び伸びした感じがとても良かったですし、もたいさんのカープファンすぎるママも良かったし、なんか頼りない弟くんも良かったです。
ありきたりな難病家族モノではありますが、ディテールが好みなのでまぁ良かったですって感じです。
中学生の演奏する曲が、結構好きでした。あのぼんやりしたまったりしたなんかよくわからん演奏の味わいが。つぼでした。
親はいつか死ぬよね。わかってる。つか、うちの父がん患者だし。そして私もいつか死ぬよ。
・永吉と父親が病院の屋上で喫煙するシーンのトラックダウンするバック...
・永吉と父親が病院の屋上で喫煙するシーンのトラックダウンするバックショットや、砂浜で話すシーンの感情が込み上げるとバックショットに切り替わるのは品がある。
・永吉が吹奏楽部の指揮を執るシーン。まず永吉が指揮棒を構えた時の「おっ」という一言が素晴らしい。そこから演奏がドライブしていく様に興奮した。
・映画のラスト、父が亡くなるシーンのドタバタがドタバタのためのドタバタでひどく醒める。
日常映画
日常と近い温度で描かれる本作。
もたいまさこさんと柄本明さんの夫妻のキャラクターのきわ立ち方と松田龍平さんの温和で優柔不断な性格、前田敦子さんの”ゆとり”的性格の描写が絶妙。ただ、話の結末として主人公の心の成長以外にもう少し終わり方のひねりが欲しい。
えええッ
よく分からんご臨終だった…。
都会に出た長男と故郷の父親。
末期ガンに侵され余命いくばくもない父親との交流を軸にずっと描かれてきたのに、あれはないんじゃないの?
照れ臭い感も分からなくはないけど、そんなまとめ方というか逃げ方はいただけない。
あのご臨終でなかったなら、俺的評価は高かった。
元々、柄本明さんを観に来たようなもんだからいいと言えばいいのだが…。
さすが、怪優の名を欲しいままにしてきた御仁である。
突拍子もない感情の昂りに、しっかり裏付けがついてくる。随分、この脚本は柄本さんに助けられたように思う。
松田龍平氏は感想を述べにくい…。
彼はあらゆる法則の外側にいるような気がする。既存の枠の中から感想を述べるのが躊躇われる。
良かったと言えば良いし、悪かったと言えば悪かった。
蜃気楼のような感じで、あまり印象に残らないのである…。
作品的には、なんか尻切れトンボ感があった。故郷に帰ってきて、また東京に帰っていく…それだけではないはずなのに、それだけに見えた。
この映画、結構、好きです。
結局、映画って、個人的な「好き、嫌い」が全て。出来の「良し悪し」は、あんまり関係無いと思う。さらに突っ込んで言えば、自分が大好きな、心揺さぶられるシーンが一つでも見つかれば、「良い映画」というくくりで問題ないと思う。人の評価なんて知ったこっちゃ無い。が、強いて言うなら、自分と価値観の合う評論家を見つけて参考にする事が、ハズレを引かないコツなんでしょうな。あとは監督の作風が好みかどうか。自分の中では「沖田修一」っていう監督はこれまで観た中では個人的に「当たり」の多い映画を作る人だったので、まあ「ああいう映画なんだろうな」という予測をしながら観れた。好きなシーンが三つ、あった。「主人公の親父と友人の医者が病室で将棋を指すシーン」。「親父がピザを食べるシーン」。「家族で海に行って、親子二人が会話するシーン」。この三つのシーンのおかげで、これも(自分にとって)「良い映画」の一つになった。こういう映画は宣伝も難しいし、ヒットも難しいだろうけど、今後も作り続けて欲しい。山田洋二だけが日本のコメディじゃない。
まあまあだった
前田敦子の自然体な感じがすごくよかった。彼女がさばいた魚は普通においしそうだったし、拒否せず果敢に挑戦するのがすごくいい。島や海といった環境も素晴らしく、あんな場所で暮らしてみたいと思った。音楽の扱いもよかった。
展開のゆるい物語が退屈で時計を何度も見てその度に5分しか経っていなくてすごく長く感じた。敢えてそうしているのか、そうせざるを得なかったのか分からない。
作者が人の死や結婚などというイベントを重視していない感じがした。特にお父さんの間抜けな死にざまに強く感じた。
テーマは一見重いが
笑える。死すらも、笑っていられる。終始ゆるい感じが良かった。えいきちが指揮した吹奏楽、父がぼけてのえいきちとの会話、永ちゃんに扮しての息子の父の夢を叶えようとする真剣な行動、泣けた。笑えるけど、泣けた。つい昨日、あっちゃんの演技が下手という記事を見たが、下手かうまいかは別として、なかなかいい味出してたと思う。
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