ラ・ラ・ランドのレビュー・感想・評価
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夢のように楽しい
それはふつう舞台でやるから、ミュージカルというものは中産階級以上の都市生活者が観る──ものだと思う。
わたしは舞台を観たことがない。舞台を誰が観るのか、知らない。
映画は好きだから、主要古典ミュージカルはおさえている、と思う。
オズやサンドオブやウェストサイドや雨に唄えばetcである。
楽しく観たというより、ミュージカルとはどんなものかを知るために観た──と記憶している。
労働階級にはrole上で台詞を歌って踊ることに対する懐疑がある。
ふつうに演じてくれたらいいのに、と思ってしまう。
が、ミュージカルには意味がある。
芸能博雅な層しか楽しめない、わけでもない。
わたしたちはダンスを楽しみ、同時に人の動きを見て楽しむ。
逃げ恥やUSAの振付を覚えた人は多い。
Bollywoodはいきなり歌い踊り出すが、インドの13億人はそれが好きなはずだ。
歓喜や平和や躍動などをあらわすのに、人々は歌い踊る。歌い踊りたくなる。それには何の疑問もない。
ただし、観る者は、ひねくれている。また、歌い踊る人々を観て、高揚をおぼえるほど、現実から離れられない。
が、小市民としては、ミュージカルを理解しないことには、抵抗をおぼえる。
好きとは言えないが、嫌いとも違う。楽しみ方が解らない──のだと思う。
しかし、この映画では、ミュージカルに対するそれらの苦手意識が杞憂だった。
ストーリーテリングがうまくて、ミュージカルの造りものっぽさが感じられない。
トムフーパーのレミゼラブルは労作なのは解ったけれど、歌い出すたびに違和を感じた。が、この映画では、ミュージカルパートを絞って、移行のタイミングをシームレスにしている。すなわち、さらりと歌いだす、に加えて、歌いだしてもおかしくないほどカラフルなのである。
カラフルでメルヘンな非現実と、現実感のある恋の行方が、いつしかミュージカルを観ていることを忘れさせた。
客席にミアを認めたセブが「ようこそセブズへ」と言うシーンにはおもわず目頭があつくなった。そこから、二人が添い遂げるIFが描かれるのは、まさに夢のような楽しさ。
ラスト見つめ合ってほほえむ、ストイックな着地にも感動した。
恋は実らなかったけれど、時が経ち、お互いの人生を歩んでいる。秋天的童話(An Autumns Tale)を彷彿とさせた。
小さな顔に大きなパーツのエマストーン。
ファンデーションごしにわかるFreckleFaceに惹かれた。
評判に頷ける映画だった。
せちがらい世の中、およそひねくれた観衆のわたしたちに夢を見させる。すごいことだと思う。
王道ミュージカル
まさに王道ラブストーリーのミュージカルだった。
ミュージカルらしいシーンやラストの終わり方がよかった。
何度も見ることで評価が上がったので最初はイマイチでも何度か見てみることをオススメしたい。
かなわなかった人生の物語でもある
最近のハリウッド映画は、金とCGで物珍しさに走る印象があり、好きになれなかった。ましてボヘミアンの成功物語を描くミュージカルと聞けば、「またですか。はいはい、そりゃ売れるでしょうよ」と思っていた。賞を取って話題になったし、世の中について行くために、一応見ておくかと思った。
冒頭の一曲で打ちのめされた。渋滞する高速道路というおよそミュージカルらしからぬ舞台を、カメラが縦横無尽に動き回る。しかも一曲まるごとワンカットとしか見えない。衛星回転、パン、水平移動を組み合わせるこういうカメラワークはTVドラマ「ER」で知っていたが、「ER」が建物の一角であるのに対し、こちらは高速道路。「ええっ!」「うそ!」の連続。エンディングで、手前のダンサーからカメラが引き、道路全体を対角線でとらえると、手前から遙か遠くまで道路上に並ぶおびただしい数のダンサーが一斉に決めポーズ。なんというスケールだ。「マンマ・ミーア!」の桟橋シーンを越える歴史的名シーンと言ってよい。
音楽と踊りのレベルだけではない。メッセージ性も高い。ミア(エマ・ストーン)が台本のないオーディションを受ける場面。努力が報われぬ傷心、不安、迷い。本作が応援するのは、いつまでも芽が出ないミュージシャン志願、役者志願ばかりではない。「もっと勉強ができたら」と書き残して、先週電車に飛び込んだ高校生を思い出し、涙が出た。サクセス・ストーリーでありながら、かなわなかった人生の物語でもある。
ハリウッド・ミュージカルの底力を見た。
ラ・ラ・ランド
ラ・ラ・ランド
今年28本目。映画館復活記念で映画館にて鑑賞。賛否両論分かれてますが私は好きですよ。エマ・ストーンめっちゃ綺麗だし。
作品全体を通してミュージカル調だから話に入りやすい。ダンスもキレッキレだし、初めて、姿勢の良いことって取り柄なんだ。って思った。
仕事と恋愛の両立の難しさを物語ってる。
確かに、自分の恋人の仕事が上手くいって嬉しいけど、何処か寂しい、妬ましいってのは普通だと思う。
成功してる人から声かけられても徐々にそれが嫌味に思えるの、醜いよね。普通の事だと思うけど。
仕事と恋愛の両立の難しさ、目の前にあるチャンスは掴み取れ。と感じた映画でした。
甘く切なく…
封切り時に3回観て笑
あらためて観に行きました。
振り返り際のニッコリ笑顔、
大袈裟な演技…見ていて何だか^^;
という、それまでのミュージカルの
イメージを覆してくれた作品です。
映像と音楽が見事にマッチし、
どのシーンでも心踊りました。
グリフィン天文台のシーンは
素晴らしかったです。
恋愛をしていても、
お互いの夢や価値観、思いを
リスペクトし、叶える為に尽力できる。
純粋無垢な夢を叶える大切さ、
それを人として支え合える事の
素晴らしさを教えてもらえた気がします。
最終的に2人は「結婚」というゴールは
切れなかったけれど、だからこそ
切なくて、美しく、この先ずっと心に
居てくれて、お互いの人生の糧と
なってくれた存在に感謝できる。
それが、本当の恋愛ではないかと思いました。
形や保証のない絆だからこそ、
いかに大切かを感じさせられました。
わたしにはもう無理ですが笑
こんな建設的な恋愛を我が子達には
してほしいと願いながらの帰路となりました。
前作「セッション」同様、ラスト10分がすごい。
・ジャズのドラマーを目指していた監督の私小説的なリアリティとファンタジーが交錯している映画
・ライブのステージの上ではないけど、スクリーンという違う場所でジャズをやる夢を叶えるという監督の貫き方がカッコイイ。
・「プラダを着た悪魔、お洒落で好き!」「アメリ最高!」というような人は100喜びそうな洒落乙映画。
・100%ミュージカル映画!かと思いきや、70%ジャズの映画。
・一見おしゃれでエンターテイメント!だけど、ジャズというマニアックなテーマ。
・前作セッションに続き、ジャズへの愛がほとばしっている。
・ジャズは伝統的でありながら、その殻をぶち破ることで歴史を作ってきた音楽。葛藤してその殻をぶち破ること自体が、ジャズという音楽ジャンルの特徴。
・映画の主人公と同じく、監督も葛藤している。
・今風なジャズをやってる黒人ミュージシャン役は、ジョン・レジェンドというガチジャズミュージシャン。
・そういう人が演じる役が、ジャズを続けるにはある程度時代に迎合しないとやってけねーよと語るのは説得力ありすぎ。
・「お前は他のやつより上手いけど、扱いづらい厄介者だ」というセリフは、説得力ありすぎ。
・セッション同様、台詞のない、音楽と映像だけでラスト10分(ぐらい)を彩っている。
・セッションのラストは、無骨で汗と血にまみれた男臭いものだったけど、今回は女性でも美味しく召しあがれる盛り付けになっている。
・こういった構成は、もはや監督の様式美になっている。
・時間も直線的に進むし、丁寧に物事を見せるから、一回見ただけで、もの凄い腑に落ちる。
・もう一回観なければ!という気が不思議と起きない。(それぐらい明快でわかりやすさがすごい)
・音楽と楽器を演奏する俳優の手の動きを完全に一致させたりと、音楽的なリアルさに気を配っている印象がある。(前作の反省を活かした?)
・古き良きアメリカ映画と、アメリカ音楽であるジャズがうまーく調和していた時代がある
・その時代を再現する懐古主義的な美しさがありながら、今の映像技術だからできる新しさもある。
・ノーカットでカメラがぐわんぐわん動く長回しのシーンがやたら多く、映画づくりの熱意がすごい。
・そんな感じで、いかにもアメリカ万歳!な内容でアカデミー賞ウケが良さそうだっただけに、作品賞のおあずけは残念だったね...。
・ファッションや構図がお洒落。合間に一瞬ばばばっと入る物や手の動きのカットもなんだか非常にお洒落。今っぽいお洒落さ。
・さりげないファッションが、実生活に活かしたくなるぐらい目を惹く。
・ジャングルみたいな柄のネクタイかっこいい!似合うとかどうとかいい!買うっ!
・喧嘩のシーンの切なさ。怒りは愛情の裏返しだということがよくわかる。
・人類史上最もサックスが上手いと言われてる(かも)な、チャーリー・パーカーが若かりしころ、巨匠のドラマーにシンバルを投げられた屈辱をバネに成り上がったという逸話を、すごい監督が好きなんだなあというのがわかる。(セッションでも引用していた)
・エマ・ストーンが一人舞台で挫折してから這い上がる様はまさにそれ。
【以降ネタバレ気味】
・それにしてもライアン・ゴズリングは、ぐわー頑張るけど報われない役が多いなぁ...。(そこがいい。)
・どんなにパートナーに振り回されても、「お前才能あるよ!」と勇気を与え続けるライアン・ゴズリングの寄り添い方は男としてかっこいいなあ!
・ラスト10分の美しさはなんなんだ。
・一生を添い遂げるだけが、素敵な男女の姿じゃない。
・そうはいかなくても、それはそれでいいじゃない、という軽やかさ!
・それを言葉じゃなく、顔で見せるという!顔芸!もはや顔芸術!
観ようか迷っている方へ
3回目。観ました。本当に文句無し!!
でも実は、最後まで観切ったのは2回目なんです。。
初めてみる方、途中まで全てがうまくいきすぎて(?)
つまらない印象を受けるかもしれません。
私も初めてみた時 ミュージカル映画にも疎いものですから、面白さがよくわからなかったんです。それで途中で観るのをやめてしまった。
例えるならばこの映画「起承転結」の「起・承」が長いんです。なんなら「結」は最後の10分くらいですし。
でも、それが良いんです!
どうか最後まで観てみていただきたい。
一度観たら必ず、ラ・ラ・ランドの世界に惚れ込むはずです!
わたしは初めて観切った時、感動で観終わったあともしばらく涙が止まりませんでした。嗚咽です(笑)
今日 もう一度観返した時もまた、声が震えました。(笑)
音楽のお洒落さ・映像の彩度・キャストの美しさ・ファッション・そして、ストーリーのほろ苦さ。。
全ての虜になってしまいました😖💓
恋人の切ない思い……。
ミュージカル映画というので、
お決まりなイメージで見ましたが想像以上に面白かった。
私が見ると【THE青春】って感じで懐かしく感じてしまいましたが、
見る世代によって印象は違うと思う。
大人の恋愛映画
ミュージカルも洋画も慣れていなくて、見始めた時には自分には合わないと思いやめようかと思った。
よくわからないと思いながら1回目は観終えた。わからないなりにラストにはいいと思えるものがあった
すぐに続けて2回目を観たことで、内容がようやく理解できた。ストーリーはありきたりだと思う。しかし作りが上手くてラストに感動出来た
する違い、そして愛。映画の基本となるような作品。
タイトルはもっといいものがあるのではないか、とも思う
隙がなくて完璧!
主演女優のミアがほんとにかわいい…。ファッションもほぼワントーンでシンプルな着こなしで素敵。若かったらマネしてるだろな。服だけでなく外見も内面もかわいくて、女性のハートをがっちり掴む役でした。
一見、B級ぽいのに歌やダンスが完璧で全然B級じゃない!!魅了されました。
ノスタルジックなシーンが多いのもロマンティックで素敵でした。若ければついマネしたくなる気分です。
ラストの演出にびっくりしましたが、一見はちゃめちゃで台無しになりそう…とハラハラしましたが、しっかり見せてくれて満足でした。こんなラスト見た事ない!予想をいい意味で裏切られました!
せつないのがまたいいな…と思います。
この方が心に残るし何度も見返したくなるな…さすが!!
ずっとワクワク幸せな気持ちに浸れました。
<金ロー 吹替 ノーカット>
普遍的な感情の機微を鮮やかに表現した傑作
「ありきたりの映画じゃん」という感想を割と頻繁に耳にするが、私は決してそう思えない。
実際に起こりそうな普遍的とも言える感情の機微を、新たな切り口で捉え表現した滅多にない傑作だと思う。(多少実験的とも言えるかも知れないが、そこがまた好い。)
手に入れた夢もあるし、失った夢もある。
それでも生きていく。
何を以って成功とは言い難い点にリアリティがあり、ファンタジー要素とのバランスが好い。
ミュージカル映画というジャンルの枠に嵌めずに、音楽と映像による感情の移ろいの表現を愉しんで頂きたい。
また往年の名画へのオマージュも、そっと静かに燃え続ける炎のようで良い。
あのセッションを撮った監督が描いたというところも底上げポイントなのかも。
エンドロールのソロ・ハミングも堪らない。
始まりからミュージカル映画好きには ワクワクが止まらない! 聴きや...
始まりからミュージカル映画好きには
ワクワクが止まらない!
聴きやすいジャズ!
音楽も良い!
ライアンがかっこいい!
エマもかわいい!
アンハッピーエンド感もたまらなく好き
モヤモヤした悲しくて切ない結末
ミアが成功したら私たちどうなるの、と尋ねると、セバスチャンがミアに言った言葉「わからない。I don't know.」は、とても重たくもあり、彼女を自由した思いやりのある言葉だど感じた。
きっと、セバスチャンは、ミアが成功することを確信し、でも、そのとき、自分が見合うほどの成功していなかったら、釣り合わないとも考えていたと思う。
だから、わからない、と答えながらも、ミアが成功しても自分のもとへ来ることを心から期待して待っていたのだと思う。
ミアは、成功を納めると、自由になり、恋愛をして結婚した。
一方、セバスチャンは、ミアが結婚したことは有名人だから知っていたことであろう。
偶然に、セバスチャンの店に訪れて、彼は驚き、戸惑いながらも、ミアとセバスチャンのテーマを、ビアノで引くのだった。
彼の脳裏には、もし、自分と結婚していたら、どうなっているかを想像しながら、ビアノ演奏をする。ミアは、もう、別々の道を選んだので、辛くなって外へ出た。最後に一瞬だけ目と目を合わせて、自分達の恋愛物語を終わりにした。
何て切ないのだろうか、セバスチャンの愛の大きさを感じたが、結末にもの悲しさを覚えた。
ロマンチストのセバスチャン、現実主義のミアの像が浮かび上がってしまった。
私は単なるサクセスストーリーとしては見ることはできなかった。成功は、人、ことばとの出会いで、そこでその人がどのような選択をして行動をとったか、そして、運が微笑んでくれたかで決まる。
セバスチャンは、ミアを成功に導いた最高の人である。それゆえ、セバスチャンも自分なりの成功ができたのだと思う。
それでも、私がもやもやして切なくなるのは、ミアがセバスチャンの大きな優しい心を理解できなかったところにあると感じたからだろう。
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