「“それ”は何なのか?」イット・フォローズ いちごだいふくもちさんの映画レビュー(感想・評価)
“それ”は何なのか?
全米で、たった上映4館から始まり、最終的には1600館まで広がり、数々の映画祭で受賞されたとされるまさに低予算から大ヒットホラー。“それ”がどこまでも追ってくるという新感覚のアイデアが面白い。薄気味悪いというか不気味な雰囲気を醸し出していた映画です。
“それ”は淡々と近づいてきます。
ときにはおばあさんになって。
ときには大男になって。
ゆっくりなので、確実に逃げ切れます。遠くに逃げればしばらく安心です。でも、ゆっくりと着実に追いかけてきます。必ず、絶対に追いついてくるのです。昼も夜も落ち着けない恐怖。その精神的な恐怖は計り知れないものですね。
さらには、“それ”のルールがたくさん出てきます。
中でも、うつした相手が死んだら自分に戻ってくる。という仕様はもう絶望的なのです。逃れようがないんですもん。
そして、セックスでうつすことができる。というところがこの映画のキーポイントでしょう。愛している人にうつせない、うつすには知らないどうでもよい他人とセックスをしないといけない…。ヒロインと周りの男性とのセックスと恋の心理的なやり取りが、青春ホラーといった形でも描かれています。
結局“それ”は何なのでしょう?死が見える形になって襲ってくるのでしょうか?
“それ”への攻撃もできるというちょっと拍子抜けなやつらです。
でも、倒せないのかな…(ほ、ほら後ろついてきてるから!)
最後に余談ですが、音楽が一世代昔のホラー映画っぽくていい感じです。
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