「もったいない作品」イット・フォローズ M.Kotaroさんの映画レビュー(感想・評価)
もったいない作品
「何か(誰か)がついてくる」「それは人から人へと移る」という設定はたしかに怖い。ふと気づくと「誰か」がそこに立ってこちらをじっと見つめていたり,あるいは「誰か」がゆっくりとこちらに迫ってきたりする様子には,湿り気が多いじっとりとした恐怖感がある。
ただし,じわじわと迫りくるこの恐怖感はある意味日本人には馴染みがあるので,それほど真新しいとは思えなかった。
決定的にいただけなかったのは,「誰かがついてくる」というこの現象がセックスをすることで「人から人へと移る」という点。いくらなんでもそれはないんじゃないだろうか。
「恐怖は終わっていない」ということをにおわせたかったであろうラストも中途半端。尻切れとんぼで終わってしまった感が強くて,スッキリしなかった。
素晴らしいアイデアを活かしきれていないので非常にもったいない作品だと思う。
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