劇場公開日 2017年2月25日

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「これは、とても怖い映画である。」クリミナル 2人の記憶を持つ男 にゃろめさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5これは、とても怖い映画である。

2022年2月19日
PCから投稿

1つ目の恐怖。
「もし、政府の腐敗行為や殺人を暴くことが罪なら、私は犯罪者だろう。
警察も司法も最大の犯罪組織の一部です。」と発言した悪役ハイムダール。
おそらくこれは、ハッキングを基に得た情報から行きついた彼の思想。
彼はCIAよりも高度で速く、的確なハッキング能力でCIAの先を行く。
しかもノートPC1台で。
ここで、別の道を行けば彼は歴史に名を遺す革命家で英雄だったかもしれない。
しかし、かれは軍をハッキングして世界を転覆する道を選びテロリストに。

2つ目の恐怖。
一方、フランクス博士は、
死んだ人間の記憶(人格や能力、行動も含め)を他人に移植させる
研究をしている。しかも18年も前から!
倫理的問題なのか、技術的問題なのかは知らないが、
人体実験は行われていない。
それが、テロリストを捕まえるための情報源として
強硬的に記憶移植が行われ、それが成功してしまう!

3つ目の恐怖。
見た目が全然違う悪人でも、脳内の記憶が身内のものなら
受け入れられるものか?
そしてたった1例の人体実験の成功だけで、
(おそらく死刑の)犯罪者を解放してしまうなんて!

最大の恐怖。
リアル世界において、
人間同士の記憶移植など実現されませんように。
たとえそれが記憶のデータ化(ロボットへの移植)でも
実現されませんように。
そしてそれらの技術が、
政府、司法、医療、人権を含めた巨大組織で進められませんように。

そして、それを暴いた人がテロリスト扱いされませんように。

にゃろめ