クリミナル 2人の記憶を持つ男のレビュー・感想・評価
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実はかなり攻めたことをやっている。
ケビン・コスナーがいい。これはスターダムから凋落していった姿をリアルタイムで見てきた身からすると驚くべき復活劇である。まさか還暦を越えて「野蛮な凶悪犯」の役をものにするとは!
もちろん主人公だから物語上では善意に目覚めたりもする。しかし本作のコスナーは常に何をしでかすかわからない得体の知れなさをまとっていて、何やっても優等生キャラが抜けなかった過去とは完全に決別している。
コスナーの新境地が内容とみごとにシンクロしていたのが、後半の敵の女性を撲殺するシーン。敵とはいえハリウッドの娯楽アクションで大のオトナの主人公が戦闘能力を失った女性を叩き殺すなんてあり得ないはずなのだ。
でもこの映画を観て、越えてはいけない一線を越えた衝撃作だと思う人はいるまい。それはコスナーの演技の善と悪の振れ幅に説得力が宿っているからであり、その点だけでも実はとても攻めている、相当な野心作だと思うのである。
還暦過ぎのコスナーが新境地に挑むが……
ケビン・コスナーが珍しく凶悪犯罪者役。幼児期の怪我で脳が一部損傷して共感力や罪悪感が欠落した後天性のサイコパスだ。その未発達の脳部位に、殺されたCIA工作員の記憶を移植するという導入部に興味をそそられる。
でもSF的な要素はそれだけで、あとは基本的に王道のサスペンスアクション。善玉イメージが強いコスナーが、敵でも一般人でも容赦なく叩きのめすのは最初こそ新鮮だが、次第に単調に。
そもそも記憶移植の手術はまだ研究段階で動物実験のみ、主人公が最初の被験者になるという設定なのに、すでに高度な手術装置が完成しているのが変。何人もの患者に実験を繰り返し、その都度マシンを改良して完成に近づけるものだろうに。これに限らず、辻褄があわない点が散見され、ストーリーに入り込めない。
ライアン・レイノルズが早々に殺される役で不憫。ガル・ガドットは平凡な母親役だが、得意のアクションを見せてほしかった。
胸のすくラストに星1つプラス
出てくる主人公は極悪人(これがケビン)、ネズミまでしか実証してない
よくわからん医療技術で他人の記憶を入れられ、大活躍かと思いきや
相変わらずのクズ野郎ぶり。
しかしCIAのキレるだけの無能どもと、世界の破壊したいだけのサイコ
野郎の敵役のテロリスト(命を懸けて支援する同志がいるのが理解不能)。
主人公が変化するのも一因ではあるが、こんな人間模様のなかで主人公が
一番まともに見えてきて、次第にのめり込んでしまった。
ありがちではあるが、胸のすくラストに後味が良かった。
荒唐無稽なアイデア
荒唐無稽なアイデアで、ちょっとリアリティに欠けるがなかなか面白かった。
K.コスナーはジーンズが似合うなあ(そこ?)。ガル・ガドットも魅力的だった。
恋愛関係になっちゃうのはちょっと納得いかないがそんなもんかなあ...
ジェリコ、カッコいいもんなあ笑。
これは、とても怖い映画である。
1つ目の恐怖。
「もし、政府の腐敗行為や殺人を暴くことが罪なら、私は犯罪者だろう。
警察も司法も最大の犯罪組織の一部です。」と発言した悪役ハイムダール。
おそらくこれは、ハッキングを基に得た情報から行きついた彼の思想。
彼はCIAよりも高度で速く、的確なハッキング能力でCIAの先を行く。
しかもノートPC1台で。
ここで、別の道を行けば彼は歴史に名を遺す革命家で英雄だったかもしれない。
しかし、かれは軍をハッキングして世界を転覆する道を選びテロリストに。
2つ目の恐怖。
一方、フランクス博士は、
死んだ人間の記憶(人格や能力、行動も含め)を他人に移植させる
研究をしている。しかも18年も前から!
倫理的問題なのか、技術的問題なのかは知らないが、
人体実験は行われていない。
それが、テロリストを捕まえるための情報源として
強硬的に記憶移植が行われ、それが成功してしまう!
3つ目の恐怖。
見た目が全然違う悪人でも、脳内の記憶が身内のものなら
受け入れられるものか?
そしてたった1例の人体実験の成功だけで、
(おそらく死刑の)犯罪者を解放してしまうなんて!
最大の恐怖。
リアル世界において、
人間同士の記憶移植など実現されませんように。
たとえそれが記憶のデータ化(ロボットへの移植)でも
実現されませんように。
そしてそれらの技術が、
政府、司法、医療、人権を含めた巨大組織で進められませんように。
そして、それを暴いた人がテロリスト扱いされませんように。
ケビン・コスナーの細かな感情の機微が素晴らしい。
後天的に感情が欠落してしまった犯罪者ジェリコ役をケビン・コスナーが熱演。晩年落ち着いてしまい、目立った演技の印象は無かったが、今後の復活も期待。植え付けられた記憶に悩まされながら、感情という普通の思考と感覚に戸惑う演技がとても良かった。
脚本もう一捻り欲しかったと感じる展開多く、ビルの記憶とポープ家の繋がりもラストまでもう少し丁寧に描いて欲しかった。テロとの戦いと記憶も相まって、時間足りなくなったか。『記憶を移す』という設定へのツッコミはご容赦下さい、といった所か。
ライアン・レイノルズ演じるビル・ポープ、ほぼ前半のみで若干勿体ない気もするが、印象強くラストまで"ビル"として影を残すのはさすが。
ガル・ガドットは今回アクション無しだが、強く美しい母としての存在感良い。眉間にシワを寄せ過ぎの役で残念。思い出のシーンでの笑顔につい見惚れてしまう。
ゲイリー・オールドマンのイラつく上司っぽい演技、ケビン・コスナーと対極に置いて比較し、人間味を存分に感じさせてくれる。
脇を見事に固めた、ある意味安定の作品。
【極悪非道な死刑囚の人間性の変化が面白いスパイアクション映画】
・2016年公開のアメリカのスパイアクション映画。
・アメリカの軍事システムを遠隔で乗っ取ることができるシステムを作り上げたダッチマン。彼のシステムが他に渡らないように保護・交渉していたCIAのビルが、そのシステムを狙うグループに殺害される。ダッチマンの行方がわからなくなったCIAは究極に困る。そこで、どうにかダッチマンの居場所を突き止め保護するために、最新の技術で彼の脳を別の人間に移植することを判断。しかし、脳移植者として適合可能な人間は極悪非道な死刑囚ジェリコただ一人。苦渋の決断でジェリコに移植するも、ジェリコは逃亡。ジェリコを追うCIAやシステムを狙う組織。そしてジェリコの中に芽生えるビルの感情。危険なシステムの取り合いの中で起こるアクションが描かれる という大枠ストーリー。
[お薦めのポイント]
・極悪非道なジェリコの感情や行動の変化がはっきりしていて面白い
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
[物語]
・よくありそうな物語設定ですが、この物語の面白さはジェリコの成長。最初の方のジェリコは、本当に無慈悲な凶悪犯。欲しいと思ったら、相手のことなんてどうでもよく、殴ってもよし、殺しても良し、なまさに「お前のものは俺のもの」状態。そんな彼が、唯一手を出せない移植された脳のビルの家族。そこから違和感を感じ始めて、どんどんと人間が変わっていく。前半の無慈悲さが後半の行動の変化とのギャップに響いてきて面白さが増します。
[演出]
・遠隔で軍事システムを操作できるダッチマンのシステムがかっこよかったです。さりげないところですが、こだわりを感じました。
[映像]
・際立って感じたことはありませんでした。
[音楽]
・際立って感じたことはありませんでした。
[演技・配役]
・豪華なキャスト。皆さん、「嫌味」な感じが素晴らしく出ていて面白かったです。ケヴィン・コスナーさんは哀愁漂っていい感じ。ゲイリー・オールドマンさんはTHE 嫌味なキャラ。トミー・リー・ジョーンズさんはどことなく冴えないおじさま。中心人物が固いので安定感のある見ごたえでした。
[全体]
・敵方の生い立ちや意図があまりはっきりとはわからなかったので、ドラマチックなものは一切ありません。あくまでもスパイアクションとしてのエンタメ要素が強い映画。ただ、ケヴィン・コスナーさん演じるジェリコの人間性の変化は、観ているこちらがどこか「嬉しく」なってしまう変化でよかったなぁと思います。ながらみだと混乱しそうなので、お時間のある時に観られることをお勧めします。ありがとうございました。
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#全体3.4 #物語3.5 #演出3.4 #演技3.6 #配役3.6 #映像3.5 #音楽3.4
60点
映画評価:60点
え、この人
ケビンコスナーだったの!?
改めて演技力が凄いなぁと感心しつつ、
全然気が付きませんでした(汗)
ストーリー自体は単純で、
ありきたりと言いますか。
特にこれと言って触れる点は無く。
普通に面白かったです。
そう、シナリオだけでいったら普通です。
普通レベルなんですが、
この作品を一段階上に持っていったのは
豪華役者陣の演技力!
冒頭にも言ってますが、
主人公演じるケビンコスナーの演技力が特に凄い!
元々あった感情の無い破壊兵器から、
愛情の芽生えを感じさせる不器用な男へと
自然に演じ分けていくんですよ、
これが凄い。
疑心暗鬼な心の動きから、葛藤。
心は暖かいのに、手足は粗雑で乱暴。
これを表現出来る人が居ての
この評価です。
衰えるどころか、
益々の迫真の演技に感動しました。
観られて良かったです、ありがとうございました。
【2021.10.19観賞】
ケビン・コスナーの布陣
血も涙もない酷薄な人間ジェリコの脳に殉職したCIA工作員ビルの記憶が剃り込まれる。訳は『データの在処を聞き出す為』
ビルの記憶が甦るたびに、ジェリコに欠如していた枢要な部分を占めていく。その過程が涙します。
ストーリーは稚拙さありのパンチが効いた終局でまた観たい作品でした🥊
-1は、CIAの幹部が単細胞のバカ丸出しだったのが残念の-1
図らずも涙が、、、
ジェリコがケヴィンコスナーだってこと、途中までわからないながらも、なんだか妙に頼りがいがあって、長い間番号でしか名前呼ばれたことがないとか、感情がないとかいうところで、広告で見た(ケーキが切れない子供達?)の本の話で生まれつき感情に乏しい子供達とか言うことを思い出したりしたら、 涙があふれでて、ものすごくいい人に見えてきた。おまけに、ケヴィンコスナーがかっこいい人だと感じたことはなかったけど、当たり前だけど大変外見に恵まれた人なんだと妙なことを再認識してみたり、なかなか面白かったです。ジェリコは脳を他人に云わば乗っ取られた訳だけど、本人はしあわせなのかしらん。ある意味これは大変危険な話です。
ケビン・コスナーの倍返し
Huluで鑑賞。あまりメジャーには扱われず、地方では上映会場も少なかった作品でしたが、ケビン・コスナー主役に、よく練られた内容のサスペンス,アクション。
大切なデータの在処を知らせる前に殺されたCIAエージェントのビルの脳から,大切なデータの在処の記憶を移された悪党犯のジェリコ。悪党としての自分と、エージェントてしての家族思いの自分との狭間の中で、揺れ動くジェイコブの葛藤を、ケビン・コスナーが熱演。
全く、内容を知らないで鑑賞した為、最初、ジョイコブがケビン・コスナーとは気が付かずに観てました。それだけ、今までのスマートなイメージのケビンとは、かけ離れた役柄で、見た目も違っていて、新たな境地への挑戦を感じた。
脇を彩る俳優陣も、ゲイリー・オールドマン、トミーりー・ジョーンズ、そして、ワンダー・ウーマンのガル・カドットと豪華。ただ、トミーの動きには、やや年を感じてしまったのが残念。
ストーリーとしては、記憶の移植を絡め、途中までは息呑むサスペンス・アクションでした。しかし、最後は、チョット都合良過ぎのエンディングだったかな…(笑)
まぁ、ケビン・コスナーが、老体鞭打ちながらも、肉体改造までして挑んだアクションに、大きな拍手を送りたい。
タイトルなし
殺されたCIAの記憶をケビン・コスナー演じる凶悪犯に移し、テロ行為を防ごうとする。ライアン・レイノルズはすぐ死んでしまい勿体無い使われ方。CIA役にゲーリー・オールドマン、オーバーアクション。トミー・リー・ジョーンズも博士役。うーん、今いち、最後は記憶が戻り、一緒に暮らしのか。
ケビン・コスナーの復活
着想のよい作品だ。似ている作品がありそうでなかったような。
かつてのスターが低迷期を経て、見事に復活した感じ。老いてもまだ颯爽と活躍する。
それに比べると、役柄とはいえ、トミー・リー・ジョーンズは痛々しく感じた。少なくとも犯人を執拗に追い詰める捜査官の力強さや迫力は萎えていた。
おうち-265
ジェリコって言ったら、有楽町の激ウマ超大盛スパゲッティだよね?と思ったら、ジャリコだったよ。
ここ最近(てかレビューするの3週間ぶりだけど)、貞子ばかり見てたんですけど、、、ちょっと、、、飽きました(笑)
アマプラの「あなたが興味のありそうな映画」が、一瞬にして貞子、伽椰子、貞子、貞子、伽椰子になっちゃって、なんのダンジョンですか?
でも貞ちゃんと伽椰ちゃんの間に、ケビたんを見つけたんです。
死んだ人の大切な記憶を、他人に移す。
似たような映画は、『トランセンデンス』や『レプリカズ』などありますが、私、この手のテーマが大好き。
でも見る前の期待感が大きすぎて、なかなか期待値を上回らないのですが、今回はなかなかの出来!
ツッコミどころは色々ありますが、気になってしかたがなくなるほどではなく、テンポがいいのでそこまでマイナスポイントとはなりませんでした。
『トランセンデンス』も『レプリカズ』も愛する人との別れがターニングポイントとなっていて、ストーリーの鍵でもあるのですが、
この作品、「亡くなった夫の記憶が他人によって甦る」という泣かせどころが上手いんだよねぇ。
夫が急死した妻・ガル姉と、極悪犯罪者でありながら、他人の記憶を移されて二重人格になってしまった男ケビたん。
家にやって来た男が、夫の記憶を移されたと言い、妻は確かめる。
妻が泣きながら話す記憶のひとつひとつが、目の前の男にはある。もう誰とも共有できなくなってしまった、二人だけの思い出が、、、そんなドラマ性も好みでした。
あ、女の子とピアノまで引いちゃうケビたんに萌。
あ、ワンダーウーマンのときの力強さとは正反対で、悲しみを背負ったばかりの儚い感じのガル姉さん、ビビるくらい美しい。
サスペンスのほうも、期待値のまま(超えはしなかったかなぁ、そもそも好きなテーマの映画には期待値高すぎ設定)で、面白かったです。
あ、ジャリコほんとおすすめ。
パスタじゃないよスパゲッティだよ。
TOHO日比谷のあとにどうぞ。
(回し者ではありません)
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