「すごくよかった」黄金のアデーレ 名画の帰還 古泉智浩さんの映画レビュー(感想・評価)
すごくよかった
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主人公の奥さんが、彼の背中を押す場面が素晴らしかった。破水していて自分も大変な時にあんな風に言えるなんて、すごい女性だ。
法律的に決定的な証拠があっても、ちょっとした意図で採用されなかったり、理不尽な裁定が下る事もあるというのがとても残念だ。しかしそれが現実で、それを受け入れようとするお婆さんの立場も分かる。
絵が返還されることが決定して、過去と現在を行き来する場面がとても感動的だった。高校生くらいの時は感動的な音楽が掛かるだけで鳥肌が立ったものだが、久しぶりにじわじわと鳥肌が立った。映画を見ただけで彼女の辛さや悲しみが理解できるわけはないのだが、伝わるものがあったのだろう。
おばさん向けの映画だと思っていたら、法廷サスペンスの要素もあり、文系の静かな闘争が熱く描かれていてとても面白かった。
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