スノーデンのレビュー・感想・評価
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諜報戦争の最前線に
元CIA職員が愛した国家を裏切る話
冒頭から、ジョセフ・ゴードン・レビットの演技、発音にやられた。
ほんとになんでも成り切る役者だと改めて思った。
スノーデンのドキュメンタリー「シチズンフォー」は見ていたが、あまり内容が入って来なかったの対して、
こちらの作品はさすが巨匠オリバー・ストーン、わかり易く上手く映画として作り上げていた。
多少のフィクションは盛り込みつつも、真実と諜報機関の実態、スノーデンがもたらした影響が素人ながら把握できた。
時系列を入れ替えつつ進む展開なので、ちょっとだけ混乱したり、現実感が無くなってしまう所もあったように感じたが、映画として面白く見れたので自分は満足だ。
キャストを全然見ていなかったので、ニコラス・ケイジが出てきた時はちょっと驚いたし、「ザ・ロック」でもオタクCIA役をしていたので何故か嬉しくなってしまった。
スノーデンがこんなに重要なポストに就いていたなんて知らなかったし、海兵隊訓練も受けていて、愛国心の強い青年だったとは・・・
国防の為に行う諜報活動、法律を書き換えて、何でもありにしてしまうなんて、こんな映画みたいな事が実際起きていたなんて全く知らなかった。
自分はPCやネットに詳しくは無い、どんな仕組みで動いているのか、どう管理しているのか知らない。
でも、得体の知れないモノを使っていると自覚はしていたし、仕組みを知らないだけで、知っている人からすればなんでも出来るのだろうなとは思っていた。
だから、主人公が個人情報をグーグル検索以上に簡単に検索できたり、カメラを起動して盗撮したりできる事に驚きは無かった。
まあ、主人公も技術と言うより実行している機関があることに驚いていたのかもしれないが。
人との繋がりを駆使して、弱みを握り、なんでも思うがままにしていく情報機関の横暴には驚かされたし、国防のためとは言えやり過ぎだと思う主人公の
気持ちも理解できたし、背筋が凍った。
彼女はそんなの気にしないと言って理解してくれなかったが、どんな手段でも使う相手に無知でいる事ほど恐ろしい事はないと痛感させられた。
自分も関係ないから気にしないと思っていたので、考えを改めさせられた。かと言って何か対策えを取るわけではないが、知識としてと気構えとしてこの作品を見れて良かった。
実際にスノーデンがニュースに出た時は、あまり関心もなかったし、ただの裏切り者が機密情報盗んで亡命したんだろ?ぐらいにしか思っていなかったが、この作品で、彼が世界に伝えたかった事、愛国故の勇気ある裏切りである事がわかったし、後世に伝えなければならない大事件の知識としてとても勉強になった。
全てを鵜呑みにしないが、彼の事を少しだけ理解できたような気がする。
劇中セリフより
「安全に遊ぶためには、入場料を払わなければならない」
安全のための監視、束縛はある程度の自由のために必要不可欠だ。
度が過ぎると自由の阻害でしかないし、甘いと守れない。
安全と自由はどうすれば手に入るのだろうか?
あっという間の135分!
4,2 ドキュメンタリーも見ましたが、やはりこちらの方がわかりやす...
Macのカメラを塞ぎたくなる
事実は知っていたけど背景は全く知らなかった、エドワード・スノーデンの実話を元にした映画。好きな俳優さんの一人であるジョセフ・ゴードン・レヴィットさんが演じるという事で観てきました。
これが実話なのか…と思うと、ある程度分かっていた事でも、やはり怖いな、と。今、映画を観ている自分達が逆にスクリーンの裏から監視されているのではないか…?家に帰ってから、パソコンのカメラをマスキングテープで塞ぎたくなります。
米国では今日でも賛否両論あるようですが(当然、彼の行いによって救われた人もいれば、被害を被った人も多くいるでしょうから)彼は真の愛国者だったからこそ、この行動を起こしたのだろうと、映画を観て背景を知る事で、感じました。最後のシーンは、ジョセフから気づいたらスノーデン本人に変わっていて、現在に繋がったところが、うわ!っと驚くと同時に、ああ映画じゃなくてこれは事実だったと再認識させられました。彼の行動は正しい事だったのか…結論は出せないけれど、涙が溢れる瞬間でした。
観て損はない映画だと思います。
勉強
アメリカ政府がテロ行為の防止を名目に秘密裏に行なっていた電話やメール、写真などのありとあらゆる個人情報データを1つに集約するPRISM計画に関与したエドワードスノーデンが2013年にそのアメリカの行為の異常さを全世界に公表し、啓発と監督を促すために行動した実話を描いた社会派映画。
こんなことが起きてたなんて知らなかったです。。しかもたったの4年前にして。。無知を実感しました。。
実話を基にした作品で派手な展開があるわけではないし、わかりやすい内容になっているとも言い難いがこんなあり得ないことがこんな最近起こっていたのかと勉強にはなった。
リンゼイが最終的にエドワードの元に戻ってきたっていうラストのテロップに感動したのとエドワードが未だアメリカから犯罪者として追われていてロシアに亡命して滞在許可を得ているという状況にドン引きした。
亡命って今の時代でも存在する言葉なのかとも思った怖い話。
「なぎ」は弓へんに前の旧字体その下に刀
ジョセフ・ゴードン=レビットという役者を常に注目している。初めは『インセプション』。バッドマンのロビン役や、ビル間の綱渡りも観た。この俳優を日本に例えるならば・・・堺雅人は顔が似ている。しかし、一番そのポジションは草彅剛なのではないだろうか?飄々としていて、役柄をきちんと把握し表現する。非常に器用な役者なのだろう。
そんな人がこの稀代のホイッスルブロワーを演じる今作品は、オリバーストーン監督なのになかなか上映館が少なく、観ることが困難だった。
で、やっと東武練馬なんて初めて行く場所で観たのだが、さすがオリバー監督の作り込み、これぞハリウッドなのだろうと噛みしめた。バックに流れる音楽もその時の主人公の心情や情景をきちんと表現しているので、丁寧にその気持ちを捉えることができる。
ただし・・・如何せん、プロットが難しすぎ。頭が悪いから映画で起こってる出来事がどれだけマズいことなのかを実感として受け止められずに映像が流れてしまう。それは現に実際に起きた事件自体が未だ全容の解明に届かず、当の本人はモスクワの霧の中に身を潜める状況だからである。そして、難解なコンピュータープログラム。『プリズム』『Xファイルスコア』等々、このプログラムが一体どういう仕組みで情報を抜き取ることができるのか、頭が整理できない内からドンドン話が進んで言ってしまう。
しかし、壁一面の遠隔映像で上司からの威圧的な話や家族のプライベート情報の人質等でスノーデンがこの状況の暴露を決意するところから香港経由のモスクワ行き迄は疾走感を持って観れた。スパイ映画さながらの逃走劇はこれが本当に行われたとしたら、綱渡りではないが、強い運を感じざるを得ない。特にルービックキューブの件は、伏線の回収も相俟って、緊張のアイデアだったと感じた。
ラスト、トークショーが終わった後のあのスノーデンは、本人ではないだろうか?多分・・・
追記
何故、スノーデンは全てを犠牲にして暴露することを決意したのか?
『てんかん』という病気が発症するシーンは2回。一つはパスタを作る場面。もう一つは友人のパーティにおいて、恋人が男と仲良く談笑している姿を目撃してしまった場面。前半は湯気、後半は飛ばしていたドローンの点滅。日常に常につきまとう発症のきっかけ。その地雷はどこに埋まっているのか誰にも分からない。常にそのきっかけが自分を縛り続ける。常に常に・・・
勿論、『てんかん』そのものが死と直結する症状では殆どない。只、これはある意味精神的な部分においては『死』よりも自分を蝕む悪魔であろうことは想像に難くない。より高度な仕事や生活を望み安定させる人生そのものが、この悪魔との契約を結ばなければならない矛盾なのだろう。摂薬すれば思考が覚束なくなり生活の維持は困難。しなければ悪魔が鎌首を振る。
勿論、持ち前の正義感が土台なのだろうが、彼は国家だけでなく自分自身の病気からも逃げなければならない身の上だった訳だ。
スノーデンという人間の本性はそれを観た人それぞれの感想なのだろうが、しかしこの顛末は彼のみが考え実行したことであり、それを誰も非難してはならない。
それこそが『自由』なのだから。
とかく、『自由』は面倒くさい。そして、『自由』は眩しい・・・
観てよかった
現在進行形の暴露。監視社会がもたらした、自由と代償。
【賛否両論チェック】
賛:今まさに起こっている問題として、監視社会の是非を観ている者に問いかける内容が印象的。
否:主人公の人物像に迫っていく物語なので、本筋とは関係なさそうな描写等もあり、淡々としている感がある。
物語は告発前後の2013年6月と、スノーデンの過去を行き来する形で描かれていきます。前者では、告発に際して起こりうる最悪の事態に緊迫しながら、それでも暴露を敢行しようとするスノーデン達の情熱に、思わず圧倒されるようです。そして後者では、愛国心に溢れていたごく普通の青年が、その能力を買われて携わった国家の仕事で、個人のプライバシーを極限まで覗き見ることの出来る実態を知り、苦悩していく様が淡々と描かれ、監視社会の是非を改めて考えさせられます。
「テロとの戦い」の名の下に行われ、治安維持の面では一定の成果を上げてきたであろう監視の実態。その代償を受け入れて安全を享受するのか、それともその監視に異議を突きつけるのか。決して他人事でも過去の話でもない、まさに現在進行形の課題を、観ている者に訴えかける内容です。
自伝的なストーリーでやや退屈かも知れませんが、自分にも関わりのある問題として、考えてみたい作品といえます。
一人でも多くの人がこの現実を知る事が重要。
これだけネット中心の社会になってしまった以上、それを監視する組織がありコントロールされてしまう現実は逃れようがなく、逆にプライバシーを叫ぶ事の方が不毛だと思っています。
劇中でも言われていましたが、第二次大戦後以降、第三次世界大戦が起きないのは、こうしたコントロールがされているからこそだと言う事実も一理ある様に思え、これからの世界がどうなって行くのか途方にくれてしまう内容でもありました。
そんな中、本作では当時のスノーデンの動機がはっきり描かれており、自身の人生を投げうってこの事実を世界に暴露した彼の行動は素晴らしく、まずは一人でも多くの人がこの現実を知る事が重要ではないかと感じました。
爽やかなジョゼフ・ゴードン・レビが見事に低い声までスノーデンになりきり熱演。
4年前初めてスノーデンのニュースを耳にした時から自宅のPCのカメラは塞いでありますw
これが現実に起こっているという恐怖!
スノーデンという名前と,なにか大変な暴露事件だったらしいことぐらいしか知らないまま,本作を鑑賞してきました。それでも,十分に楽しめました。
記者に対してアメリカ政府による個人情報監視の実態を暴露する中で,時間を追ってそこに至るまでの過程を描いていたので,スノーデン事件のあらましがとてもよくわかりました。アメリカ政府の情報管理とスノーデンの苦悩が,緊迫感をもってテンポよく描かれ,最後まで全く飽きませんでした。
でも,見終わった瞬間,「おもしろかった」と感じた自分自身に恐怖しました。国家にとっての要人や危険人物を監視するならまだしも,全国民の個人情報を監視しているという事実,その情報支配が日本にまで及んでいるという事実,そして事実を知らされながらも現実感を抱けない日本国民。考えれば考えるほど恐ろしいです。しかし,いったいどうやって自分の身を守ればいいのでしょう。そんなモヤモヤした思いが残りました。
見応えあり
スノーデンのドキュメンタリー「シチズンフォー」も一応見たけど、ガーディアンの記者の視点の映画なので正直、少しわかりにくかった。それに比べてこっちはドラマなので話が明確でわかりやすい。スノーデンが元々は愛国者で特殊部隊にいたことも知られていないのでは。2時間以上の映画だけど見応えがあって中だるみがなく、映画として面白い。もちろん、社会派映画として非常に恐いメッセージを伝えていて、これと共謀罪がセットになったら政府は何だって出来てしまうのではないか。
スノーデン役がジョセフ・ゴードン=レヴィットとは!上手いこと選んだなあと思ったけど、姿だけでなく声も似せていて、ちゃんと役作りもしていた。一流の俳優なら当たり前か。
相手役シャイリーン・ウッドリーはまだ25歳くらいなのに貫禄あって驚き。50歳くらいにも見えるぞ。他に、ジャーナリスト役のメリッサ・レオもとても自然だし、スポック船長のザカリ―・クイント、そしてとっておきニコラス・ケイジが脇役で出てます。オリバー・ストーンのなせる業か。更に、「パレードへようこそ」のマークが重要な役で出てます。
日本人として、この映画をどう見るべきか
身を挺して、祖国アメリカのために立ち上がった一市民。アメリカの最高機密にまでアクセスすることを許された技術者。諜報活動の一環として、他国・自国の通信を傍受する仕事をしていた。(ハッカーと言うより、シギント・Sigint)
前半は、よくあるUNIXのコマンドの羅列。特になんと言うことは無さそう。
でも一番の注目は、中盤。スノーデンが日本の横田基地に配属された場面。日本政府からはことわられたが、日本国内でシギントをおこなっていたとのこと。それだけではなく、「日本の通信網を支配し、送電網やダム、交通機関などインフラ施設をコントロールする『スリーパー・プログラム』を仕掛けていたという本人の告白場面がある。」との告白の場面。
ウィキリークスでも、日本国内でシギントがおこなわれていたことが暴露されている。
そんな事実からすると、NSAは日本国内で活動をおこなっていたのでしょう。このことを日本人としては、どう受け止めるべきなのか?
厳重な抗議をしたドイツの首相。新聞報道がされても、ニヤニヤしているだけの、日本の政府。
あるインタビューでオリバー・ストーン監督は、こう言っている。「日本は「同盟国」ではなく「人質を取られた国」」と。
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