「選択による人生の岐路。」スノーデン しゅんいちさんの映画レビュー(感想・評価)
選択による人生の岐路。
これは、陰謀論でもなく。
真実の物語。
オリバーストーン監督で、スノーデン本人に対する取材により、映画でしか伝わらない真実がここにあります。
2013年にアメリカ政府を転覆させてしまうほどの情報を世界中に発表し、世界に激震を起こしたエドワード・スノーデン。
あれから4年の月日を経てようやく日本でも公開。
この冬、観るべき作品の1つと思い、映画館に足を運びました。
期待通りの作品でした。
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情報戦争が繰り広げられ各国のスパイ合戦などは冷戦時代の時もなお展開されてたと思います。
もちろん、インターネット全盛期の今だからこその情報もとても重要視されてると思います。
そんな911テロ以降の戦線でCIA局員としてテロ防止のためにも、愛国精神いっぱいの青年はその天才的頭脳を惜しみ無くアメリカのために尽くしていきます。
告発するのは、29歳の時なので
若いと思います。
年収20万ドルに、高級マンション。
素敵な理解ある恋人。
その全てを捨ててでも
告白したその勇気には、映画を観てる我々の背中もそっと押してもらえます。
「独りのように感じるかもしれないが、決して君は一人ではないから信じてほしい」と彼を香港で逃がすために奔走してくれた弁護士が言います。
実際に「独りじゃない」なんて言葉が何の役にも立たないにしても、言ってあげたくなる状況。
アメリカはスノーデンを全力で確保に乗り出します。
昔あったウィル・スミス主演の「エネミーオブアメリカ」をリアルに体験してるスノーデンと密に話を聞いたオリバーストーンの手腕が冴え渡ります。
そして…
これは単なる、告発からの脱出劇だけではなく。。
「恋の物語」でもあります。
スノーデンを陰で支えながらも、仕事の全容を聴けないジレンマ。
悩みながらも剥き出しの愛情をぶつけてくるリンゼイちゃんの物語でもありました。
恋の物語。
国家の陰謀。
逃走劇。
そして、愛国心と真実。
いろんなものが詰まった最高のエンターテイメントに仕上げながらも
きちんと染み渡ってくるその大事なメッセージ。
恐らくは、今のこの瞬間も
この感想文さえも、アメリカ政府により監視されてるに違いない。
しかし…
これを、きっちりと素晴らしい作品に仕上げて、映画館に足を運んで鑑賞できる幸せをありがたく感じます。
スノーデンさん、リンゼイさん。
この二人が、これからも何事もなく幸せに過ごせる時間を沢山持てるように
切に祈ります。
1月に入りホントに、素晴らしい映画に「沈黙」同様巡り会えて感謝です。
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最後に余韻として
「年収20万ドル。約束された人生。素晴らしい恋人。何不自由のない生活。」→これを全部捨てて、国家のやってる事に疑問を感じ、機密情報を暴露して、何もかもを失って逃亡の身になる。
これをわずか、29歳の青年がやってのけた偉業は、僕個人としては称えられるべきだと思いますし、英雄だと思います。
あなたなら、全てを捨てて、自分の正義を貫けますか?
「沈黙」でも似たようなテーマがありました。
(全然、根底にあるものは違いますけどね)
決断、選択の映画ですね。。どちらも!!
オススメです!!
個人的には、是非!!映画館で観てほしい作品です。