64 ロクヨン 前編のレビュー・感想・評価
全280件中、221~240件目を表示
人の死は新聞の切り抜きでも争いの道具でも無い
昭和天皇崩御により、たった七日間で終わりを迎えた昭和64年。
その七日間に起きた未解決の少女誘拐殺害事件・通称“64(ロクヨン)”。
当時の捜査員で、現在は広報部に身を置く警察官・三上を中心に、
“ロクヨン”事件に翻弄される人々、そして事件を巡る警察内部の闘争などを描くサスペンス大作。
原作未読だが、NHKドラマ版は鑑賞していたので大筋は把握済み。
おまけに前後編で公開される大作映画の前編に当たるということで
「筋も知ってて長尺だと途中退屈するかも」なんて思っていたが……
杞憂も杞憂でした。
重厚でありながらも鈍重にはならず全く中弛み無し。
濃密な人間ドラマとサスペンスによって、最後の最後まで
スクリーンに釘付けにされる、見応え十分な作品だった。
.
.
.
若手からベテランまで超豪華なキャストが揃った本作だが、皆、堅実で良い演技を見せている。
娘と夫を想う夏川結衣の健気な笑い顔、滝藤賢一の振り切った外道っぷり、
永瀬正敏の燃え尽きたような目、瑛太の蔑みきった目、上司を想う綾野剛の根性、
お飾りにはならないという榮倉奈々の決意、日の光を浴びる窪田正孝の慟哭、
印象的な演技はいくつもあった。しかしながら、
主演を務める佐藤浩市はさすがの存在感・安定感。
終始自分を押し殺すような重い表情が崩れる瞬間が素晴らしい。
被害者宅の仏間で思いがけず狼狽える場面や酔いながら心情を吐露する場面ではこちらまで
泣きそうになってしまったし、終盤である決意を固めてからの僅かに和らいだ表情も見事!
.
.
.
「雨宮さんはまだ、昭和64年のあのたった七日間に取り残されている」
あの印象的な台詞。
永瀬正敏演じる雨宮、佐藤浩市演じる三上をはじめ、数多くの人物が
“64(ロクヨン)”事件が起きた昭和64年1月から抜け出せないままでいる。
たったひとつの事件、たったひとりの死。
世間がいつか忘れてしまっても、事件に関わった者達は決して忘れられない。
そのたったひとりを救えなかった、自分のせいで救えなかったという後悔が、
事件に関わった多くの人間に長い永い責め苦を強いている。
その一方で繰り広げられる醜い闘争劇。
組織の目的に利用され、そして個々人の職務や保身の意識に翻弄され、
蔑(ないがし)ろにされてしまう被害者たち・加害者たちの人間像。
1人の人間が死んでしまう、消えてしまうということの重みを、誰も彼もが忘れてしまってはいないか。
人の死は権力争いの道具でもなければ新聞の切り抜きでもない。
それを忘れてしまってはいないか。
終盤、記者たちの前に、刑事としてではなく1人の人間として立つ三上。
彼は「手前が可愛いだけ」だった自分を悔い、「他人のことを自分のことのように
考える人だった」という、かつての誇り高い自分を取り戻そうとしている。
.
.
.
後編、
三上は更に複雑化する刑務部と警察部の権力争い、そして記者クラブの猛攻撃に板挟みとなるが、
果たして彼は取り戻しかけた自分の道を守り通すことができるのか。
そして未だ残る数多くの謎。
上層部がひた隠しにする“幸田メモ”とは?
再び発生した誘拐事件と“ロクヨン”事件との繋がりは?
そして、全ての根幹である“ロクヨン”事件の犯人は明らかになるのか?
NHK版で結末を知っている身からすれば、実はすでに数多くの伏線が散りばめられている。
ぐああ、もし記憶を消せるのなら、真相に関する記憶を消してもらいたい。
結末を観て鳥肌が総毛立ったサスペンスドラマは久々だったから。
まだ前編なので最終的な評価はお預けだが、今のところ、判定4.0~5.0で揺れている。
監督の前作の出来がだいぶ不味かっただけに若干不安視していたのだが(失礼)、なんのなんの、
サスペンスとしても人間ドラマとしてもガッシリとした見応えで、ものすごく面白かった。
やあ、今から後編が待ちきれない。
<2016.05.07鑑賞>
ダントツ、滝藤さん
全体として、スキがなく、なので正味1時間位の上映に思える。カラー、風の赴き、臨場感、素晴らしい!
主役の方も、さすが!です。滝藤さん、永瀬さん、吉岡さんが、本当に良い、ストーリー自体、誰を中心に持ってきても面白いですものね(誘拐事件で面白いは、ないか)
後編の前売りチケット、早く使いたいよー
前編だけだと評価出来ません。 映画として映画館で上映するからには、...
前編だけだと評価出来ません。
映画として映画館で上映するからには、話しを一区切りつけて貰いたいですね。
ストーリーは原作通り。後編が早く観たいです。
引き込まれる
各部署であー、この人ね、刑事部長は?あーこの人、日本中の旬の俳優集めたね。内容はもう忘れてたりして進行と共になぞられ思い出したり。テレビで弟がやってた秋山を瑛太がやってたり、面白い。競演だね。後編も楽しみ。ピエールさんの方がリアルだったな。
後編が観たい‼
半落ち、クライマーズハイが好きなので、期待して観に行きました。すごく良いところで終わり、後編がめっちゃ気になります。6月に後編公開だったら、その時に前編もまだ結構やってると思うので、一気に観た方が良いかもしれません。
豪華キャストが話題ですが、日本映画の大作は昔からですね。高倉健さんの映画も健さんが大きすぎるのであんまり言われないですが、充分、豪華スター競演です。64ももうそれに似てて、佐藤浩市さんの映画です。浩市さんの演技は凄かったです。
あと、昨年のKANOとあん以来気になる永瀬正敏さんの後半の静かな感じも好きでした。
とにかく星付けましたが、後編が全てです。それくらい後編の序章的映画になってます。後編に期待!
泥臭い人間ドラマに引き込まれた。。。
先週は、豪華キャストのゴキブリ退治に失笑してしまいましたが・・・
この作品はそれをも凌駕する日本を代表する新旧豪華俳優陣の共演!
しかも主演の佐藤さんだけでなく全ての名のある俳優さんが、各々の役者魂の鋭いエッジを効かせての対話に引き込まれて、マジに記者クラブの面々にムカつきます〜笑
一つの事件をきっかけに狂った人生が、時を経て再び交差して行く序章を観てしまったからには・・・早く後編が観たい!!!
エンディングの小田さんの歌声も沁みます〜☆4.6
事件そのものにはあまり触れず
ほとんど進展なし普段触れることのない記者クラブや広報官のごたごたやプライベートの話でばかり しかし後編は通常の刑事ドラマの様相前編を観た人の大半は後編も観たくなる様な展開 期待したい!
ドラマとガップリ四つがグッド
これは、原作未読でドラマ視聴。
ドラマがすこぶる良かったので期待を持っての観賞である。
さて前編の感想は、ドラマのどこをカットしたのか気付かないほど編集が見事である。
最近多い前後編二部作パターンの本作であるが、この内容を二時間強で収めては勿体ないのでじっくり時間をかけて描いて欲しい作品である。
恐らく、原作もドラマも見てない人は、前編観賞後は一体この話はどう決着するのかさっぱりわからないと思う。
通称「64」の誘拐殺人事件、警察内部抗争、警察と記者の軋轢、新たな事件。
ドラマでは、この4つが見事に絡み合あって一本のストーリーになる。
また、ドラマを見た人は前編の中に数々の伏線があって楽しめたのではないだろうか。
さらに、配役での見所は新聞記者のリーダー役がドラマでは永山絢斗さん、映画は瑛大さん。
実の兄弟で同じ秋川記者役を演じている。
作品に無くてはならない嫌な奴で物語を盛り上げている点が興味深い。
ただ完成度の高いドラマに対抗するために結末を姑息なオリジナルストーリーにならない事を切に願いたい。
原作が素晴らしいので配役を代えるだけで映画前編は、ドラマとは違った魅力を打ち出せているのでその必要はまったくない。
前編が終わって結末を知らない人はイライラするが来月の後編を是非楽しみにしてもらいたい。
後編が楽しみ
それぞれのキャストの良さがよくでていてる映画だった。予告編でキャストは豪華なのは知っていたが、それぞれがみんな流石という演技力で見入ってしまった。
瑛太が思っていたよりもおいしい役で佐藤浩一との掛け合いも熱があり、ハラハラする分リアルな雰囲気を味わえるため楽しかった。
後編に続かせるやり方も上手いと思った。
ただ怒鳴るシーンが多いため聞き取れないところも少しあって惜しいなと感じた笑
親子3人で。感想様々……
母と父と3人で鑑賞。
私……ドラマも原作も知らず、初めての鑑賞。メッチャ泣いてしまいました。嗚咽を堪えるのに必死なほど……
母……「NHKとほとんど同じだね……あんまNHK覚えてないけど。ってかなんで泣いてるの!?えっ泣くとこあった?」
父……「ドラマも原作も知らんけどまあ面白かった あとは後編見らんとなんとも言えんな。っていうか泣くようなところなかっただろう」
えっ、いや逆に泣かなかったの⁉︎
娘がいなくなる話ですけど…親として…笑
隣の女の子も号泣してたんだけど。すすり泣く声も少ししてたよね。
あれ…
後編が楽しみ。
ネタばれを含みます。原作、ドラマを知らずに映画を楽しまれるかたは、後編までごらんになってからお読みください。
このミステリーがすごい!でベストワンになった横山秀夫の原作を、瀬々敬久監督が映画化。彼のキャリアベストになる傑作である。
昭和64年の誘拐殺人事件を回想でなく描いたのは英断であった。間違いなく後編に生きる構成であろう。
この事件の現場に刑事部の浮沈のかかった事案に関わる人物が全員そろっていたのだから、回想で追うだけなのとはわけが違う。
警察広報と記者クラブの対立が、前編の柱になっていて、そのなかで、刑事部と警務部の暗闘も描かれる。
このあたりの組織の構図は、僕が原作も読んだしドラマも観たので、わかりやすく見えたのかもしれないが、それを差し引いてもわかりやすくなっている。
ドラマのときもそうだったが、伏線があからさまに敷かれている。原作でもあったのかもしれないが、三上(佐藤浩市)が雨宮(永瀬正敏)の家に二度目に訪れたとき、雨宮がさりげにあるものを隠すようにおしやる。
三上の家にかかってきた無言電話。実は村越(鶴田真由)、松岡(三浦友和)、それから美雲(榮倉奈々)の実家にもかかっていて、だからあの無言電話が娘からのものとは限らない、となる。原作では、交通事故死した銘川老人の家にもかかってきたことになっている。
原作やドラマを知らない人はこれに気づくのだろうか。
こういうトリッキーな部分はさておき、終盤の三上の記者クラブへの発表には、なぜか目頭が熱くなった。広報室の連中の思いも、もちろん三上自身の思いも、理屈でなく胸を熱くした。
結末は、原作と違うそうなので、どうなっているか。
横山秀夫の警察小説初の映画化は、前編を観る限り、大成功である。
ごたごた
原作未読、NHK版未観。
殆んどが64事件とは直接的には関係ないであろう警察と記者クラブとのごたごた劇という内容。
これはこれでまあ悪くはないのだけれど少し長く、事件当時と14年後最初に三上と再開した時の雨宮のリアクションや記者達のバカ過ぎるリアクションの演出が不自然に過剰でちょっと残念。後編に期待したい。
長いから分けているだけの前後編なのだから、もったいつけた過剰な引っ張り演出部分を切って1本の作品にするか、前後編一気に封切りして欲しいものだ。
全280件中、221~240件目を表示