「【1950年代の禁断の恋を、気品溢れる衣装、意匠で描き出した品性高き映画。】」キャロル NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【1950年代の禁断の恋を、気品溢れる衣装、意匠で描き出した品性高き映画。】
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エレガントで美しいキャロル・エガード(ケイト・ブランシェット:富裕で品性高き貴婦人を演じたら、右に出るものなし。)はある日、娘リンディへのクリスマスプレゼントを買いにデパートの玩具売り場へ足を運ぶ。
そこでテレーズ・ベルベット(ルーニー・マーラ:透き通るような透明感は圧倒的。)と出会う。
キャロルは夫ハージ(カイル・チャンドラー)と別居中で、愛する娘の親権を争っている。そのような状況の中、出会った無垢な娘テレーズに惹かれていく様を実に自然に演じるケイト。
又、ケイトに憧れの視線を送っていたテレーズも自然に彼女の想いを受け入れていく。
但し、描かれる様は二人の”プラトニック・ラブ”といっても良い程の清らかな関係性である。
今作のテーマは往々にして哀しい結末になることが多いが、今作では二人の将来の明るさを観る側に予想させるところが良い。
劇中の二人の衣裳(特に、キャロルに触発され、徐々に洗練された服装を身に着けていくテレーズの姿が良い)、当時の意匠なども眼福である。
<それにしても、今作の原作執筆者があの”パトリシア・ハイスミス”であったという事実には驚愕した。(実際、今作は当初別名義”クレア・モーガン”で出版されたそうである。)
パトリシア・ハイスミスは小学生の頃から好きな作家だが(それが、異常かもしれない・・)、今でいう”イヤミス”の元祖でしょう?。それが、捻りは充分あるが、こんな純愛小説を”見知らぬ乗客”発表直後、完成させていた事実にも驚いた作品。>
<2016年4月1日 劇場にて鑑賞>
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