劇場公開日 2015年5月23日

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「細かな社会設定と無理矢理ストーリー」チャッピー れーいさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5細かな社会設定と無理矢理ストーリー

2015年11月25日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

悲しい

興奮

第9地区がアフリカ版ET(?)だとしたら、チャッピーはアフリカ版ロボコップ。
映像、ロボット造形、ブラックユーモア、残酷描写まで、バーホーベン版ロボコップへのオマージュがいい感じで活きてる印象。
考えてみれば、入り出しのニュースやドキュメンタリー風映像を使った設定の説明部分は第9地区の時もまんまバーホーベンっぽかったものね。

兵器としてのロボットの役割や、機密保持の為の保管方法、廃棄時の保険やら手続き云々の部分まで、変なこだわりのある細かな設定が可笑しい。
設定にそこまでこだわったのに、何故だか登場人物達の行動が、ストーリーに合わせる為に無理矢理動いてる印象があり、リアルなような現実的でないような、何だか変な気分にさせられる。
とは言え、コメディ色も強いので、大味なアクション映画として考えれば、それくらいはご愛敬で済ませれるレベルなのでご安心下さい。

この映画の合う合わないが別れるのは、ストーリー中盤にある。チャッピーがとても可哀想な描写。
例えば、フランダースの犬だったり、家なき子(海外作家の児童書)などにあるような、とても可哀想な悲痛なシーンがあるので、人によっては心苦しい思いをします。

映画全体的な総評としては、
中だるみもなく、キレキレの映像と、クールな音楽、笑えるキャラ達、何よりギャング式に可愛いチャッピーと、全体的にかなりの良作。
細かい部分での残念な所は、
捻ろうとして、無理矢理な感じになってしまったストーリーと、日本版の残酷描写を削るために出来てしまった一部だけ間の悪い編集。個人的にはそれくらいです。

色々書きましたが、これを観て皆でギャング式な歩き方をしましょうって感じです。はい。

れーい