「小さくずっと心に残ってしまう」湿地 白波さんの映画レビュー(感想・評価)
小さくずっと心に残ってしまう
冒頭の娘の化粧で心臓を掴まれたようだった。それは余りに呆気なく無情。
タイトルにあるように陰鬱な色使いの街に空、それらで構成された物語です。
主役の刑事イングヴァール・シーグルソンがやたら格好良くて、特に目力がすごい。
そしてとてもクセが強く、何かに触れるたび口をつく「悪党から私を守り給え」が頭にこびりつきます。
ずっと不穏な空気のままゆっくりと進むのですが、クライマックスに向かうスピード感がすごかった。
物語の核となるどうしようもない負の連鎖、それをなくす為というのがあまりにも悲しすぎました。
何だかもう少しだけ物語に救いが欲しかったかな。でもとても見応えはあります。
服に染みがついた様に、小さくずっと心に残ってしまうような作品でした。
コメントする