マイ・インターンのレビュー・感想・評価
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映画館で見てよかた
隣の席の女性(ひとりで見に来ていて、ポップコーンを食べながら見ている)が途中ですすり泣きをはじめた。アン・ハサウェイが夫の浮気に苦悩し、ロバート・デ・ニーロに訴えるシーン。えっ、でも、この映画って、そういう映画? 泣くための映画?
びっくりしたなあ。
そのあともアン・ハサウェイの感情の起伏に合わせて泣いている。
うーん、この映画はキャリアを築いた女性の恋愛苦悩映画だったのか、と私は考え込んでしまった。
もし、そうなのだとすると、これはかなり手の込んだ「恋愛」である。アン・ハサウェイは結婚していて、こども(娘)がいる。彼女自身は誰か新しい男を好きになる、というわけではない。専業主夫(育メン?)をやっている夫が浮気をする。そのことに苦しむのであって、彼女自身が誰かを好きになって苦悩するのではない。自分のなかの、抑えきれないときめき(感情)に、自分を見失うわけではない。
こういうときでも、やはり「恋愛」なのだろうか。女の恋愛は、いま、好きな男を獲得するということがテーマではなく、好きな男をどこまで自分につなぎとめておくか、ということがテーマになったのか。
ほおおっ、と思った。
で、これが「仕事」とパラレルになっている。
アン・ハサウェイは自分でアパレルの仕事をはじめ、企業にまで育てた。拡大のスピードが速すぎて、もう彼女だけでは経営を把握しきれない。そこでCEOを雇い入れることにする。雇い入れるといってもCEOがくれば、彼女がその指揮下に入ってしまう。簡単に言うと「部下」になってしまう。これは、ようするに好きな仕事(恋人)を他人に奪われること、「失恋」に似ている。夫の浮気は、夫が恋をしたのか、相手の女が夫を奪ったのか、まあ、どっちでもいいが、夫が他人のものになるという点で、CEOとアン・ハサウェイが築き上げた会社の関係に似ている。
こういうこと、つまり、自分が築いてきた会社をだれかに乗っ取られる(?)という苦悩は、これまでは男社会のものであった。それが女の起業家の問題になるくらいにまで女性の社会進出が進んだということを、この映画は「恋愛」と重ね合わせる形で描いているのである。
隣の女が泣かなかったら、このことに私は気がつかなかっただろうなあ。単なるコメディーと思って映画を見つづけただろうなあ。
ロバート・デ・ニーロがもういちど会社で働いてみる気持ちになる。自分よりはるかに若い世代といっしょに働き、とまどい、そこに「笑い」が生まれる。その「笑い」をロバート・デ・ニーロがさまざまな表情で彩って見せる。そこにもし恋愛がからんでくるとしても、ロバート・デ・ニーロをアン・ハサウェイが好きになる、というようなことだと想像していた。
ところがねえ。映画はもっともっと「現実的」。70歳(ほんとうはもっと年を取っている?)のアン・ハサウェイに30代のアン・ハサウェイは恋などしない。ロバート・デ・ニーロにはレネ・ルッソという、それなりに年をとった女が恋をする。レネ・ルッソを登場させ(しかもセックスまで匂わせ)、アン・ハサウェイの「恋」なんか、最初から封じ込めている。
これは、これは……。
ロバート・デ・ニーロが出るから「古くさい」映画だとばかり思っていたが、(実際、ロバート・デ・ニーロの見せる表情の百変化は「古い」のだが)、これはこれまでのハリウッド映画の「定型」を壊したところで動いている。
まったく新しい映画なのだ。
マンハッタンではなく、いま急激に変化しているブルックリンを舞台にしているのも、「新しさ」を描くには重要なことなのだろう。
それにしても。
もし、映画館で見なかったら、つまり隣に若い女が座り、その女がアン・ハサウェイの感情の動きに合わせて泣かなかったら、このことに私は気がつかなかっただろうなあ。アン・ハサウェイはわたしの好きな女優ではないし、ロバート・デ・ニーロは嬉々として演じているが、その表情には新しいものがあるわけではないし、せいぜいが★2個の映画である。
でも、映画館で見て、あ、そうなのか、と気づかされた。他人の見方に反応して、私自身の見方が変わってしまった。映画館で映画を見る楽しみは、こんなところにもある。
ハンカチを持った紳士が素敵な、観賞後ほんのり幸せな気分になれる作品
社会的に成功した女性の喜びと苦悩をテーマにした作品だけど、主人公に感情移入してもさほどストレスなく観ることができる、気晴らしに良い作品だった。
アン・ハサウェイのあの愛嬌のある顔と、一生懸命なキャラクターがワンマン社長の"ジュラード"を憎めない可愛いキャラクターにしていたし、ロバート・デ・ニーロの"ベン"は文句なしに素敵なキャラクターだった。このまっすぐで温かな"ベン"によって少しずつ変わっていく"ジュラード"をみることに喜びを覚える作品で、最後に2人が並んで太極拳をしているシーンではある種の達成感を得られた。
その間のいざこざは割と早急に片付けられた感が否めないけれども、それがこの作品では功を奏していて、テンポよく最後まで飽きずに観ることができた気がする。
また、注目していた衣装だけれど"ジュラード"の細すぎない現実的な体型、着回しによって確かに『プラダを着た悪魔』よりもぐっと身近に感じられるファッションだけれど、個人的にはあまりときめかなかった。
…オフィシャルには『プラダを着た悪魔』の続編ではないようだけれど、"アンドレア"が出世していったらこうなっていたんだろうな、と想像できるストーリーでまた『プラダを着た悪魔』を観たくなる。
めっちゃ良かった!!
ワークライフバランス
観る前から良いとわかるキャスティング。観賞中も、大御所感を一切出さず終始控えめで年の功をひけらかさないベン役のロバートデニーロと、社長・妻・母としてバリバリというより自然体で様々な葛藤を見せるジュールズ役のアンハサウェイの演技にとても好感が持てた。
映画そのものは場面も登場人物も少なく、低コストで感情移入に重きを置いている。最近悩んでる人すごく多いだろうし、内輪で1本作ろっか!という空気感。安心して見ていられる。
内容は、自立した20代以上の女性なら誰しも考える、キャリアと家庭の両立のバランス感覚の難しさ。
わかるわかる!が沢山ある。奮闘=すんごく疲れるって事も忘れずに表現されていて、隙あらば社長でも妻でも母でもなく人間として爆睡するシーンが微笑ましかった。
仕事も家庭も頑張るゆえに、仕事のせいで家庭がこじれるワークライフバランスの矛盾しやすいもどかしさには、精神的な理解者と物理的な支援者両方が必要という結論になるのだろうか。上司がベンのように理解してくれる事はあっても、物理的に、実家の支援もない場合は、夫の協力が不可欠と読み取れた。主夫は極端にしても。
ベンとフィオナはベテラン社会人なだけあり、ワークライフバランスのお手本を若者に示すような生活ぶりかつ、質の高いお仕事。結婚育児まっさかりの女性がそれを取り入れるのは非常に難しいものの、ピークを過ぎたらこうなりたいなと思った。
快晴!!
すごいと思った
成功を収めた豊かなコミュニティーの普通のお話しです。特別な深みなどもほとんどありません。見終わった後は、ほとんどのことを忘れてしまう気がします。
しかし、なんかすっごく面白くて、久々時間なんか気にすることなく、あっという間に終わってしまったなぁという印象。
その昔、映画「雨に唄えば」を見て純粋に面白いなッ!という記憶が蘇りました。この映画も、ストーリーと展開こそまったく違えど、目指しているところは一緒なんだなと思いました。エンタ超大国の恐るべき実力を思い知らされました。
正直な話、ロバート・デ・ニーロとアン・ハサウェイ、(あと子役)以外は本当に脇の脇でしかないような映画なんですけれど、この2役(と0.5役)がなんと強力なことなのか!絶対的エースと不動の四番がいて、その実力をみんなが信じ切って一つの目標に向かって突き進んで、ついに大きな勝ちをつかみ取った、といったところでしょうか。
2009年の81回目のオスカーでヒュー・ジャックマンと共に歌って踊ったアン・ハサウェイに共感して以来、好きな女優の一人となっています。よくもまぁあんな白々しい演出をさらりと自然に格好良く演じきって、見ているものに大きな感動を与えることができたものだと、ただただ感心するばかりだったなー
そして泣く子も黙るようなデニーロはというと、キャリアから比べたら非常に軽い演技をこなしていた印象で、見事に映画の中になじんでいました。デニーロという人は、どの映画でも、なんか画面の中に見事に染まっている印象なんだよな—
絶対に見なければならない、というわけでもない、清く正しき映画です。自分がどんな姿勢で見ていようが、隣や前や後の人間が何を食べて何を話していようが気にならないくらいあっという間に時間が過ぎ去っていくことでしょう。そして見た後はすぐに忘れ、一回切りの満足感を得られることでしょう。
キャストは素晴らしい
全体的にオシャレな感じだし、キャストの演技も素晴らしかった。 しか...
R・デニーロの押し付けない潤滑油っぷり
2015/10/13、イオンシネマ港北ニュータウンで鑑賞。
会社に1人こういう人がいると業務はうまく回るんだろうなあ。
アン・ハサウェイ演じる若手女社長はけしてキツキツ社長という感じではないが、立ち上げた事業が急成長して、業務が爆発的に増えて部下も上手く使えておらず限界に来てるんだけど、本人はそれほど危機感を感じておらず、自分の能力で乗り切れると思っている。
そうして仕事に集中するあまり、専業主夫の夫とも亀裂が走っていることにも気付いていない。
そんな中、ロバート・デニーロ演じるシニアインターンが直属の部下として配属される。未経験のお爺さんを部下として付けられて迷惑していた彼女だが、段々あらわになってくる仕事や家庭の危機を彼の優しさや機転に助けられながら乗り切っていく。彼に対する社長の態度が評価が変わるにつれ変化していくのが面白い。
ふとしたことから、女社長に頼まれて女社長の母親の家に忍び込む羽目になったくだりは笑ったw
ロバート・デニーロの押し付けがましくなく、自然でユーモアも交えた優しさというか懐の深さを感じさせる老紳士っぷりが見ていてとても心地よかった。
デ・ニーロ カッコイイ!
『仕事とは何か?』を問いかます。
最近のハリウッド作品には珍しく、撮影は綺麗で丁寧に撮られており、
時間もゆっくりと流れていきます。
上品で、私は、この手の作品は、大好きです!
お薦めです!!
有体に言ってしまえば、「働く女性」と、情熱を失っていない「高齢者」を
応援する作品ですが、
「仕事とは何か?」を問いかけてもいます。
とかく、仕事と家庭を両立する生き方を、称賛する作品が多く
そのバランスを失った社会人を否定する傾向にあります。
しかしながら、
仕事に情熱を燃やし、必死に頑張り、その道のプロとなり、
結果として、家庭を壊してしまったり、離婚したり、
はたまた、結婚できずに一生独身でも、
そんな生き方を否定しない、
むしろ、受け入れ、評価してあげる社会であって欲しい
と思いました。。。
Michi
70代のデニーロに驚き!
ロバートデニーロ。。。ゴッドファーザー2、ディアハンターにおける彼の鋭い眼光が。なんと、穏やかな暖かい目で柔らかくまわりを包み込む70代のインターン役。
70年代の彼を知っているファンにとっては仰天。
終始穏やかに語る彼と少し気性の激しいアンハサウェイのやり取りに引き込まれました。
劇場には10代、20代の若い方がたくさんいらしてましたが、デニーロの若い時代は知らない世代だろうな。
この映画で初めて彼を知った人もいるでしょう。デニーロの優しく人を思う演技はそんな彼らのハートも掴んだと思います。
アンハサウェイも熱演。特にホテルでデニーロと感情的に語る際に胸元が赤く染まった。激情に身体が反応しているのがよく分かる。あのシーンで彼女は完全に役になりきった。
どちらが浮くでも沈むでもなく2大スターは息はぴったり。
そして、ストーリーは暖かいく最初からエンディングまで、見入ってしまいました。
オーシャンズ12のパロディーも爆笑。
穏やかに時間が過ぎる良質な映画です。
劇場を出る時には心が暖かくなっていました。
ちなみに日曜日、月曜日と2日連続で観ました。
お薦めの映画です。
最高の予定調和
さすがロバートデニーロ
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