ブラック・スキャンダルのレビュー・感想・評価
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実在の凶悪犯罪者を、堅実に描き切っている。
ボストン南部に実在したギャングのリーダー、ジェームズ(ジミー)・ジョセフ・「ホワイティ」・バルジャーを描いた犯罪ドラマ。ジミーは、旧知のFBI捜査官ジョン・コノリーを取り込み、凶悪犯罪を重ねていく。
とにかく、ジョニー・デップの特筆すべき存在感に尽きる映画だ。凶悪犯罪者を、実に冷酷で非情に演じ切っている。ジョニー・デップ自身のキャリアでも、最高の演技の1つだ。
同じ人物をモデルにした映画に『ディパーテッド』がある。あちらのほうが大胆で、ダイナミックで、ドラマティックだ。しかし本作も、非常に手堅く堅実に、物語をしっかりと書き込んだ映画だ。
海外では、『グッドフェローズ』みたいだという指摘もあった。十数年の逃亡生活に、触れてないことへの不満もあった。だが、衝撃的な人物の歩みを、実直にストレートに描いた犯罪ドラマだと思う。
繰り返し
コナリーとジミーがお互い協力していこうと決まった後からは、ジミーが敵味方問わず殺しまくりつつ、コナリーがFBI内でひたすらジミーを庇いまくることを繰り返すばかりといった印象。こういうギャング・マフィア映画はそういうものだと言われれば終いだけど。
俳優としての ジョニー・デップに凍りついた。
ジョニー・デップの演技は
実在の人物、その人になりきる事。
その冷酷さ、凄まじさは必見。
登場人物のほぼ全てが悪い奴。
冷酷な犯罪が進めば進むほど
仲間の中の何かが崩れていく。
そうそうたる面々の俳優が出ているが
ジョニー・デップに焦点が行き過ぎ
他者は霞んでしまったのは残念。
※
アイリッシュ系マフィアの実録もの
NYのイタリア系マフィア、ゴッドファーザーとは毛色の変わったギャングの内幕もの。1980年ごろのボストンのアイリッシュ系ギャングのホワイティことジェームズ・ジョセフ・バルジャーの犯罪を描く社会派映画、ポイントは幼馴染のFBI捜査官ジョン・コノリーが深く関与していたことでしょう。
ホワイティを演じるジョニー・デップが並々ならぬ力の入れ様、特殊メークで本人に似せている。(写真を観る限りではブルース・ウィルスの方が似ている感じでした)
熱演だが、冷酷無比な殺人鬼の家庭人としての一面を見せられても同情なんてできません、特に口封じの為に女を殺すシーンは反吐がでる、永い逃亡の後逮捕、刑務所内で昔の敵のマフィアの殺し屋に撲殺されたというから因果応報ですかね・・。
2時間越えの長尺ですが俳優陣の熱演と実話ベースと言うリアリティに惹かれ退屈せずに観終わりました。
知らない人の話だからなぁ・・・
実在したギャングの半生を・・・
と、言われると、スコセッシ映画を
思い出さざるを得ない。
比べてはいけないとは思いつつ、
比べなくてはこの映画を評価できない。
すると、映画的にスコセッシのそれの方が
やはり何倍も面白い。
スコセッシのどこが面白いのかは
また別の機会にでも・・・。
いや、ディテールはよくできてるし、
俳優陣も見ごたえある。
実在の人物なので全体的に
抑えた演出なのも効果的。
しかしだ。
この「抑えた演出」が”映画”を
面白くなくしている。
日本の知っている偉人や、
名前しか知らない半生だったら、
このドキュメンタリータッチも効果的だ。
でも、外国の知らない人の
しかもマフィアだしなぁ。
面白いはずがないんだよなぁ。
という残念が映画でした。
デップ選手の怪演だけが見どころ
色んな人が入れ替わり立ち代わり出てきてはバンバン殺されて、誰と誰がどういう関係なのかよくわかりません。大筋はわかりますが。
実録ですが、冗長で見せ場もないしメリハリが効いていないので結構退屈です。
演出が一本調子なせいでしょう。
有名なアイリッシュマフィアの話
逮捕後16年逃亡し
映画公開後の2018年に獄中で撲殺された。
実在するとんでもない人生
ジョニーデップはフェイク、ブロウ、ラムダイアリーなど昔から実在した人を演じることが多い。
今回はちょっと本人に寄せようとし過ぎて
違和感があったのは残念。
でも途中から演技力なのかな?冷酷さや本人の醸す雰囲気から気にならなくなっていく。
ジョニーデップ以外の配役はとても素晴らしく
ばっちり合っていた。
実話ものによくある盛り上がりの薄さとかは
あまり感じられないし、
アメリカンギャングスターでも感じたが
警察や政治家などだいぶエゲツないことしてたんだなと
多分日本も同じようなもんだったと思う。
悪くはない、すげー良かったとは思わないけど
こんな人生の人がいたんだってとこに興奮する映画です。
まー仁義の墓場平成版の岸谷五朗くらいバッチリ合ってればもっと良かったかな。
ジョニーデップが実在の犯罪王ジェームズバルジャーを演じた本作。 ス...
ジョニーデップが実在の犯罪王ジェームズバルジャーを演じた本作。
ストーリーとしてはギャング、FBI、政治家のアメリカを揺るがした癒着事件をバルジャーの手下の証言から描いていくといったもので、これが実際に起こった出来事であることに驚かされた。史実ということもあり大きな盛り上がりも無く、淡々と進む本作だが、とにかくジョニーデップのどこでスイッチが入るかわからない危なっかしい唯ならぬ存在感によって映画全体を締めていたように思う。脇を固める俳優陣も豪華でとても気の抜けない映画だった。
実話なのかー!
綾野剛の「日本で一番悪い奴ら」や「ゴッド・ファーザー」を思い出したけれど、ジミー自身が殺人をしちゃうのは規模か小さいというか、地元のチンピラっぽいかなと思った。でも弟は上院議員。FBIの幼なじみとは情報交換関係。
幼なじみ同士の決して裏切らない繋がり、弟への深い愛、家族や隣人への愛と優しさも半端ない。地元サウシーに根づいた義理と人情の中で悲しいことも積み重なって恐ろしい存在になってしまった。デップのヘアメイクも演技も悪くなかったのに映画自体に重厚さが欠けていたのはなぜなんだろう?今ひとつ響かなかった。
Cumberbatchは適役だった。もう少し兄との絡みが見たかったし、そういう兄がいるのに州議員になったり大学総長になれた経緯などはもっと知りたかった。
仕事とプライベートの線引きは大事って話。
実在したマフィアを演じたジョニーデップ。
エンドロールに流れる映像と本編の役者達の見た目がそっくりなのに驚いた。
気になって調べたら、2016年に逮捕されたジミーは獄中で殺されて亡くなったそうです。
いろんな方面から命を狙われていたから、獄中死にも陰謀めいたものを感じてしまう。
ノンフィクション映画として知られる今作。
実際のジミー本人は今作に賛同していなかったそうなので、ジョニーからの面会も断っていたみたい。
防犯ビデオや逮捕時の映像、少ない音声証拠から人物像を練り上げていったらしい。
実際の人物を知る人からは「あんなに怖い人じゃない」と言われるまで仕上がったジョニー。
禿げててもかっこいいんだよな。
人から離れた存在になる程輝く俳優だと思う。
ストーリーはマフィアものだからと言って、何か大きな事件がある訳ではなく。
FBIと情報協力者の関係になってから好き放題するマフィアの話でした。
存在が大きくなるに連れて、人間から離れていく心理状態を映し出したのは見事。
FBIとかCIAとか、絶対表沙汰にはできないコネはあるだろうけど、良い方に利用できるか、悪い方に利用されるかなんて紙一重なんだよね。
仕事の話を持ちかけなければ、我関せずの弟のように友達のままでいられたのか。
なんとも言えない歯切れの悪さが残りました。
こういうジョニー久しぶり
目線ひとつでゾクッとさせられる、こういうジョニーやっぱり好き。
だけど……ちょっと眠い。
単調すぎたのかなぁ。
編集のせいかなぁ。
役者たちはそれぞれいいんだけど。
設定は面白いのに、ずっとトーンをおさえめにしてるせいか、いまいち入り込めず。
仕事終わりで夜中に見るならオデッセイにしておくべきだったかな。
それにしても、兄がギャングのボスなのわかってるのに弟が上院議員になれるってすごいな。
実際に起きたFBI史上最大の汚職事件
を元に作られた映画。本作の内容ほぼ全てが実話だという事に衝撃を受けました。リアリティある部分が面白く観てられました。
巾を広げた怪演
2016年2月鑑賞
実は監督としてのスコット・クーパーは初めてなんです。
ただ「クレイジーハート」が評判良かったような記憶があったので、そういった面でもちょっと楽しみでした。
まずその豪華なキャストもそうですが、何よりデップのビジュアルでしょう。
テリーギリアムの「ラスベガス」以来でしょうか?ハゲています。
今回も抜いたのかなぁ、怖いなぁ…とか余計な心配をしてしまいます。
本作はビン・ラディンに次ぐ重要指名手配犯とされた、実在のギャングの半生を描いたクライムムービー。
キービジュアルにあるように3人の思惑が絡み合って物語は進みます。
とにかくデップが凄い。冷徹なギャングを見事に演じ切っています。
今迄と明らかに空気の違うその様は怪演と言っていいでしょう。
作品はドキュメントを意識しているのか結構淡々とした作りなのですが、これが逆に良い緊張感が出ていました。デップの怖さが引き立つんですね。
ただ演出面、特に音楽の入れ方がベタすぎて、次の展開が見えてしまうのは残念でした。
またドキュメント寄りにした為か物語は平坦なんですね。
でもエンターテイメントに寄せないその作りは、とても丁寧で好感がもてます。
同じデップ主演のクライムムービー(こちらも実話ベース)、テッドデミの「ブロウ」とは逆ですね。
でもこれも良い作品ですので、その演技を比べながら観るのも面白いと思います。
そんな本作の魅力はなんといってもデップの密な演技でしょう。
後半は特にデップ中心に話が進むので、ファンには特に見所が多いと思います。
彼の役者の巾を広げた怪演だけでも、実に観る価値があると思いますよ。
なんやかんやで見てしまう
金銭欲とか出世欲とか、強欲さが身を滅ぼすって話かと思えばそうではなく。
固い絆と熱い裏切りを描くかと思えばそうでもなく。
エンタメ性の高い題材をクールにまとめようとしたら、素っ気なくなっちゃいました。みたいな。
生い立ちとか上院議員の絡みとか、もっと面白くもできたと思うけど、そこは「あえて」なんでしょうねえ。
実話ベースの寒々としたギャングの世界
1970年〜1980年代の南ボストンが舞台のギャング映画。
ベネディクト・カンバーバッチが出演しているということで、映画の前情報など、内容も知らずに観賞。『裏切りのサーカス』のような、ハードルの高い難解ものかと思ったら、そう難しいストーリーではなかったです。
実在の凶悪ギャング、ジェームズ・ホワイティ・バルジャー(ジョニー・デップ)が、幼なじみのFBI捜査官コノリー(ジョエル・エドガートン)に情報を提供し、その立場を利用して敵対するイタリア系マフィアを壊滅し、ホワイティの悪事が暴走していく話。実話をベースにしているので、ストーリーの盛り上がりがあまりなくて、ドキュメンタリー感もあって、エンタメ性には少し欠けるかな。でも、実話だからとあえて脚色を少なくしている、この淡々としたこの感じ、キライじゃないです。
主要登場人物は、ジェームズ・バルジャー(ジョニー・デップ)、その弟の上院議員ビリー(ベネディクト・カンバーバッチ)、幼なじみのFBI捜査官(ジョエル・エドガートン)でして、「ギャング」「政治家」「FBI捜査官」が裏でつながっており、み〜んな悪いヤツなのですが、ホワイティとFBIのつながりの部分が多く描かれており、政治家とマフィアの関係性が薄く、ベネディクト・カンバーバッチの出番が少ないのが非常に残念でした。(根っから腐った世界を描いているんだけど、クリーンでインテリのベネディクト・カンバーバッチの存在で、ちょっと悪を中和しているような感じがあった)
極悪非道な冷徹な、ホワイティをジョニー・デップが怪演。実のホワイティとハゲ工合がそっくり。でも、顔つきは本人よりも、ジョニー・デップの方が恐かったです。FBIのコノリーのその都度、都合のよいように立ち回る、小ずるい感じもよかったけれど、ジョニー・デップの一人舞台で突っ走った感がちょっとあったかも。
コノリー夫人が休んでいる部屋をバルジャーがノックして呼び出し、夫人をなめ回すように、ある種の「脅迫」めいた説教?をするシーンが印象的で恐かったです。
エンディングは実際の写真などが公開され、悪事に走った男たちのその後がクレジットで流れます。
16年間の逃亡の末、2011年にバルジャーはサンタモニカで逮捕され、「少なくとも11件の殺人で、終身刑2回と5年の刑を宣告された」とあるのですが、「終身刑2回」とは、どのように実行するのか?と疑問に思ってしまいました。
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