「Manners maketh man. 新時代スパイ映画、「威風堂々」と登場!」キングスマン たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
Manners maketh man. 新時代スパイ映画、「威風堂々」と登場!
諜報機関”キングスマン”の活躍を描くスパイ・アクション映画『キングスマン』シリーズの第1作。
ロンドンで荒んだ生活を送る不良青年エグジーの下に現れた、謎の紳士ハリー。彼に促されるまま、エグジーは諜報機関”キングスマン”候補生として過酷な試験に参加するのだが…。
監督/脚本/製作は『キック・アス』『X-MEN』シリーズのマシュー・ヴォーン。
主人公ゲイリー・”エグジー”・アンウィンを演じるのは、『戦場からのラブレター』のタロン・エガートン。
彼を導く先輩スパイ、ハリー・ハートを演じるのは『マンマ・ミーア!』『英国王のスピーチ』の、オスカー俳優コリン・ファース,CBE。
過激な環境活動家でもあるIT大富豪、リッチモンド・ヴァレンタインを演じるのは『スター・ウォーズ』シリーズや「MCU」の、レジェンド俳優サミュエル・L・ジャクソン。
スパイ候補生をしごく鬼教官、マーリンを演じるのは『キック・アス』『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』の、名優マーク・ストロング。
義足の殺し屋、ガゼルを演じるのは『モンスターズ/新種襲来』のソフィア・ブテラ。
”キングスマン”のリーダー、アーサーを演じるのは『ダークナイト』トリロジーや『インセプション』の、レジェンド俳優サー・マイケル・ケイン,CBE。
謎の組織に狙われる学者、アーノルド教授を演じるのは『スター・ウォーズ』シリーズや『光る眼』のマーク・ハミル。
ダニエル・クレイグ版『007』(2006-2021)や『ミッション:インポッシブル』シリーズ(1996-)など、シリアスかつハードになりがちな近年のスパイ映画に対し堂々とNOを突きつけた反骨精神溢れる新時代のスパイ・アクション。
スラップスティックなコメディとやりすぎなバイオレンスが観るものの脳天を刺激する。
ロンドンのサヴィル・ロウを拠点とするキングスマンたち。特別に誂えたオーダースーツをビシッと着こなし激しいアクションを繰り広げる様には、否応なく厨二心をくすぐられてしまう。
特にコリン・ファースのメガネandスーツ姿は超セクシー💕一発でファンになっちゃいました!
敵役のサミュエル・L・ジャクソンも良い!
アメリカ人の成り上がりIT長者という、いかにもイギリス人の癇に障りそうなキャラクターを生き生きと演じている。彼のキャリアを考えると、こんな下品な役はもっと若手の役者に任せればいいんじゃない?と思ってしまうのだが、本人が楽しそうだからヨシ!
確かに面白い!…とはいえ、目を見張るような展開がある訳でもなく、まぁよく出来た普通のアクション映画かな、なんて思いながら観ていました。…途中までは。
差別主義者が集まる教会での殺戮シーンから「なんかこの映画変じゃね?」という思いが頭の中をチラつき始めたのだが、クライマックスのとある展開でその疑念は確信に変わる。
イギリスの作曲家エドワード・エルガーによるクラシックの名曲「威風堂々」に合わせて、金持ち連中の頭が爆ぜまくる!💥そのビジュアルのあまりのバカバカしさには、不謹慎ながら大爆笑🤣
そこからはもうノンストップ!ファンキーなダンスミュージックに合わせて世界中で大暴動!!ブレードランナーな美女との対決!!!ゲロを吐きながら死んでいく悪のボス!!!!ポッと出の美女とのムフフなエンド!!!!!
とにかく、こんなにぶっ飛んだ映画はなかなかお目にかかれません。サイコーにアホっぽくて、なおかつカッコ良いエンタメ映画の傑作!!
惜しむらくはパグのJBの扱い方。あのワンちゃんにも何かしらのアクションが欲しかった🐶