サクロモンテの丘 ロマの洞窟フラメンコのレビュー・感想・評価
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フラメンコを始めたので、文化的なことを学ぶために観てみました。 一...
フラメンコを始めたので、文化的なことを学ぶために観てみました。
一人ずつ、踊り手/歌い手/弾き手の半生が紹介され、次にその人がステージで演技する映像が流れ、また別の人を取り上げるという構成が観やすく、オシャレでした。
ロマ達がフラメンコという自分達の文化を代々守り育んできた様子を知ることが出来ます。
当時のロマ達の生活ぶりを残した貴重な白黒映像も所々あります。
子供達は上の世代の踊りや歌を見よう見まねで習得し、誰もレッスンのような形で教わったことは無いという事に、現代の外国人である私達との大きな違いを感じました。
どちらが良いという事ではないけれど、本物?オリジナル?の凄みを目の当たりにします。
現代まで素晴らしい文化を守り残してくれた人々に感謝をしたいです。
純粋なロマ族がフランコ将軍など絶対に許さない
フラメンコをロマ族独特の文化とするのは、違う気がする。踊りはトルコのベリーダンスに通じるところがあるし、哀愁を帯びたメロディーはポルトガルのファドにも似ている。だから、元々あった音楽文化を、この地に定着したロマ族が継承して、生活に取り込んで行ったと僕はみたい。タタタッタ複雑そうに見えて、リズムはこれだけに思えた。また、歌詞も日常の取るに足らない事が多いと思う。
勿論、ロマ族が差別されてきた事は確かだが、戦後、フランコやシナトラやオバマ夫人が、ここへ聞きに来た逸話が挿入されているが、なにかまゆつばに聞こえた。ロマ族がフランコなど絶対に許さないと思えるが。
フラメンコと少し違うが、ジプシー・キングスがいるが、彼等はロマ族だけれども、フランス人だ。また、パコ・デ・ルシアやアル・ディ・メオラはロマ族とは無縁だと記憶する。ある意味、フラメンコをスペインの代表的音楽文化としたのは、まゆつばに思える。
アンダルシアに旅したい
スペインアンダルシアを夏に旅した時に、気温が48℃晴天の日々が続いたのですが、刺す様な太陽の光の地アンダルシアの気候とフラメンコがとても良くあっていました。汗ばんだ肌にちょうど心地よいというか。クストリッツァの作品で観るジプシー音楽も良いのですが、それとはまた全然違っていて、ロマの音楽的才能の血筋を観ていると凄いとしか言いようがありません。
お年寄りから子供まで踊る生活に根付いたフラメンコが良くわかる。
記録映画でもあり、フラメンコを楽しめる映画でもあります。
グラナダ近郊のサクロメント地区はフラメンコの聖地ともいうべき
地区のようで、迫害を受けたロマが洞窟の中で脈々とフラメンコを
踊り継いできました。
その最盛期と水害後の衰退と復興の全てを、
当時を知る踊り手、歌い手などのインタビューと
実際の踊りとを組み合わせながら追って行きます。
お年寄りが踊るフラメンコにはやっぱり味があるというか、
深みがあるというか、人生を感じます。
青年のフラメンコは圧倒的な力強さとキレ。
若い人のフラメンコにも勢いがありますね。
全ての世代に踊り継がれるフラメンコの懐の広さを
感じました。
記録映画の側面もあって展開が緩やかなので、
途中ちょっと飽きてしまいましたが、
色々勉強になったし、いろんなタイプのフラメンコをみれて
よかったです。
濃厚なドキュメンタリー
フラメンコは音楽でも踊りでもなく、それらを包括した文化なんだろうなぁと思っていましたが、やっぱりそうだったな、と感じられたドキュメンタリー。
1963年以前の日常について、学校教育を受けていない・フラメンコで安い日銭を稼ぐなどの話が、老アーティストたちによって語られる。フラメンコが持つ近代化以前の呪術的でありながら郷愁的でもある響きは、やはりこのような世界から生まれたのだなと実感できました。
この作品だけを観ると、フラメンコとはこのような狭く保守的なものだ、と思えてしまう。しかし、2016年に公開されたパコ・デ・ルシアのドキュメンタリーでは、様々な音楽を吸収しながらフラメンコの音楽を発展させて行った軌跡が描かれている。
このような相反する価値観を内包しているフラメンコは、それだけ懐が深く幅広い芸術であり文化なのだなと理解できます。
あと、やはり歌がいいですね。エンディングに流れる、ポエトリーリーディングを交えた歌がとても素晴らしかった。
民舞、民謡、大衆芸能としてのフラメンコ
わりと体系化されたのが最近だったり、一度消滅の危機があったりと、初めて聞く話ばかりでしたが、フラメンコそのものはアートという括りよりも、より人々の内から出てきた感情を素直に表現した民舞であるということを確認できたのがいちばんの収穫。春歌的な側面があったのも、フラメンコビギナーとしてはとても興味深かった。
全く理解できませんでした。インタビューと歌とダンスの繰り返し。ただ...
全く理解できませんでした。インタビューと歌とダンスの繰り返し。ただそれだけ。最後もいきなり終わりって感じ。
他の方のレビュー4点以上ばっかり。幾ら何でもなんかへんなきがします。。
時を経て文化となる
かつて活躍したフラメンコの踊り子と歌手、ギター奏者などが、現代にいきる姿を追っている。かつての栄光は今はなくとも、今を力強く生きるヒターノたちの姿は、ただ見ているだけで、ヒターノたちの力を見せつける。
活躍していた頃は一部の外国人以外からは文化ではなくもしかしたら蔑視の対象だったかもしれないヒターノは時を経て色濃い芸術としていきつづける。皮肉だけど、それでもこんな映画となって私のような一般人にその姿を見る機会を与えてくれた監督に感謝したい。
彼らにとって、大きな転機は1963年の大洪水。
グラナダはアルハンブラ宮殿のある街、
イスラムの宮殿を望むこの街の北の丘がサクロモンテ。
しかし、この丘がロマによるフラメンコの聖地であることは、
映画を見るまで全く知らなかった。
ヨーロッパから迫害され丘の上の洞窟に住んだロマ。
彼らの歌と踊りがイスラムの文化と融合しフラメンコが生まれていく。
複雑なリズムと魂の叫びのような歌、ギターに促される強烈な踊り、
フラメンコはカルメン等オペラの中でしか体験しなかったが、
映画ではその魅力がタップリと表現される。
魅力とはいつもフラメンコとともにある丘の上の生活と生き様。
彼らにとって、大きな転機は1963年の大洪水。
彼らにとって、フラメンコのほか残されたものはなにもない。
映画はその前後をニュース映像も加え詳細に語ってゆく。
ヨーロッパやアメリカ、日本にも渡り成功した踊り子たち。
外の街に馴染めず、洞窟にしがみつき踊りつづけた踊り子たち。
そして今、洞窟の街は蘇り、彼らの文化はすべてを受け入れ、今日も踊り続ける。
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