夏をゆく人々のレビュー・感想・評価
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エルトリアのお婆ちゃんの合唱 ハモってる
アンソニークィーンとジュリエッタマシーナ
やっぱり、ジェルソミーナだね。絶対にリスペクトしてると思う。僕もお婆ちゃんの歌の方が良かったと思うよ。
養蜂家のはなしと言うと去年ハニーランドって映画を見たが、通じるものがあった。最後のエンドロールに流れるラップの曲も不釣り合いな曲の様だが、計算されていると思う。ジェルソミーナの妹が聞いていたラップ音楽。調べてみたが、イタリアの音楽ては無いようだ。ここで、キリル文字が登場する。東欧系の歌手の様だが、AMBRAとか。T'appartengoって曲でアンブラアンジョリーノ(ニ)らしい。有名な人なの?
勝手な予想なのだが、イタリア トスカーナ地方に住むロマ族(ジプシー)の話じゃないのかなぁ。だから、主演の女の子達 ルーマニア人。または(若しくは)ルーマニアとは、ローマニアで東欧にあっても、イタリアと同じラテン系の民族。奥が深い映画だよこの映画。傑作かもしれない、
エルトリアでエストニアでは無いとやっと理解できた。しかし、東欧のイメージはぬぐえないなぁ。
養蜂若草物語?
『ハニーランド 永遠の谷』(2019)で教えてもらった養蜂の技術。長女ジェルソミーナは手際が良く、ハチの病気については父親よりも詳しかった。しかし、4姉妹ということもあり、父親ウルフガングはジェルソミーナに次ぐ息子が欲しかったので、訳アリの少年マルティンを預かることになった。
たくましいけど思春期の少女ジェルソミーナ。14歳の少年との関係もあぶなっかしいと思われたり、テレビ番組撮影隊に出くわして女優(モニカ・ベルッチ)に憧れたり、生産農家を特集するという「ふしぎの国」に参加して賞金をもらおうとまで考えるほど家計まで心配する女の子。口からミツバチを出すという特技ももっている。
とにかくストーリーよりも養蜂の仕事がいい。多感な少女から見た家族のことも、世界に飛び出したい気持ちが伝わってくる。ちょっとショッキングだった次女の怪我やバケツ交換に厳しい父も重なり、逃げれば少年院に入れられる少年も家族の間に挟まれて可哀そう。そして、終盤のモニカ・ベルッチの優しさにも触れた気分。怒涛の展開も、私小説的でエピソードを散りばめた感があり、収まりがつかなかった。ラクダも謎だし・・・
うむむむ
正直言って、頑固おやじにイライラ。
奥さんよりジェルソミーナだけが犠牲になってない?どこの家もそうなの?
養蜂はいいとして、少年を預かるとか、テレビ番組に応募するとか、それなりに変化はあるのに、なぜだか感情が全然こちらに伝わってこない。頑固おやじのせいでジェルソミーナの感情も押し殺されてしまったから?
誰目線の作品だったんだろう?
少年がココのせいで逃げてしまったシーンも意味がわからない。
ココが嫌がる少年を無理矢理ハグ?しかも反省しとらんよね?
それを探しに行くジェルソミーナ。手漕ぎボート??すごくない?(笑)
しかもちゃんと見つけるという、神か。
不思議の国の番組もラクダにも結構笑えたけど。
昔ながらの養蜂家、今は廃れてしまったのかな。そこは残して欲しかったけど。一滴たりとも無駄にすると怒られる。頑固おやじの、そこは立派な教育か。
なんとも
イタリアトスカーナ州の養蜂家一家のどこにでもある話なのにカメラが霞みがかっていて、なんともいえない不思議な雰囲気の作品だと思います。もっと言うとテレビ東京で放映してそうな田舎暮らし一家の日常を美しく描いた感じです。
不思議な味わいのある映画
何が起きているのか、起ころうとしているのか、そして、ラストにこういうことが起こっていたんだ、と気付く。
あとから振り返って、しみじみ考えるような映画。でも、自分の解釈があっているのか、もっと解説してって感じ。
「自然」農法とツーリズム、エトルリア文化とテレビショウのあいだで揺...
「自然」農法とツーリズム、エトルリア文化とテレビショウのあいだで揺れる家族の物語。船のシーンやラストシーンは、なんとなく溝口風? で、大きな感動とまではいかなかったものの面白かったです。
ヨーロッパ大陸あるある不思議
出だしのスポンサー紹介でヨーロッパ(大陸側)の
大企業が数多く参画していて、密かに期待が高まった。
その期待にこたえてくれた作品だった。
家族の会話はイタリア語で、男が"Scheißejäger!"(クソ猟師!)と
ドイツ語でのたまう。謎が多い出だしだったけれど、
小さなヒントを探しながら推理するのが楽しかった。
平凡な日々が続くと思えば家族問題が多発したり、
そのとっ散らかった感じが非常にリアルだった。
リアルだと思っていただけに…一本とられた!
とても面白かった。
アリーチェ・ロルバケル。
名前を覚えておきたい映画監督です。
それにしても
イタリア語の原題は"Le meraviglie"
英語のタイトルは"The wonders"
ともに意味は「不思議」。
あれは夢だったのか?幻だったのか?
そういうことがヨーロッパ大陸、特に地中海では時々起きる。
とてもたのしかったけど、なんだったんだあれは?
そんな不思議は欧州大陸あるあるだと思う。
海外のタイトルは、作品のそんな魅力をうまく表している。
なのに邦題は全然その魅力を感じない。
フライヤーも海外のものは興味を引くが
国内向けのアートワークは気味が悪い。
ウェブサイトも手抜きだし。
配給会社やプロデューサはやるきが無いのか?
知的好奇心をくすぐる良質な作品は
多くの人たちに見てもらうべきだ。
プロデューサは、その社会的責任がある。
100%ピュアなジェルソミーナ
カンヌ映画祭グランプリという言葉につられて鑑賞。正直、う~ん、ビミョーですな~、これは。
普通、映画祭で賞を取る作品というのは、二種類あると思います。
①作品に圧倒的な力があること。
②いままで、誰も思いつかなかった、トンがったアート作品。
***
①に関して言えば、多くの観客が納得、感動できる作品であり、多くの人が理解できる、最大公約数でもあり、かつまた、観る人の魂の、深ぁ~い部分にまで作品のメッセージが届く。そういうあらゆる要素を兼ね備えた作品を、僕たちは平べったく「傑作」と呼ぶのですね。
②に関して言えば、まあ、ハッキリ言って「わかる奴だけ付いてこい」という監督の意思表示が極めて強い作品が多いですね。
もう、ここまでくると、ほとんど前衛芸術。われわれはスクリーンで何を見せられてるのか? さっぱり分からん?! というケースが多いです。
だけど、そういう作品の持つ圧倒的な美的センス、強烈な個性、アクの強さ。それがツボにハマった人には、もう最強な作品になりますね。その最たる例が、ルキノ・ヴィスコンティ監督の「ヴェニスに死す」などのアート系映画。
さて、本作はこれら①と②どっちに振った映画なんでしょう?
あくまで僕個人の印象としては「どっちつかず」なんですね。
まあ、ストーリーはちゃんとしてますしね。
主人公ジェルソミーナの一家はイタリア、トスカーナ地方の田舎で、養蜂業を営んでいます。お父さんは性格も天然なら、作る蜂蜜も天然。混じりっ気なしの蜂蜜にこだわっている、ちょっと頑固な人です。商売っ気があまりなく、近所に住む、商売上手な畜産業の親父さんとは好対照です。
ある日、この村に、テレビ番組のロケーション・クルーがやってきます。
番組はイタリアの地方を巡って、いろんな特産品を紹介し、一回ごとにその土地のチャンピオンを決めようというもの。もちろん賞金もあります。
ちょうど、ジェルソミーナの家には、行政の方から、蜂蜜の製造施設を衛生面に考慮してリフォームするように、という勧告が来ておりました。リフォームには、かなりのお金がかかる。そこでジェルソミーナは、父親には内緒で、こっそり、このバラエティ番組への申し込みをしてしまうのですが……。
お話としては難解ではなく、ずいぶん分かりやすい。ならば、圧倒的な感動や、あるいは、とてつもない才能を感じさせてくれる映像美、はたまた、新たなる表現の地平線を切り開く、なぁ~んて、大げさですが、そういうところが、あるか? といえば、これがイマイチなんですね。
ただ、本作のオフィシャルサイトを見てみると、監督は、まだ本作が二作目。新進気鋭の女性監督さんなんですね。
う~ん、俄然応援したくなったぞ。
ええ加減なもんですな、観客というのは。
でもね。まだ若い監督さんが、これから、いろんな映画を作れる、そういうチャンスや、自由な創作活動を絶対に応援してあげるべきだと思います。
本作では、イタリア、トスカーナ州、その海辺の風景をバックに、古代の遺跡跡で収録が行われるテレビ番組のシーンがあります。
番組のヒロイン、司会進行役がモニカ・ベルッチさん。
先日観た「サイの季節」では、リアルタッチで、シリアス。政治色も強く反映され、かなり衝撃のシーンの連続でした。
その女優さんが、本作では、低俗極まりないというか、サイケデリックというか、アホみたいなゴテゴテ、キラッキラの被り物付き衣装で登場するというのは、なんとも面白い趣向です。そんな役をOKしたのは、経験豊富なモニカ・ベルッチという女優が、この若い監督さんを盛り立てよう、としているからでしょう。それは父親役の俳優さんもそうでしょうし。
そして、本作のとっておきのヒロイン。ジェルソミーナ役のマリア・アレクサンドラ・ルング。撮影当時、若干11歳。
本作でいきなり女優デビュー、しかも主役、という大抜擢。
この少女の持つ、カリスマ性。顔立ちをみてください。この人、古代ローマ帝国の彫刻が、そのまま21世紀の現代によみがえったかのような雰囲気を持っております。実に神秘的な雰囲気を持った少女です。
カンヌでグランプリをとった作品の主演女優ですよ!!
これから先、彼女はどうするんだろう? えらいことになってきましたね。
僕としては、「クジラの島の少女」で主役を演じたケイシャ・キャッスル・ヒューズさんみたいになったらいいなぁ~。日本で言えば、子役から大人になっても活躍している、多部未華子さん、はたまた宮崎あおいさんのような……。
子役さんで成功しても、そのあと成長するにつれ、徐々に人気が落ちてくる俳優さんが多いのですが、そうならないように、本人、周りとも、ぜひ見守ってあげてほしいものです。
イラつくオヤジをリアルに描いた監督優秀
トスカーナの田舎で、母親アンジェリカと、ドイツ人の父親ヴォルフガングと
謎の居候おばさんココ――signora(ミセス)と言われてsignorita(ミス)と言い直してたから、未婚――
と、3人の妹とともに暮らすジェルソミーナ。
ジェルソミーナ以外、まともなのは母親だけ。
父親は自分勝手の権化。
謎の居候ココも、勝手なことをしてかき回す。
妹たち3人も、それぞれにわがまま。
実質的には、ジェルソミーナが家を支えている。
なのに、まだ12歳だから、
父親は大人の権力を振りかざして、
それでいてガキみたいなことを言う。
てか、
蜂蜜の製造をもっと衛生的にしなくちゃいけなくて
そのために金が必要なのに、
有り金はたいてあんなものを買っちゃったりして
ほんとに腹の立つ父親。
思うに、
ジェルソミーナといえば
フェリーニの「道」を思い出すんだが、
そこに出てくる60年前のろくでもない男が
イタリアにはまだまだわんさかいるということなのか。
あ、でも「道」のザンパノの方が
ヴォルフガングより、なんぼかマシかも。
なにしろ
そのろくでもなさ加減のリアルさが半端じゃないので、
すごくイライラしちゃったんだけれど、
ただ、それこそこの映画がよくできてるという証拠であって。
まだ2作目らしいけど、
うまい、この監督。
リアリティのある不思議
ある種のファンタジーだけど、描かれている人々は実にリアリティがある。そういう意味でバランスの良い作品だ。人はある時間を生きる時に実に現実的であるが、振り返るとまるで別世界のように郷愁を感じる。その情感を嫌味なく描いた秀作。
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