「愛に戻って愛を知る。 故・金子温」ラブ&ピース 坂田亭さんの映画レビュー(感想・評価)
愛に戻って愛を知る。 故・金子温
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集大成。監督本人がそう言い放った所以がわかったような気がする今作品。「良い雰囲気の漂う綺麗な映画」などと、現在上映中の『○○di...』のように賞賛される、邦画界の凝り固まった肩をほぐすかのような、真心こもった、愛のこもった傑作である。主人公・良一の部屋の壁にかかっているSex Pistolsのポスターが、Fuck Bombersに変えられていたり、会社Peaceのエレベーターでの音楽がお馴染みの曲であったり、全力歯ぎしり....だったり、テレビの中から良一に向けて投げられる演出、トイレ、また、サラリーマン達に笑われるなどといった施しも、前作の何とかスワンから、A SONO SION'S FILMへ帰還した、これぞ集大成。(※もちろん、こう言われることを監督自身が嫌っていることは分かっての発言)だが、『ラブ&ピース』は、新宿スワン云々、園子温っぽい云々は置いといて、ずっと愛に映画で取り組んできた、愛のある、愛の監督・園子温が、愚直に愛を伝えた作品である。愛に戻って愛を知る。 故・金子温
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