母と暮せばのレビュー・感想・評価
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可もなく不可もなく…
親子の愛、絆を感じられる作品です
会話ひとつひとつにお互いを思う気持ちが込められていて、暖かいものに包まれます
ただ、私にはそれだけでした
最初から『ファンタジー』という触れ込みだったのでそのつもりで鑑賞しましたが、やはり違和感がつきまとい、どっぷり物語に浸り切ることが出来ませんでした
『ファンタジー』なのだから細かいことを気にしてはいけないと思いつつ、家族全員を亡くした母親が黒髪艶々で美しいことや、原爆の被害に合いながら自宅も母親も全く無事であったこと…
小さなことが気になってしまい集中出来ませんでした
二宮和也さんの演技も私にはちょっとオーバーな印象でした
私は子どもがいないので母親にも、そして残念ながら息子にも入り込めませんでしたが
子どもがいる方といない方でかなり受け止め方は違うかもしれません
原爆のシーンは素晴らしかったです
あの短いシーンで原爆の恐ろしさがとてもよく伝わり、改めて二度と繰り返してはいけないことだと思い知らされます
母親の言うように、あれは人災です
原爆で亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げます
まあまあ
山田洋次らしく、浮き沈みのない、安定感のあるものだった。変わり身早すぎる黒木華にも少しビビったけど、なんであの子だけ幸せにならなきゃいけないの?!の本音の部分はリアルでよかった。浅野忠信の良さをもう少し入れて欲しかったなぁ‥
「母と暮せば」を観て・・
山田洋次監督の映画作品。ファンタジーの世界。嵐の福岡ドームのコンサートがあっている日に観た。普通に随所で涙が出た。長崎の原爆投下から息子を亡くした母親の物語。自然に自分の息子の亡霊と会話する。最後は・・
吉永小百合と二宮和也の演技力に拍手。
沁みる
久しぶりに心に沁みる映画に出会いました。最近は、激しい闘い、心が寒くなるような映画が多い中、じっくりと登場人物の心に寄り添って、見ることができました。
登場人物にはモデルがいて、軍国主義に染まっているわけでもなく、普通に暮らしていただけなのに。わずか70年前の日本で、数え切れないほどの悲劇があって、今の日本がある。悲しいけれど、今よりも家族の心が近くて、じんわりと心が暖かくなる。
目を覆いたくなる様な場面があるわけではないので、ぜひご家族で見ていただきたい映画です。何度も見たい心に残る映画です。
母、息子、その恋人、それぞれの想いが胸に沁みる良作、・・・たが、ラストは?!
食事の前のお祈りといい、信心深い、原爆を投下された長崎。
こうした設定背景に、個人の宗教的価値観が、賛否の分かれ目なのかもしれない。
私は、ラストについては、否。
母伸子には、息子浩二の分まで生きてほしかった。
死への誘いに、息子浩二がファンタジーでもいいから、止めてほしかった。
伸子と浩二が、あんなに幸せそうなのも・・・、生と死について、特に死について、その価値観など語れるほどの哲学は持ち合わせていないが、考えてしまった。
当然、見たまんまの感想ではあるが、新しい婚約者ができたとはいえ、あれでは、遺された町子が可哀想過ぎる。
しかし、遺体、遺品も残らないで、「消えてしまった。」
残された遺族を思うと、想像を絶する。
本編は、その3年後を舞台にしている。3年という月日が、長いのか、短いのか、私にはわからない。
そこに死んだはずの息子が登場し、母と思い出話をしている。あり得ないと作品否定しそうな設定ではあるが、ファンタジー感や違和感は、ほとんどなく、受け入れていた。
それほど、想いが深く伝わったと言えよう。
日本を代表する名女優、母役の吉永小百合さんを主役に、息子を嵐の二宮さん、その恋人役を黒木華さんと、やや舞台にありがちな台詞口調ではあるが、喜怒哀楽感、表情の演技が素晴らしい。
町子とその生徒が、父親の生死行方の確認を厚生省のとある部局に行くシーン。
死の結果に、大人である町子が号泣。
もっと悲しいはずの生徒の痛いげな気丈ぶり。
なんのために付いてきたのかと、悔やんでいることを伸子に伝えると、
「子どものために泣いてあげたでしょう」とこの台詞に、痺れた!目頭が熱くなってしまった。
戦後の光景で珍しいわけではなかったに違いない。
反戦というメッセージも盛り込まれているのだろうが、こんな戦後の光景にしてはならない、そんな想いで劇場を後にした。
演技は良かったがラスト…
演技は素晴らしかった。特に黒木華の演技は絶賛に値する。
問題はラスト10分における展開。
本来生き長らえたものを、栄養失調で死んで幸せ?天国のような演出や大合唱で美談にしようと試みたようだが無理があるのではないだろうか。
泣ける泣ける、泣いた
凄いとてもいい作品でした。
最初から最後まで泣きました。
ラストがヤバかったです、、、。
泣けて、泣けて、大変でした。
二宮さんが大好きで、二宮さんの演技がすばらしくて見入ってしまいました!
また、放送される日を楽しみにして待っています!
町子で泣き。割とよかったです。
山田洋二作品で、とても好きという作品はなく、そんなにたくさん知ってるわけでもありませんが、どうにも古いと思ってしまいます。
が、井上ひさし原案という点と、黒木華が出る点に惹かれ、観てきました。
この作品では古さではなく、描かれる時代のらしさと思え、好ましく感ぜられました。
勝手なものですね。
作中で黒木華がでてくると、なんだか胸いっぱいになって、思いのほか泣いてしまったりもしました。回想でのニノとの初々しい、いちゃいちゃがあんまりかわいらしいもんだから、ニノがいなくなった世界でけなげに生きる町子がいたいけで切なくて、うるうるでした。
あと、メンデルスゾーンのバイオリンコンチェルトが思い出の曲として何度も出てきました。大好きなので、うれしかったです。
町子は、生き残ったことに罪悪感を感じていて、だから自分の幸せなんて到底考えられないようでした。そんなこと思わなくていいんだよ、生きていることをありがたいと思って、ただ自分が幸せになったらそれでいいんだよと、客席からずっと思っていました。
母と息子の会話シーンは、ややだれる感じがありました。冗長なんです。飽きました。
また、母さん母さんうるせーよとも。そんなに母ちゃんが好きかよと思いましたが、あの息子は幽霊ではなく、母が作った幻想なのかなとおもい、そう思うと母ちゃん母ちゃんなのもわからなくもないかなあと。
でも母ちゃんのいない場面で、浩二だけが蓄音機のそばで回想するシーンがあったので(これまたかわいいいちゃいちゃ)、母が作った幻想説は説得力を持たないのですが。
そう思わないと、マザコン息子を愛せないので、無理やりそのような解釈にしました。
冒頭の記録映画のようなものものしい映像から、ガラス瓶が一瞬で溶ける、原爆が投下されたその瞬間までの場面が、非常にリアリスティックでした。母が長男が枕元に立った、というシーンの兵士たちの姿の仰々しさにも、思わず眉根が寄りました。怖い、と思いました。
戦争を生きた世代の実感が込められているのだと思います。
それらをニノ見たさにやってきている若い女子達の心に残ったら、作った甲斐が増しますな、などと偉そうなことも思いました。
ラストはあんまりいいと思いませんでした。
町子が婚約したとおもったら(それはとても良いことですが)、年越し目前で伸子が死んじゃって、葬式に霊体で現れて親子寄り添って天国に行って、ピンクの世界での死んだ人たちが大合唱しておられました。
母ちゃん死んじゃったら息子は取りついて殺した亡霊じゃんよって思いました。
寿命というにはあまりに吉永小百合は若々しいし、秋あたりから、死亡フラグは見えていましたが、いかんせん若々しく、急に逝きましたなという印象がぬぐえやしませんでした。
上海のおじさんがちょっとかわいそうでした。
全体的にはよかったです。若い子が見たらいいと思います
遺志を継ぐもの
この映画を見ようとしていて、まだ井上ひさし著作の「父と暮らせば」を読んでないというのであれば、事前に読んでおくことを強くすすめます。山田洋次監督の志が深く理解できるはずです。短い戯曲なのですぐ読み切ることができるので、是非。とはいえ、読んでなくても十分伝わるのですけれども─。
言わずもがな、絵の美しさ、脚本、演技演出、全て素晴らしすぎます。
終始、涙しました。あらゆるところで勝手に泣いていた気がします。
自分は、山田洋次の人情とか吉永小百合の演技とか、実は苦手だったりします。しかも、二宮和也とか浅野忠信の男優陣のこの映画における演技もあまり好ましいとは思えませんでしたし、これは自分には合わない映画だと断言できますが、作品の持つ伝達力とか遺志とか質といったものには、ただただ驚愕するばかりです。
特に吉永小百合を筆頭に女優陣の振る舞いは一つの世界を構築しきっていて、あの人等は決してこちら側の人間には見えませんでした。
すべて過剰な演出で、あくまでドラマチックです。しかしそれら架空の出来事は、紛れもなくその当時に起こったことであると実感できました。そう感じてしまうと大いなるドラマが自分の中でスパークして、号泣。
遺志を継ぐものの葛藤、それがよく伝わってくるわけで、泣かずにはいられない。
この映画を世界の核保有国で上映すべきでしょう。エンタメとか芸術を政治利用するのは外道だと認識しつつも敢えて主張します、当然アメリカ全土で上映すべきであると。と言いながらする訳ないと思っている卑怯者の自分が今ここにいます。
日本は紛れもなく被爆国です。
ファンタジーは時にリアルを超える・・
ファンタジーは時にリアルを超えるというけれど
この映画もそういう作品だと思いました。
特に私自身が描かれている親子の年とほぼ同じせいで
重ね合わせる部分が多かったせいかもしれません。
(親子の雰囲気が甘いのも、
自分を振り返れば、や、こんなもんかなって;;)
人生も後半戦に入ってくると学校時代の同級生や
その連れ合いが亡くなったり、
親が亡くなったりという話をちらちら耳にします。
例えペットでも、大事なものを亡くした人の喪失感は
その人のことを想うこちら側にも伝わってきます。
戦争の悲惨さを強調しないこの映画に
観る側は辛さや怖さを伴うことなくすっと入っていけます。
当時の様子を細かく再現していても
昔のフィルムに残っているような、時代の持つ硬い雰囲気は
あまり感じられません。
なにより親子のひょうひょうとした会話を始め
脇役の面白さあふれる演技が
親しみやすさを倍増させます。
(これは監督の意図なのか、役者が上手いのか
その両方だと思います。)
親子の会話を中心にお話が進んでいくのですが
そのどこを切り取っても
誰かが何かを亡くしている・・・
まったく無傷の人なんていない。
人々は普通に暮らしているように見えても
心の中には暗い喪失感を抱えている。
原因は戦争であり、原爆であり。
その中で描かれる人間模様。
自分の寂しさを後回しにして、町子の幸せを願う母と息子。
恋人と友達を亡くし、自分が幸せになることを肯定できない町子。
自身も戦争で片足を亡くし、家族も亡くした黒田。
前を向こうとしても、自分の心に足を取られているような。
母も決して聖人君子ではない。
自分に好意を寄せる人から闇物資を安く手にいれたり
「何で死んだのは自分の子供で、あの子だけが幸せになるの?」
という、理性を超えた母親の本能というべき言葉も発します。
それでもすべては浩二のセリフ、
「町子が幸せになってほしいっていうのは、実はぼくと一緒に原爆で死んだ何万人もの人たちの願いなんだ」
という言葉に救われる、と思う。
母の想いも、あの最期で救われてると思う。
音楽も映画に合っていて素敵でした。
ラストの合唱は評価が分かれるところ?
いろんな年代の人が一緒に歌っていて、私は良いと思いました。
この映画を作っている時現場の人は辛かったんじゃないだろうか?
二度と戦争をしてはいけない、という監督のメッセージは
役者さんとスタッフの熱意とともにしっかり届いていると思いました。
死んだ人たち、生き残った人たちの気持ち
死んだ人、生き残った人達の様々な本音を聞けたような作品でした。死んだ人達は生き残った人々に幸せになってほしいと思いながらも、心の奥には無念があり、生き残った人達には生き残った人たちで申し訳なさや、幸せへの選択を拒んでしまうなど両者の様々な気持ちが描かれていたと思います。
特に町子が結婚を決め、信子の所に挨拶に行くシーンでは、町子の幸せを願いながらも息子を思う母、幸せへの決心をようやく決めたが浩二、信子を思うと苦しくなる恋人。
両者の思いがぶつかり合い、とても苦しくなりました。
また自分も含め、若い人が見るべきかなと思いました。最初の爆発のシーン、比べ物にならないかもしれませんが、もし自分があの場にいたらこんな感じなのかなと、思うほどの迫力でした。
原爆の恐ろしさ、悲惨さを感じることができました。
後からじわじわと悲しさが波紋のように広がってくいく映画でした。
吉永小百合と二宮和也がよくなかった
吉永小百合は、一生懸命に良い演技をしようとして、二宮和也と同じでリアリティに欠けて…。
脇を固める黒木華とか、子供達、隣のおばさんとかが、凄い自然体で演じてるから、吉永小百合と二宮和也が舞台で演技しているって感じになってる。
亡くなった、黒澤明や小津安二郎が監督だったらフイルムが無駄だって言いそう。
原節子が演じたら、もっと凄い映画になっただろうな。
山田洋次も吉永小百合も、年取ったな。
幸せな日々は一瞬で消えゆく、それが戦争
井上ひさしの舞台劇『父と暮せば』が黒木和雄監督によって映画化されたのは2004年。
原作者・井上ひさしが対となる作品として構想していたが果たせなかった想いを山田洋次監督が映画化したのが、この『母と暮せば』。
ひと足早く試写会で鑑賞しました。
戦後70年という節目、かつ製作の松竹は120周年ということで、『日本のいちばん長い日』とともに最も力を入れた映画であろうことは想像できる。
1945年8月9日、長崎市内の医学校に通う浩二(二宮和也)は、米国の原爆により一瞬にして生を奪われた。
それから3年。
母・福原伸子(吉永小百合)は、諦めきれぬ想いを抱きつつも、浩二のことに踏ん切りをつけようとしていた。
その踏ん切りを契機にして、浩二の霊が伸子の前に現れる・・・というハナシ。
骨格は『父と暮せば』とほぼ同様だけれど、残された者が年長で、先立ってしまった者が年若と、元のハナシとは反対になっている。
この変更、良いような悪いような・・・
年若い息子の命が奪われてしまうほうが悲劇であるけれど、不条理に奪われてしまった命を思ってこの先の長い人生を生きていかなければならない哀しみと踏ん切りをつけなければならないのは、やはり年若い方であるべきのように思う。
その踏ん切り部分を、浩二の許嫁・町子(黒木華)に背負わせているので、映画としてのおもしろさ・興味深さは、町子がさらってしまう恰好となっている。
その上、黒木華が巧いものだから、本来主役であるはずの伸子・浩二、母息子のエピソードが霞んでしまう。
さらにさらに、戦時下、それも末期なので、母息子の暗い暗いエピソードかと思いきや、意外なほど能天気でバカらしいエピソードが綴られる。
うーむ、うーむ。
たぶん狙いは重喜劇路線なのだろうが、吉永小百合・二宮和也のふたりがそれを肉体的に表現できておらず、長台詞を繰り返せば繰り返すほど。マザコン息子とそれに対するベタベタ母親にみえてしかたがなかった。
とはいえ、山田洋次監督が米国に対して(それに追従する我が国に対して)怒りを表しているのは、少なからず感じる。
この映画で隠されたキーワードは、「運命」に対する母・息子ふたりの解釈だろう。
息子は「原爆で死ぬのが運命だった」といい、母は「それは運命ではない。ひとのすることは変えられたはず」という。
さらに、『父と暮せば』から舞台を広島から長崎に移すことで、ふたりを(米国からみて、東洋の理解不能なひとびとではなく)キリスト教徒として設定している点も見逃せない。
終盤、母親の祈り「わが命は神の御手に委ねます」というのは、(監督の)猛烈なる批判なのだと思う。
このようにみてくると、この作品、黒澤明が米国への憤りを静かに示した『八月の狂詩曲』の山田洋次版といってもいいのかもしれませんね。
最後が気に入らない
あらすじを嵐の番組で見てしまった為、内容はともかく大筋が分かってしまって残念。
ストーリーで観る映画ではないことは山田洋次監督なので仕方ないこととはいえもう少し上手く映画の紹介をして欲しかった。
原案となった井上ひさし原作の『父と暮らせば』も知らない自分が無知だから?
知っている人はどう思うのでしょうか。
嵐の二宮演じる浩司と黒木華が演じる恋人町子の悲恋は結果が分かっていながらも泣けます。
母親役は吉永小百合なのでどう演技しても吉永小百合です。
生活感がないとなぁとどの映画でも感じてしまいます。
全体的には終戦直後の一家族とその周りにスポットがあたった小さな舞台の話のはずが最後に反戦映画っぽくなってしまったのはいただけない。
また、母親が亡くなってしまうのは納得いかない。
息子ら家族がいなくなった3年間という時間は想像ができないことだがそこから母親が再生する話では。
簡単に栄養失調?で亡くなってしまっては単に戦争が悪かったと思わざるを得ないし、そう思ってしまう。
母親がもうこの世に幸せがないからと死ぬのを決めてしまったらこの映画で救われることはないです。
そして平和にしましょう的なエンディングロール。
ホントにあれでただの反戦映画になってしまった。
最後の10分でストーリー、演出で駄目になったと思う。
凄く残念です。
母という生き物
浩二の亡霊に町子と黒ちゃんが結婚するかもという話をしながら「どうしてあの子だけが幸せになるの?」と言いながらも、そう言ってしまった自分自身を責めるシーンは残りました。母の本音です。
死期が、迫った母をこの世に迎えに来たのですね。
息子に先に死なれたら同じように喜んであの世に行くと思う。
父と暮らせばを見てないので是非鑑賞したい。
怖かったです
あの世の話を見ているようで・・・
演技は最高でした。
だからこそこの世ではないどこかの違う次元のように感じました。
最後はニノが死神にしか見えなくて、ゾワっとしました。
本当はいいお話なんでしょうね。
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