母と暮せばのレビュー・感想・評価
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♪映画「母と暮らせば」の活用法?
このお話の感想をどうシェアしようかと考えた時、ふと思ったのが、「お手本」…。
…モデリング(マネ)の対象にしてはどうかと言うことです。
では、何の「お手本」か?ですが、
今の社会、親御さんが代々続く「安全基地を持てない」ことによるハンディキャップ…自尊心の低さの為に自分の「安全基地」を持てない子供が増えていると感じています。
安全基地とは、そこに戻れば、安心できる、自分が守られていること、愛されている事を再確認出来る場所です。
無償の愛を感じることが出来、自分が認められ、許され、肯定される場所。信頼できる相手が存在する場所。
そんな安全基地として吉永小百合さんが演じたお母さんは、一つのモデルになると感じました。
そして、その安全基地的なお母さんに育てられた、二宮和也氏演じる次男がどんな子に育ったかは安全基地の大事さを理解するのに役立つと思います。
明るく、笑顔絶やさず主体的に愛情を注ぐ事ができる子。
遠慮無く、自分の気持を表現できる子。
もちろん、映画の中のお母さんも、次男も完璧ではないので、問題もあります。
…生きて幸せを謳歌している人を見て嫉妬してしまったりとか、
…大事にしていた存在を失う悲しさ故に相手の自由を束縛しようと
したりとか。
でも、”安全基地”があるからこそ、そんな葛藤という新しいことへのチャレンジができ、徳を積む的な私たちの原点に戻り、相手にとっての幸せのために何が一番いいのかを理解し、…自分の中に感じた奪われる恐怖から脱することができます。
…もし、そんな安全基地を知らないという人がいるなら、ぜひ、この映画の中の二人を真似ることで、まず、自分自身の安全基地を目指しては、と思いました。
この二人も、その周りの人々との関係、つながりも、全て参考になると思います。
安全基地の影響力は、代々受け継がれます。
江戸時代には、安全基地だらけだった日本も、明治維新後に出来ること、表現することの自由を奪われ、人間関係のつながりを奪われ核家族化、個人主義で自立するための忙しさ(心をなくすこと)
に没頭される中で、
…競争を通して様々な怖さにさらされ、人や自然とのつながりを絶たれ、多くの安全基地が失われつつあります。
それでも…
「安全基地は、私から復興させる」
今、生きづらさに苦しまれている方も、これからお母さんになられる方にも、ぜひ、そんな覚悟を持っていただきたいという願いを込めて、この映画をオススメしたいと思います。
若い人に戦争や原爆投下問題を考える契機の一つとして推薦
上さんが気分転換で映画を観たい、と言っていたのですが、今週、特別チェックの映画はなかった状況でした。年寄りの身で、今更、典型的ハリウッド映画の代表のような「スターウォーズ」は観たい気がしませんでした。上映中の映画の中、消去法で考えたら山田洋次監督の「母と暮らせば」が残りました。
長崎原爆を含め戦争の被害を通じて当時のありふれた悲劇の一端が良く描かれていました。もっと戦争を知らない若い人たちにぜひ観て欲しい映画と思いましたが、映画館内は高齢者が目立ちました。台詞に重みがあって、全体に松竹映画の伝統を感じることができました。
映画の中で国力差が桁違いのアメリカと戦争した愚かさを2度ほど批判していましたが、国力が同程度だったら果たして問題がなかったのか、山田監督に聞いてみたいと思いました。国力の弱かった中国への侵略戦争はどうなるのでしょうか。戦争被害だけでなく加害の面も忘れることは許されないと思います。内外、数多の犠牲者の上に、戦後日本の平和と民主主義がもたらされたことを忘れてはならないと、改めて映画を観て思いました。
どうでもいい些細なことですが、映画の中で正月の切り餅が出てくるのですが、西日本では角餅ではなく丸餅のはずと思ったのですが、どうなんでしょうか。
(^^)思ったより良かった♪ 80点
●映画『父と暮らせば』とくらべながら観るのが楽しかった♪
母が.町子のかわりに息子が生き残れば良かったと本音をもらすトコロ 良きでした。
本音を言うことで心に開放感があったのではないか?と思った。
笑いもあるけど悲しくて切ない
原爆で亡くなった息子が亡霊となって現れて…親子の温かくてほっこりするようで所々笑えるようなシーンもあって。
だけど彼はもうこの世の者じゃない。
最後にはやっぱり悲しみのほうが残る温かいけど悲しくて切ない映画。
山田洋次監督
すごい。
このテーマの映画だけどクスリと笑ってしまうシーンがいくつも入っている。
ああ、最後はせつない。ハッピーエンドにはなりようがないんだけど。
本筋ではないけれど触れたい。原爆の炸裂シーン。今まで、ハリウッド映画でも、邦画でも、SFでも、娯楽作品でも、文芸作品でも、アニメでも、幅広い分野の映像で、何回となく、核爆発のシーンは描かれてきたと思います。
この映画がもっとも怖かった。最も痛さをいや痛さを感じる間も無い衝撃を感じました。山田洋次監督すごいな。
古典
最早、作中の人々が同じ日本人には思えない…。
それだけ、今の日本は発展した。
そして、人の質や幸せの感じ方も変わってしまったんだと思う。
僕らの世代はその変換期を生きてきた。
母や父、祖母が大事にして生き方も知っている。そして、その生き方だけじゃ生きにくいって事も分かってる。
観ながらに思うのは、違和感だった。
時代劇でもない。
現代劇でもない。
外国の映画でもない。
だから「古典」なのかと感じた。
最早、歴史の中でしか語られない日本が、そこに在ったような気がした。
澱みのない台詞の応酬。語尾をわざと伸ばす事もない。
細かな心情表現。
二宮君はそんな表現をしない役者さんだったから、おそらくは監督の要求なのではないだろうか?
どこかで見た事あるけど、実際には見た事のない日本人的な仕草、動作。
昔からある風習に則って、創った映画のように見えた。
山田洋次クオリティがあるなら、そうなのかもしれない。
次作の「家族はつらいよ」は大いに楽しみだ。感じた古典感を払拭してくれそうだから。
オフクロに電話したくなった。
そんな映画でした…。
安定の演技だけど共感できなかった
吉永、二宮両名の安定した芝居は安心してみていられるものの、安定しすぎて人間味が欠けた印象。育ちの違いなのか、始終丁寧な対話を続ける親子の会話に現実味を失った。また、その調子で最後までベッタリな親子関係に親近感は湧かなかった。
彼女の為を思うこと、そして親子で一緒に居たいことが一致した結果のラストシーンなのだろうけど、母も心機一転して幸せになってほしい気持ちが多少でも滲んでいれば理解できる。
迷いなく母を道づれにした共依存親子の気味の悪さに愛情の共感は出来なかった。凝りすぎたというか盛りすぎた演出。
父と暮せば、の芝居を見たことがあるが、それとは感情移入の意欲がだいぶ違った。
ラスト以外は
全体的に悪くはなかったですがラストで全てが台無しになりました。あの合唱団がうじゃうじゃいて気持ち悪く、そのうえ振り付けも気持ち悪さを増してました。もっと違うラストがあったような気がします。
回数を重ねるごとに
私も正直最初は自分が想像したものと違ったので拍子抜けしたところはありましたが見る回数を重ねるごとに感情が重なってきました。山田監督が時には恋人のようと評された小百合さんと二宮さんの親子の演技に感動しました。お二人の表情が素晴らしかったです。そして坂本龍一さんの曲も素晴らしかった。最後の原民喜の鎮魂歌で一気に世界に引き込まれて行きました。久しぶりにサントラを買います。
二宮氏の演技力に脱帽。父と暮せばファンなら一度は
井上ひさし氏の父と暮せばの舞台を見たことがあり、原作も知っているので大変興味を持ち、リアルな戦争を生き抜いた祖母たちを連れて見てきました
吉永小百合さんが出ているので間違いないとは思いましたが、不安だったのは二宮和也氏
アイドルでしょう?演技はどうなのだろう…と半分恐恐と見に行きましたら、全く問題でなかった
まずはストーリーに触れます
父と暮せばでは原爆により死んだお父さんと遺された娘、でしたが今作品では逆
原爆により死んだのは息子で、遺されたのはお母さん
冒頭の原子爆弾が落とされたシーンは監督も力を入れたところらしく、インク瓶が一瞬で溶け、凄まじい爆音と共に映像が乱れたところは思わず息を飲みました
隣で見ていた祖母はそれ以前のシーンの静けさからいきなり訪れた爆音により驚いて悲鳴を上げたくらいです
それ以前のシーンは白黒で、いわゆる過去の回想
そこからは色が付き、今現在のストーリーが始まります
原爆投下から3年後の夏、復興が始まったあたりからスタートした物語
息子を亡くした母と、息子の婚約者だった娘は支え合い生きてきましたが、娘の幸せを願い、そして未来へ歩まなければならないという遺された者の役目のために母は娘へもうあの子のことは忘れなさいと助言します
そのうちに幽霊となって母の元へ現れた息子
息子は今でも娘を愛していますが自分はもう死んだ身
葛藤しましたがついに娘の幸せを願い身を引きます
息子と母のわずかな心の邂逅は冬まで続きましたが、娘が職場の同僚との婚約を決め母に報告したその日の夜
大晦日の夜に母は息子に手を引かれ旅立ちます
ざっとあらすじはこんな感じです
簡単に終わり方を言うなら、典型的メリーバッドエンド
母は愛する息子ともう離れることはないと喜びに涙しますが、それは母の死を意味します
母を愛して戦後の混乱の中でなんとか物資を闇市から捌いてくれていた上海のおじさんや、隣のおばさん、息子の婚約者だった娘など、遺された者もたくさんいますが、それでも母は幸せそうに微笑み、息子と手を繋いであの世の門を開きます
エンドロールが流れると同時に、当然のように私は涙していました
祖母も泣いていました
思わず拍手しそうになる程、久しぶりに感動した…!と感じた映画でした
まず、私は戦争を知りません
戦後の時代なんてテレビでしか見たことがないような世代です
それでも、素直に心に落ちてきた
リアルにその時代を生き抜いた祖母はあぁ、昔を思い出した、懐かしいとしきりに言っていましたので、おそらく背景は当時の日本そのものなのでしょう
その上で、話の大部分は戦争ではなく日常劇なんです
これは父と暮せばでもそうでしたが、日常の会話、なにげない暮らしの日々が主なんです
だからこそ昭和を知らない私でもすんなり理解できたのでしょう
日常劇というのは見ている方は楽ですが、構成する側は非常に難しいというのは身を持って経験しています
日常会話なんて、普通に話してるだけなんだから本来おもしろくもなんともありません
それを見る者を引き込ませる魅力を持って演じなければならない
そのためには練られた台詞、完璧なカメラワーク、そしてキャストの演技力が試されます
そこで、心配していた二宮氏の演技です
まずそもそもこの舞台は長崎で、台詞は全編長崎弁
ただでさえ難しい日常劇が、その上長崎の方言、訛りの台詞
それでも二宮氏は完璧に演じきりました
志半ばに命を奪われた青年の、精神的未熟さ、悲哀、苦悩、最愛の母と会える喜び
所詮アイドルだと思っていましたが、この映画を見て彼へ対する評価が変わりました
本当に上手かった
私は子を持ったことはありませんが、それでもお母さんへ感情移入してしまい、二宮氏演じる息子が愛おしいとさえ思いました
ラストにあなたはもうこちら側の人だと、一節だけ標準語で言う、母をあの世へ連れていくシーンがありますが、その時にはもう感情が爆発しそうでした
母が可哀想で可哀想で、それでもあの子と共にいられると泣いて喜ぶ姿が非道く納得して、幸せそうに手を取り合う母と息子
もう滂沱の涙を流してのめり込みました
やはりお二人の迫真の演技があってこそ、心から入り込めたのだと思います
吉永さんの演技力については言うまでもありませんね
個人的な意見ですが、あんなに美しいおばあさんは日本で彼女ぐらいではないでしょうか
結論として、父と暮せばを知っている人はぜひご覧になってはいかがでしょうか
山田洋次監督が井上ひさし氏の意思を継いで続けた原爆三部作の二作目である今作
父と暮せばを踏襲した日常劇
原作同様、一見穏やかで、でも確実に寂しさが去来する、胸が詰まる作品です
私が感動屋だというのも要因としてあると思いますが、それでもやはり素直に心を打つものがあります
所詮アイドルの副業、話題作りの配役、と思っている方は、一度固定観念を捨てて見てみてください
息子の若さ故の未熟さ、幼さ、拙さが見事に二宮氏により描き出され、よりすんなりと受け入れられるでしょう
ただ一つだけ複雑だったのは、地震や津波なら天災だが戦争はそうではない、という台詞です
東日本大震災で被災した私は、少しなんとも言えない気持ちになりました
最も、そのどちらも経験した祖母が絶賛した内容ですから、許容範囲かもしれませんが
設定だけで泣けるが
3カ所ぐらい泣きのポイントがあったのだけど、やはり舞台かアニメを見ているよう。
映像ならばもっとリアルな抑えきれない感情を感じたい。
高畑淳子さんと森山未來さんとかで見てみたかったな。
で彼女は志田未来。
あと、天才本田の望結さんの扱いがひどすぎる。
アップもなく、泣きもない。ただセリフ言わされてるだけ。
これでは、ストーリー説明のために出てきたと言っても過言ではない。
芝居させるとうますぎて他の人とのバランスが取れなくなると危惧したのかも知れないが、ファンとしてはきちんと演じさせてあげたかった。
ラストにも出てきた笑顔の女の子の方が余程いい役だし、実際いい演技だった。
映画自体は、もちろんそんな悪くない。
見て良かったがもう一度は見ない。そんな映画。
「息子」が5ならやはりこれは「3」かな。
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