「完全悪であり、警鐘でもある。」シン・ゴジラ ザッキさんの映画レビュー(感想・評価)
完全悪であり、警鐘でもある。
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原点回帰と言う言葉がコレほど当てはまる映画も他に無いんではないかと思う。
良い大人が童心に帰ってでっかい怪獣が暴れる映画を見に行ったわけですが、いややはりこれは大人のためのエンターテイメントです。
庵野ゴジラはただただ不気味で嫌悪感すら覚えるビジュアルです。
形こそゴジラだが最も印象的な焦点の定まらない眼が、この生物には挑発的な誘導など無意味なことを示している。
このビジュアルは正に最高。
感情を表さないことで、そして必要以上にグロテスクに描くことで、今回のゴジラが間違いなく駆逐すべき対象=人類の敵であることを明確にしてくれている。
目的も意味も予測させず、闇雲に前進を続ける恐怖の存在である。
万全を期したはずである自衛隊の集中砲火に一切のダメージを受けない様は、観ている物に人類の無力さを思い知らせてくれる。
アメリカや世界の情勢等を皮肉たっぷりに描く展開も、被災した地域や救援する人たちの映像もゴジラと言うフィルターを通しての現実世界。
無論怪獣はフェイクかもしれないが、もしかするとこの映画は現代を最も分かりやすく描いてくれている風刺画なのかもしれない。
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