「期待せずに、でも必ず観に行ってくれ」シン・ゴジラ saikimujinさんの映画レビュー(感想・評価)
期待せずに、でも必ず観に行ってくれ
テロップの出し方や音楽、ヤシオリ作戦というネーミングなど、庵野監督セルフオマージュだけに留まらず、過去の特撮映画や岡本喜八監督にリスペクトを捧げる箇所が多いが、そんなのは別に知らなくても十分楽しめる。
庵野ファンじゃなくても、ゴジラファンじゃなくても楽しめる。
初めに怪獣が出てきた時は、良い意味で裏切られた。あの間抜けな表情の怪獣に笑った。
大日本人にも出てきそうな怪獣。
あのくりっくりの目は、エヴァ3話に出てきた敵の目と同じ目ですね。
それが後にゴジラに進化するまでの形態であると知りブチ上がる。ゴジラ、変体するのか!!!
中盤の夜のシーンは白眉。
ゴジラが首都圏に上陸し、東京をメチャクチャにする光景を見てテンション上がった!
俺の知ってる東京が粉々だ!!
家の最寄の駅まで破壊されてテンションマックス。
思わず「スゲェ…!」と呟いた。
自衛隊の戦車や爆撃も迫力あって、ゴジラ作るとなると日本人はみんな協力体制になるんだな、とゴジラの偉大さを再確認。
だいたいテレビ局が映画製作に関わるとろくな事に無らないのに、今作は民放5局が製作に関わっていて、面白い映画になってる!
凄いことだぞ!
米国が東京に核攻撃しなくてはならない状況になるシーンでは何とも複雑な気持ちになった。仕方ないけど、やるしかないけど、でもそんなこと到底容認できないよ!!と泣きながら思った。
しかし日本人の手でゴジラを倒しに行く。それは良いんだがやり方がシュール過ぎる笑
福島原発を表してるのはいいんだけど、
まるでゴジラの歯の治療みたい。上手くいきすぎ。でも楽しいから良い笑
ゴジラが活動停止する設定なんかもエヴァっぽいですね。
新幹線や電車がゴジラに特攻隊よろしく突っ込んで行くところも良かったなぁ〜
東京だもん、やりたくなるよな笑
にしても庵野さんは顔を攻撃するのが好きな人だな。エヴァでもシンゴジラでも、やたら顔を攻撃する。あれ、ドキッとするから良いよね。
ラストで、屋上から東京を眺めながら2人が会話するシーンがあるが、背景の建物の壁が小さな星模様が並ぶデザインになってて、まるで星条旗の様だったのがちょっと気持ち悪かった…どう受け取ったらいいんだあれ…
牧教授の正体だとか、ゴジラの尻尾の秘密だとか、秘密が多いので、そこはファンが様々な憶測をしていて、そういうのを読むのも楽しい。良い映画というのは鑑賞後に語りたくなるものだ。
日系アメリカ人エージェントは、かなりサムくて、観ながら赤面してしまった。ゴジラなんかは世界中が見るんだからこんな鼻クソな英語喋らせないでくれ!!てかどうみても100パー日本人じゃん!こいつが大統領になるってのかい!と思ったが、それ以外は満足である。
ハリウッド版ゴジラの10分の1以下の製作費にも関わらず、面白さは余裕で越えてきたって感じだ。シンゴジラを見てしまったら、ハリウッド版ゴジラなんてゴジラじゃないよ!
そう思うような素晴らしい作品だった。
でもハードルは上げたくない。
ぜひ期待しないで見にいってもらいたい。
次作では、PG13とかにしてグロ描写が増えたら良いな。エヴァみたいにトラウマになるようなバイオレンス描写が見たい☻